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高校生活  作者: 黒猫
14/23

特に


 次の日になっても、昨日の彼の行動の不思議でしゃあなかった。

 あの時はただただ怖くて、考える暇もなかったけど。

 何にイライラしてたんやろ? なんであんな泣きそうな顔してたんやろ?

 そういえば、学校でも元気なかったし、昨日どうしたんやろ?


「千幸。何考え込んでるの?」


 ずっと難しい顔をしてると、優衣が心配そうに声をかけてきた。

 ホンマにこの子は優しいなぁ。しみじみ感じるわ。


「何もないよ。せや、何かいいバイト先ない?」


 笑顔でこっちも応じて、話題を別のものに変える。

 出来れば家の近くが良いな。ガッツリ働けるようなところ。


「中学の時の先輩、マックで働いてるんだけど、かなりガッツリ働けるらしいよ。人間関係も良いみたいだし、オススメかな」


 ナイス優衣。こういう時に決まって良い返事をしてくれる。

 ホンマに頼れる姉貴肌やわ。

 ガッツリ働けて、人間関係も良いなら、一回見に行ってみよう。


「優衣も一緒に行かん?」


 一人で行くより、知り合いがいた方が心強いし。


「うーん、先輩と一緒ってちょっとやりにくいから、違うとこ探すね」


 って言って断られた。うーん、確かにやりにくいかも。気まずいしな。

 まー、良いや。バイトの友達も頑張って作ろ。


「有力情報ありがとうございます、社長」

「いやいや、大したことじゃないよ。まぁ頑張りたまえ」


 意味の分からない高校生ノリを入れて笑ってると、急に優衣の笑い声がピタッと止まった。

 あれ? 笑い冷めるんえらい急やな。


「ずっと言おうと思ってたんだけど……」


 口ごもって言いにくそうにしている優衣を見てると、なんだか胸騒ぎがする。

 なんかアカン事したんかな? 不安で、何?と聞き返す。


「翔太の事」


 翔太くんの名前が出た途端、ドキッと胸の音が鳴ったような気がした。そんくらい驚いた。

 昨日のことが頭の中を駆け巡る。あれがバレたん?


「アイツ、気をつけたほうが良いよ」

「え?」

「女ったらしっていうのもあるけど、千幸は特に」

「うちが?」


 気をつけたほうが良いっていうのは、すごくよく分かった。昨日もあんなコトあったし。

 でも、特にうちってどういう意味?気をつけろってもはや手遅れじゃない?


「実は、昨日……」


 うちは我慢出来んくなって、昨日の出来事を全部優衣に話した。

 喋ってたら泣くんちゃうかと思ったけど、案外平気で話せた。

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