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第八話□ 文芸部 存続の危機!?

しかしそこまで危機じゃなかった。


 文芸部室、俺にとって最初の活動の日。

「さて、村山君」

西暁寺さんがまずホワイトボードに一筆、部員の定数と書き込む。

「この問題は我々にとって死活問題なのは分かりますね?」

「もちろんです、プロですから」

全くお笑いだ。

「そして、我々に残されたタイムリミットは…」

その時、ドアが外側からノックされる音がした!

「今の聞いた!?」

西暁寺先輩が聞いてくる。

「ええ、とりあえず私が開けてきます」

「頼んだわよ」

俺はおそるおそるドアへと向かう。そして、まず一言。

「目的を述べよ」

一拍おいてから返事が返ってきた。

「此の部活に入ることだ」

女性の声だな。

「よろしい」

レディーに手を煩わせることは私の騎士道に反する。

「どうぞ」

俺はドアを開ける。すると、予想外の人物がそこにいた。

「…こんにちは、宝条椿姫さん」

見とれるような、いや見とれてしまう。

「いつまでもそこにいると入れないのだが」

ずっと見つめていたからだろうか、顔をすこししかめながら退くように言われた。しかめっ面も似合うなんて…こりゃ絵画だ絵画。

「いや、すいませんね」

俺は大人しく退く。しかしなんだ、本当に文芸部に入りに来たのだろうか。…俺にとってはさらに手を出しづらくなってありがたきこと限りなしなのであるが。

「…あなたが入部希望なの?」

あれ? 西暁寺部長がいきなり剣呑な雰囲気を醸し出したぞ?

「いかにもそうだ。私はここに入部したい」

「なぜかしら? ライバル財閥の末裔同士なのに同じ部活に入れてやるとでも思って?」

あら、お知り合いかしら。

「ここは学校だ。そう言う分別ぐらいならつけられる御方だとは思っていたのだが」

「あら、昔からの因縁のほうが優先じゃなくて?」

喧嘩だなこれは。西暁寺先輩って結構気性が荒いのだろうか。そうは見えなかったのだが、見た目に騙されたか。その前に速やかに止めないと。

「お二人さん。そのくらいで口論はおやめになさい!」

俺はそう怒鳴った。しかし二人は少し俺の方を見て、そのまますぐにまた向き合ってしまうのみであった。

「私は初めて自らの力で学校に来たのだ。したがって私は家柄などにとらわれず、ただ一人の女生徒として」

宝条はそのあと少し俺をチラ見して、

「学校生活を楽しみたいのだよ」

そう言い放った。しっかし俺の存在感の薄さにはしのびも感嘆の声を漏らすんじゃ無かろうか。

「…面白いわね、あなた。なんか変なむかつきも消えたし入部を許可するわ」

しかもなんか和解ムードになってる感じだ。

「それとあと、あなた今恋をしているのかしら?」

西暁寺先輩は一回俺の方を見てから宝条に言葉を投げかける。

「いや、恋というか…うーむ。まあ、面白いやつだなとは思っている」

宝条は俺の方を見ながらそう言う。面白い奴だとぉ!?

「人数揃ったしさっさと活動に入りましょうよ!」

俺はさっさと話を中断させる。そして、大きな音を立てて椅子に座った。空気だったという過去を振り払うために。

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