砂時計
大大地高文芸部の額田河合です。世の中という小説の中では、名前も出てこないモブキャラですけど、私という短編小説の中では、一応、主人公ですよね。誰か一人でも私のこと気にかけてくれたらうれしいです。
どんな夢だった?
きらきらきら
さらさらさら
はじめて砂時計をみた
少女の時
透き通ったガラスの中を
時間が落ちていくのをみた
減っていく未来
増えていく過去
きらめきながら落ちる砂が
何だかとてもきれいで
手の届かない砂の流れが
なんだかとてもいとしくて
いつまでもいつまでも見つめていた
きらきらきら
さらさらさら
減っていく希望
増えていく後悔
あれからたくさんの時が過ぎ
なくした希望がつもった後悔より
いつも尊いわけではないと
わかるほどには大人になったけれど
ビルのすき間の遠い空の向こう
あのきらめきが時々見える
窓の若葉を揺らす風の中
あのささやきが時々聞こえる
きらきらきら
さらさらさら
悲しみよりもっと静かに
愛よりももっとせつなく
どんな夢だった?