表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/48

第十一話  "闇"


 ...なんだ...!?今のは...?!


まるで、後ろから刺された様な...突然目の前に、存在してはいけない者が現れたかの様な...



 このおぞましい程の気配は...!!?




 「....なん...だ...?!」


 「.....うごけ....ねぇ.....!?」



 どうやら二人も感じた様だ。...でも、僕より大丈夫なようだ。



 僕の方は、()()()()()()()()()()()()()()()





 逃げる為なのか、それともその場に向かう為なのか...どちらにせよ。






 ()()()()()()()()()()()()



 「ッッッ!!!」




 喉が渇いてくる。


 目の奥が熱くなってくる。


 身体の震えが酷くなってくる。



 「はぁ....!はぁっ.....!」



 ...動け。怯えてても良い。今は動け...!


 動いた後の事はその後でいい...!だから動け...!!


 こんな状態だ。自分の為すべき事は決まっている。


 ...何が何でも、()()()()()()()()()()



 「......っは!!」



 身体の緊張が解けた...!動ける。


 ...よし...!



 「待ってくれティーザ君...!」



 動こうとした瞬間、シュイノさんに止められた。





 「っ!何ですか!?」





 「......エリーテ様を見てきてくれないか?」






 ...はぁ...?!






 「...今行けるわけないでしょう!?」


 「それでもだ!頼む!!」







 この人は何を言っているんだ...!





 「じゃあ、この状況は誰がどうするんです!!!」


 「...それは」









 直感で分かる。


 ()()()()()()()()()()()()()()



 「......私が出る。」



 「ッッッ!?!」



 正気か!??この人、一人で向かう気だ...!!!



 「なっ...死にますよ!?絶対!!!」


 「それでも!!!!!」


 「っ!?」



 大声を出す。


 ...僕よりも弱いはずのこの騎士が、とても強い者に見えた。


 

 「...騎士はね...護らなきゃいけないんだよ。」


 「...何を言い出して!!!」


 「君は子供だ!.....護らなきゃいけない者だ。」


 「...........................」




 ...違う、僕は化け物だ。


 あなたの言う子供(ひと)じゃない...





 「......あなたが死んだら.....誰がエリーテちゃんを護るんですか?!」


 「....そうなったら、エリーテ様を連れて逃げてくれ。」







 .....ッッッ






 「何でそこまでして...!()()()()()()()()()()()()()()()



 「............」
















 (死ぬ絶対死ぬここで死ぬ死んでしまう殺される死にたくない!!!)


















 言ってくれよ!来てくれって!!...分かってるんだよ!!!






 怖がってる声がずっと、()()()()()()()()!!!








 「...強がりで死にたいんですか?!!」



 気にしなくていいから!!!



 「僕は人じゃない!!だったら躊躇う理由なんて」


 「違う!!!!!」



 「っ!?」



 大声を出さないでくれ...!怖いんだよ...!!




 「あなたが言ったんでしょう?!...僕は人じゃないって!!...化け物だって!!!」























 「......君は、化け物じゃない。」


 「っ???」

























 「本当の化け物は、人のことなんて想わない。」





























 「...アイン、この子の事頼む!」


 ...待って...


 「なっ!?本気か!!」


 ...行かないで......






 「......()()()()()()()()()()()...!」








 そんな事を言って、僕を子供扱い(ひとあつかい)した人は行ってしまった。

































 ...歓喜していたんだ。神が目の前にいるって。


 俺は、"ミーハー"ってやつだから。...とても興奮してたんだ。...例え転生体でも、本物のバルド様が目の前に居ると。



 .........でも違った。


 いたのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()



 そんな子供に言わせてしまった。


 『僕は人じゃない』と...



 ......騎士として最低の振る舞いだった。...己の気持ちを制御出来ずに、子供を傷つけてしまった。



 ......この事は....あの子が許してくれてもきっと、他でもない自分が許せない。



 ...でもせめて...罪は償わなければ。




 今来た者は、恐らく教団......それもかなり強い者だろう。




 私では...良くても九割以上で死ぬだろう。


 /それでもあの子(ティーザ)が傷付くよりマシだ。



 ティーバ様が来るまで持ち堪えられないだろう。


 /あの子達(エリーテ様達)が生きていればいい。





 ......例えどんな理由があろうと。

         /......例えどんなに恐ろしくても。








     ......子供を戦わせてなるものか



























 「...ほぅ?まさかいるとはな?」


 「...お前か?真夜中に迷惑だぞ。」


 ズタボロの黒い..."教団"のローブを着ているその青年は...全てを呑み込んでしまう程、黒い瞳の...



   ()()()()()()()()



 「ぁあ!それは済まなかったなぁ!いや、なにぶんこちらも仕事なもので!」



 気が良く、朗らかに、隣人に挨拶する様に...何とも思ってない声色で謝ってきた。



 「......まぁ、街で何かやった訳ではないからな、誰も起きちゃいないが......起こしたらどうするつもりだった?」


 「それはまぁ、起こした責任をとってきちんと寝かせる(殺す)ぞ?」



 ...っ!


 ......若く見えたからまだ間に合うかと思ったが...



 (もう洗脳されてたか...!)



