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最終話

自分が眠っていたことに気付いて目を閉じたまま手探りで田町を探した。でもシーツは冷たい。



夢・・・?夢なら醒めて欲しくなかった・・・な・・・




「・・・っ・・・」



目を開けると田町の部屋には変わりないけれど隣に田町はいない。



・・・いや・・・いた。



ベッドの下で正座して頭をずっと伏せている田町が。



「・・・田町?」

「!!!ユウくん!!!ごめんなさいっ!!!」

「はぁ?」



腰の辺りがちょっと重い。これって・・・夢じゃなかったってコト?っつかなにこいつ?土下座なんだろうけど・・・




「お前何してんの?」

「ボク・・・ユウくんがカゼ引いてるのにあんなめちゃくちゃ・・・」

「・・・顔上げろよ」



ホントに夢じゃないんだ・・・オレは田町と・・・したんだ・・・カゼ引きっつったって汗かいて睡眠しっかりとったせいか頭もすっきりしてるしだるさもなくなった。



「ごめん・・・なさい・・・浮かれすぎました」

「オレの顔を見て言えって何度言ったら判るんだ?」

「・・・」



そう言っても田町は顔を上げない。ちっくしょう。オレが今どんな顔でお前を見てるのか判ってないのかよ?っつかオレってそんなに怖いわけ?

オレは田町の顎を引っ張りムリヤリ上を向かせる。



「オレは今どんな顔?」

「・・・すごくキレイだよ」

「バカヤロウっ!そーじゃねぇよっ!表情だよっ!!!」

「怒ってる・・・」



いや、そりゃお前が今気持ち悪いこと言ったからであって・・・気緩めたら顔まで弛みそうなのを我慢してるんだぞ?わかんねぇの?



「・・・ねぇ、ユウくん・・・」

「ん?」

「ボクと・・・付き合ってください」

「・・・」




やべぇ・・・来たよこれ。心臓がギューって締め付けられて辛くないのに痛くないのに涙が出そうになる。


悔しいけどオレの田町に対する気持ちはホンモノ。田町の長めの髪はやっぱり田町の表情を少し隠したままこいつはオレを見ないで喋る。



「オレを見つめてそれ言ったらOKしてやるよ」

「・・・」



田町が拳をギュッと握る。そして深呼吸。そんなに緊張するのか?さっきオレの気持ちも判ったハズなのに・・・


田町が勢いよく頭を上げてオレを見つめる。整った顔。オレを真っ直ぐ見つめる目。薄目の唇が震えながら開く。



「ボ・・・と付き合っ・・・ください」

「・・・言えてねぇじゃん!」



アハハ!と声を上げて笑うとすぐに田町が曇ったような表情でオレを見つめる。捨て犬みたいってコイツのこというんだろうなぁ。

だからオレは犬の頭を撫でるみたいに田町の頭をくしゃくしゃと撫でて笑ってみせる。



「大好きだよ!田町」

「っ・・・」




そしたら田町何でか泣いていやがんの!ホントにこいつ一回りも年上の有能な医者なんだろうか?


オレは田町の頭をそのまま撫で続ける。大型犬。忠実で血統もイイ犬なのに泣き虫で・・・それなのにたまに野生の本能剥き出しで襲いかかってくる。カワイイ。大好きだ。ずーっとオレが飼ってやるよ。




「田町ー、腹減った」

「あ!うんっ!ユウくん、おかゆじゃなくてお雑炊も食べられそうだね?」

「フツーのメシでもイイくらいだ」

「判った!ボク、何か作ってくるね。もしお袋の作ったヤツ余ってたらそれも貰ってくる」



涙をキレイに拭って立ち上がる田町。さっきとは逆にオレの頭を軽く撫でて部屋を出て行く。

オレも裸のままだったから服を着ようと布団を剥がしたら焦った・・・シーツ・・・血付いてる・・・やべぇっ!!!どーしよ!?オレの血?!別に切れた感じとかなかったけど・・・ん?っていうか・・・田町って・・・中には出さなかったんだ・・・


