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翌朝。
「私は、ご飯の材料を調達しに町に出るから、お前達はそうじとまき拾いをしてくれないかい?」
「買い物なら私が行きますよ」
グレーテルの言葉に、魔女は首を横に振った。
「森から町に出るのは、慣れていないと大変なんだ。だから、お前達は家事をしながら留守番していておくれ。おやつは戸棚の中にあるからね」
「はーい」
魔女が出かけたあと。
ヘンゼルは、家の近くでまき拾いをしに行った。そして、グレーテルは家の掃除をしていた。
グレーテルは、まず寝室にとりかかった。
「人に会わない生活をしてる割には、なかなかこぎれいな部屋ね」
そう言って、床をみがき、たんすを拭き、その上に乗っているきれいな箱を拭いた。
「ただいま」
魔女が帰ると、家の中はとてもきれいになっていた。
「お帰りなさい」
「グレーテル、ありがとうねえ。とてもきれいになっているじゃないか」
「そうかしら? 嬉しい!」
「それに、まきもこんなにたくさん……ヘンゼルも頑張ったねえ」
「えへへ、ぼく結構頑張ったよ」
「これ、おみやげのケーキだよ」
「ありがとう!」