 教団の奴等は、まだ幼い子供を攫っては、"教育"を行う。


  『アヴァロンの竜人は罪人である。皆、苦しんで死ななければ許されぬ。』



 そんな頭のおかしい事を、教団にいる限り囁き続けるのだ。



 まだ何も知らない子供が、その様な事を言われ続けたら、それが当たり前の事なんだと思ってしまう。



 そうすれば、都合の良い傀儡の出来上がりだ。どんな風に扱っても何も思わない。...思えない。



 そんな風に、教団は規模を増やし続けている。






 ......奴等と同じ事をしたくなかったから、ティーザ君を置いてきた。








 「......殺す事が正義だと...本気で思ってるのか。」






 もう無駄だろうが、あらかじめ聞いておく。


 もしも...まだ良心が残っていたらと思ったからだ。






 「?...何を言って.....あぁ、そう言う意味か。」






 ?...何だ?...何が"そう言う意味"なんだ?






 「勘違いしている様だから言っておくが、()()()()()()()()()()()()



 「........何?」



 何を言っているのだこの男は...!?


 ここまでの闇を持っておいて...そこまでの狂気を持っておいて...






 ......自分は至って正気だと!?







 「っ!嘘を言うな!でなければ何故その考えに行き着く!!」






 どんなに狂った狂人でも、この男の様な思考には、決して至らない。







 ......()()持って理由なく人を殺すなど...!










 「いやいや、嘘ではないぞ?本当だ。」


 「なっ......じゃあ何故!?」


 何故そこまでして人を殺そうとする!?



 「...竜人に憎しみでもあるのか!!」


 「いや、俺には無い。"アイツ"にはあるみたいだがな?」



 ......何なんだ...!


 不気味にも程があるぞ...!

 


 「まぁなんだ、俺の名前を聞けば納得するだろうから、聞くがいい。」


 「ッッッ......なんだ?」































 「()()()()...それが俺の名だ。」












 「......はっ?」



 何の冗談だ?/蘇ったのか?


  やはり狂人なのか?/それとも転生体...?




       どちらにしろ.../どちらにしろ...!



 そんな事はあり得ない...!

        /あり得てはいけない......!!




 ......だと言うのに...納得してしまった。



 「......うそだろ...?」



 あの恐ろしいプレッシャーは...物こそ違うが、()()()()()()()()()()()()()()()()



 「その顔は...嘘だと思いたいが、思えないと言う顔だなぁ。...可哀想だから、証拠を見せてやろう?」



 そう言うと奴は、腕を左側に振り抜いた。



 ...瞬間、()()()()()()()()()()()












 「?!っあ!!?」








 ...意識がハッキリしたのは、投げられた後だった。



 「うっ...!がぁあ!!!」



 全身が痛い。痛みで感覚が麻痺しているのか、身体が動かない。



 「っつ!?ゲホォ!!はぁっっ!!!」



 肺の中の空気が無い。無理矢理押し出されたのか、全身が酸素を求めている。



 「はぁっ..!はあっ...!!......はぁ?!!」



 景色を見て驚いた。



 先程まで街にいたはずなのに、いつの間にか、草原にいる。


 ...先程までいた街が遠くにあった。




 「ふはは!やはり凄いなぁ!!正直死んだかと思ったぞ!!!」


 「っ!?!」




 声!?奴だ!!でも何処に?!!






 「......なん..だ...?」




 ......奴はいた。




 ()()()()()()()()()()()()()()()



 「そう言う能力でな?闇を操れるんだ。」



 「――――――――」





 それは...()()()()()()()()()()()()()()()





 





 「........嘘だろ.....」












 教団の扱う魔術が強い理由に..."闇"と言うのがある。



 闇は、すべての者が恐れる物。


 何も見えず、聞こえない物。








 ...魔術と言うのは、現象を模倣するものだ。


 人が理解できないもの、暴くことの出来ない奇跡。


...あるだけで恐怖する様なものを再現するのが魔術だ。





 それでいうのなら、闇は"神秘"そのものだ。






 光があれば、闇がある事を理解できても...










 照らしても無限に続くから、闇は暴けない。





 全ての者が恐れるが故に、闇は強い。







 



















 悪神"メビウス"が恐れられたのは、この能力を持っていたこともある。


 "闇"の再現ではなく、本当の"闇"を扱えるからこそ

、世界を滅ぼしかけたのだ。






 (......これは死んだな......)




 炎や風は、耐えようと思えば耐えられる。


 身体を魔力の膜で包めば、魔力が障壁になってくれる。


 ...しかし、それはあくまで"現象"の話だ。


 時折起こる自然現象を防ぐ事はできても...()()()()()()()()()()()()()()()()()



 「どうした?別に襲いかかってもいいんだぞ?...ここには誰もいない。」


 「.............」


 「俺が人質にできる者は、居ない。...お前の邪魔をする者も居ない。...そして...」

























   「お前を助ける者もいない...闇の中だ...!」



























 「...その通りだな、メビウスとやら。」



 「.....?」



 「()()()()()()()()()()()()()()()()



 ...だが。

 



 「......まさか!?」





 ()()()()()()()()()()





 「ゥオラァァァッッッ!!!」



 奴の背後から仕掛けたアインの剣は、奴の肩に吸い込まれるように、奴を斬った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