そんな意味判らないことばかり考えながら恐る恐る自分のケツに触れる。



「・・・・・・・」



別に何も付いてない。少しヌルヌルする何かがついてるぐらい。ローション・・・か?これ・・・でもココに田町のが入ってたんだ・・・



「ん・・・」



ちょ・・・オレヤバくない?またヤりたくなってきた!!!っつーか止まらねぇ!中指を少し強めに押しつけると滑りと共にすんなり入っていく。いつもみたいに前立腺っつーやつ押しつぶしながら擦ってみるけど足りない。薬指も中指に添わせて入れてみるけど刺激が強くなっただけで足りない。



「う・・・んっ・・・ん・・・田町・・・田町ーっ!」




田町とたった1回しただけでコレ。オレこそ変態じゃね?でも・・・でも・・・また廊下でドタドタ走る音がしてすごい勢いでドアが開く



「・・・っ・・・ゆ・・・くん?」

「ごめ・・・これじゃイけな・・・っ・・・挿れ・・・田町ぃ」

「あ・・・も・・・」



田町はイノシシみたいに真っ直ぐオレに突撃してきて後ろからオレの腰を支えた。カチャカチャって金属音がしたからベルトを外してジッパーを下ろしてるんだろう・・・


カタン・・・ガサ・・・




田町の長い手がベッドの横にあるサイドボードから何か取り出す。あ・・・田町ちゃんとゴムしてくれてたんだ・・・

そのとき初めて田町がゴムしてたことも知ったオレはさっき相当グチャグチャになってたんだって判った。田町の指が気持ちよくて田町の熱いのが気持ちよくて・・・



「あ・・・ぁぁ・・・」








「も・・・ユウくん・・・ボクはユウくんみたいに高校生じゃないんだからサスガに・・・疲れました」

「あぁ?!これからオレと付き合いたいんだったらこんくらい当然だろ!?」


2ラウンド目を終えてオレは田町とベッドに寝転んだ。今度は意識を手放すこともなくちゃんと田町と寄り添って横になれてる。幸せな気分ってこーゆーこと。




「・・・ユウくんが望むならボク・・・頑張ります」

「んー!っつか田町さ、ゴムとかローションとかあるわけ?今までやっぱり誰かそーゆー相手いたってコト?」

「ふぇっ!?いないっ!!!いませんっ!!」



ベッドから体を起こして全身で「NO」を表現する田町。



「いや・・・別にこれからはオレだけってなら全然イイんだよ。ただ・・・これからは前の人と使ったローションとかはイヤ・・・かも・・・って思っただけだから・・・」

「違うよっ!!ユウくんだけっ!!こ・・・れは・・・その・・・1人でする・・・やつ・・・」

「ん?」

「ごめんなさい・・・ユウくんを・・・想像して・・・思い出したりして・・・シテました」


あぁ・・・なんだろう・・・このギュッ!って感じ・・・田町はオレを想いながら1人でしてたってことかよ・・・こんなにイイ男のクセに!男も女も抱かないでオレを想像しながら・・・あーやべぇ!これが高校生のサルって言われる所以か・・・また勃ってきた・・・

これからは田町1人でするヒマもないくらいオレが乗っかってやる。



「もー離すなよ?」

「ん?」

「もー二度とオレを手放すな。言いたいことははっきり言え。・・・あと・・・もう少し自惚れろ」

「自惚れる?」


判ってないな・・・こいつ・・・

オレがどれだけ田町を好きだと思ってるんだよ!好きなのは一方通行じゃないってまだ判らないんだろ?



「オレは相当お前に惚れてるから自信持てっつーこと!」

「っ!!!!」



ちょっと照れくさいことを言ったら田町はまた目に涙めいっぱい溜めてポロポロそれを零し始めたんだ。


ホントこいつは情けない大型犬。一回りも年下の男に振り回される情けない男。でも・・・それはオレに対してだけ。



愛してるから幸せにしろよっ!期待してる!オレのお医者様。

拙い文章で綴ってきましたが最後まで読んで頂けて光栄です。

もしよろしければ今後のスキル向上のために評価・感想など頂けたら光栄です。

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