表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

189/325

第177話 売店に寄ってから悪魔神殿で相談

 二十階ポータルの石碑に触ってロビーに戻ってきた。


「『Dリンクス』D級昇格おめでと~~!!」

「「「おめでとう~~」」」


 ロビーにいた配信冒険者さんたちから拍手が起こった。


「ありがとうございます」

「やあやあ、どもども」

「応援ありがとう~~」

「嬉しいです」

「ども……」


 チアキだけ無愛想だな。

 歓声の中を俺たちは売店に移動した。


「おめでとうございます、タカシさん、はいこれどれにしますか?」


 カウンターには銃剣(バヨネット)が三つ、マスケット銃用の皮のホルスター、弾丸みたいな物が並んでいた。


「三つあるんだ、それぞれ性能が違う?」

「ちがいますとも」

「説明はしてくれるの?」

銃剣(バヨネット)はマスケット型魔銃にしか付けられません、拳銃型は駄目なんですね」

「ざんねん」


 チアキがぽつりとつぶやいた。


「これには、【刀身延長】が付いてます、二十㎝ほど見えない刃が延長されますね。これには武技【三段突き】が付いています、これには【命中補正】ですね、どういたしますか?」

「三つとも、とはいかない?」

「はい、先ほど注文を頂いたのが一つなので、どれか一つになります。レア交換チケットで先ほどマスケット型魔銃を注文なされたパーティが一緒に申し込みなさいました、もう一件は転売かもしれませんね」


 くそ、三つとも押さえておけば良かったか。


「どうする泥舟?」

「命中か、武技か、槍部の延長かあ、悩むなあ」

「泥舟兄ちゃん、【命中補正】だよ」

「どうしてだい?」

「たぶん、槍部分も鉄砲部分にも掛かるから」


 あ、確かに言われてみれば。

 刀身延長と三段突きは槍部だけだな。


「わかった、お姉さん【命中補正】で」

「はい、ありがとうございます。素の攻撃力はこれが一番高いですよ。あと折りたたみ機能付きです」


 それはなにげに便利だな。


「ご一緒にホルスターと弾丸はいかがですか?」

「おいくらですか?」

「専用ホルスターが六万円、弾丸は種類によってちがいますよ」


 ホルスターはマスケット魔銃を入れて肩に背負えるタイプの物だ。

 胸にあたるあたりが広くなって弾丸を入れておけるホルダーがついていた。

 格好いい。


「弾丸は、スライムの魔石を沢山固めた散弾魔弾、氷狐の魔石の冷凍魔弾、ファイヤーバードの魔石の火炎弾がございます。どれも便利ですよ」


 ああ、散弾があるのか、それは雑魚を蹴散らすのに便利そうだな。


「じゃあ、スライム弾を五個、火炎弾と冷凍弾を三個ずつ下さい」

「ありがとうございます」


 お姉さんはにっこり笑って商品を揃えてくれた。


 泥舟はコモンの銃剣を外し、レア銃剣を付けた。

 カチリとはまった。


 コモン銃剣と違って、針ではなく、細いダガーのような刃が付いていて折りたたまれていた。


「刃を出すには『突撃(チャージ)』納めるには『収納(ストレージ)』です」

「『突撃(チャージ)』」


 泥舟が言うと、ジャキーンと銃剣が前方に開いた。


「『収納(ストレージ)


 ジャキッと銃剣は畳まれた。

 畳んだ状態だと刃がどこにも当たらないようになっているな。

 さすがはレア装備。


「かっこいいなあっ、泥舟兄ちゃん」

「チアキちゃんも使いなよ」

「そうだねっ」


 作戦によって、チアキと泥舟で使い回してもいいね。


『格好いいなあマスケット銃』

『泥舟が足軽から鉄砲足軽にジョブチェンジだ、三段打ちだ』

『うーん、【刀身延長】と【三段突き】も捨てがたかった』

『耳が早い奴がいるなあ、しかしレアチケットを使ったというと川崎の権八戦に居たやつだな、『白牙』かな』

『かもしれない、『射手(アーチャー)』の新しい武器として高性能だしな』

『魔石を打ち出せるのが強い。スライムの小さい魔石を固めて散弾は思いつかなかったなあ』


 さて、泥舟のジョブチェンジ相談に悪魔神殿に行くか。


 神殿のドアを開けると、今日の悪魔神父さんは……。

 なんか人魚っぽいお姉さんだった。


「こんにちは、復活ですか、転職ですか」

「転職の相談なんですが、これって」


 足下がびちゃびちゃになってる。


「海水よ新宮くん、体に害はないわ」


 神殿の端っこの机で竹宮先生が居てなにか書いていた。


「竹宮先生、こんにちは」

「「「「こんにちは」」」」

「はい、こんにちは、今日の神父さまはアルダーさま、深海の人魚の悪魔さまよ」

「そうです、よろしくね」


 アルダーさまは凄く綺麗な方だな。

 ……、ちょっと大きいか。

 おっぱいではなくて、おっぱいも大きいのだけれど、二メートル五十ぐらいありそうな背の高さだ。

 ちなみに豊かな乳房は貝殻で半分隠れている。


「ええと、『射手(アーチャー)』になったら、槍のスキルは使えるかどうかです」

「うーん、『射手(アーチャー)』は遠距離職業(ジョブ)だから、近接武器である槍スキルは半減、かな? ちょっと調べてみましょう、きてきて」

「は、はい」


 あ、泥舟と並ぶとやっぱりでっかい。

 アルダーさまは赤子を抱くように泥舟を抱き上げた。


『うわっ、これは神殿に急がねばっ』

『バブミプレイ最高!!』

『おっぱいおっぱい!!』

『男子ってさいて~~』

『男女サベツよ!!』

『フェミきた~~』

『にげろ~~』


 アルダーさまが眼を閉じると、パパパと中空にウインドウが開いた。


「あら、『射手(アーチャー)』では、やっぱりスキル半減ね」

「その上の職業はなんですか?」


 『射手(アーチャー)』の上に職業パネルが乗っていた。


「あら、銃士(ガンナー)なら、【銃剣術】と【槍術】が互換ね。ステータスも足りているわね、なる? 銃士(ガンナー)

「なりますっ!!」

『新職業きたーっ!!』

銃士(ガンナー)キターッ!! 長銃を操る職業、『射手(アーチャー)』の上位職!! 器用度と精神力が重要パラ!!』

『おお、【射撃】【狙撃】【調息】【潜伏】【気配消し】【銃剣術】【槍術】が生えやすいスキルだ!!』

『すげえ、世界初の銃士(ガンナー)誕生だ!! バブ味あふれる絵面だが!!』


 泥舟は伸び上がって銃士(ガンナー)のパネルを押した。

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 銃士が射手の上位互換と言ったりしてる奴が居るが 多分スキルありきで言えば伸びしろがあるの射手なんだと思うが 多分スキルはあるし、連射や狙撃何かはあるだろうけど恐らく銃士の攻撃のバリエーション…
[一言] そのうちガンランスみたいなのも出てくるのかな?
[一言] おおお、世界初だって!? まさかのみのりん越えかーい! 縁の下の力持ちが報われるっていいよね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