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gift  作者: 藤紫音
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入学までの一週間2日目……Ⅰ

 さて、なぜこうなったのだろうか?状況を確認すると周りに知ってる人はいない。ここはどこかも知らない、正確に言えば採寸会場?のどこにいるかがわからない。来た道を戻りたいけどこれ(何かはわからないけど急に渡されたもの)が転がっていっただけだからなぁ~。

 そうだ!転がって来たのだから少なくともここより下からは来ていない。たしか坂を転がってきたから坂を探そう。

 まあ、ちゃんと会場には戻りましたよ。戻りましたけど烏君どこだ。

「あー!いたいた、ありがとう。」後ろから急に声をかけられたから驚いて固まってしまった。そしてその声には聞き覚えがあった。さっき聞いた声だ。

「あれ?人違いかな?」

「いいえ、合ってると思いますよ。」後ろを振り返りながら僕が烏君とはぐれたきっかけを作った張本人に答えた。

「お!やっぱり合ってた。ごめんね急にこんな、あたしは麻耶ありがと。命が今持ってるもの捨ててこいなんて言うからさぁ~。」

「私はそんな言い方してないぞ。だいたい麻耶が採寸するだけなのにそんなの持ってくるのが悪いんだ。」

 僕は正直ついていけていない。とりあえずショートカットの方が麻耶さんで身長が高い方が命さんか。

「と、ところでこれに何が入ってるの?」意味も分からず持たされていたんだ聞いても文句は言われないだろう。

「女の子の持ち物に何が入ってるの?って聞くのはマナーが悪いな~。でもいっか、やだよ。」

「やなの?じゃあ無理には聞かないよ。」それもそうだ女子の荷物を聞くなんてマナー違反だったというか失礼だよね。やっぱり。

「えっと、摩耶は嫌と言ったんじゃなくて矢、弓矢の矢だと言ったんだよ。」

「あぁ、聞き間違いか~。でもなんで矢?」今日は採寸だけのはずだし矢なんて持ち歩く必要はないはずだ。

「いつも持ち歩いてるんだ~。」

「まあ、深くは聞かないでやってくれ。」

「ぁ、はい。」何か込み入った事情でもあるのだろうか?

「じゃあ、あたしたちはそろそろ行くね。バイバーイ。」

「さようなら、今日は迷惑をかけてしまったね。機会があれば今度お礼を。」

「は、はい。さようなら。」

 いったいあの人たちは何だったのだろう。なんか、命さん大変そうだなぁ。っと、早く採寸しなくちゃ。多分烏君はもう、採寸終わってるだろうしね。

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