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足の薬指の骨にひびが入った話の続き。雪の日の結婚式。  作者: 雷鳥文庫


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6/10

其の六。

 しばらく経つと夫の方の親族が控え室に来ました。

男性陣です。ご婦人方は式場でヘアセット中とか。

夫がホテルで拾って送って来たそうです。

「本当に助かった。雪が降ってたから。」

と感謝されました。


夫は会場に横付けして皆さんを下ろしたあと、ホテルに車を置きに戻ったそうですよ。

ピストン輸送ですか。

結婚式では飲んだりしますからね。車を置いてはおけません。


…路線バスで来ました。ご苦労様です。

そのまま着替えに行きました。


ご婦人方もヘアセットが終わってやって来られましたよ。


そこでカミングアウト。


「実は足を怪我してまして。こんな靴なんです。」


最初に言っておくに限ります。これならゆっくり牛歩のように動いても、ご案内ができなくても、ドレスの下から不恰好な幅広の紐靴が覗いていても、免罪符になるってものです。

皆さん洋装で、おしゃれなパンプスをお召しです。

いいなあ。


「え、怪我?今?そうなの?」

はい、今ライブナウな状態でございますよ。

そんな四方山話をしているとスマホにLINEが来ます。


ん?私の親族も一組はホテルについたと連絡が。

もう一組…飛行機が遅れた方は??


おやおや。LINEがきましたよ。

『羽田に着きましたが駐機場への案内がありません。

中で待機です。

飛行機から降りられません。』



…なんですって?恐るべき雪め!

羽田をアタックしやがって!


その後、

『やっと飛行機から降りられました。』

『今電車です。』

『乗り換えの電車を待っています。』

と連絡がパラパラと来ます。


こちらに近づいて来たのはわかりました。

しかし親族紹介の時間は刻々と近づいて参ります。

私の心はキリキリ舞いでございますよ。

雪の馬鹿たれ。


そしてとうとう。

『途中で電車を降りた!タクシーで向かってます!』


嗚呼。何ということでしょう!色々無理をさせてしまったね!





コンコン。ドアを叩く音がします。

着いたか?


…いいえ。式場のスタッフでした。


「こちらの控え室へどうぞ。」

今までいたのは本当に椅子と真四角の小さなテーブルがある場所でした。


案内されていくと、広々とした空間にソファが幾つもありました。

そしてドリンクやらお菓子が用意されています。

とりあえず喉を潤します。

ふうっ。


…さて受付をしてくださる娘のお友達にご挨拶をして、お礼を渡します。

新婦は渡す暇がないですからね。


そうこうしているうちに、

「ご両親はこちらに。式のリハーサルがありますから。」

スタッフに導かれてチャペルへと参ります。


おお!ウェディングドレス姿のわが娘と対面!


感無量です。


衣装選びにも何度か付き合いました。

(その時のは採用されてなかった)


アクセもリクエストされていくつか作りました。

一緒に浅草橋のパーツ屋までいったんです。

そこでこんなのも、いいね、あんなのもいいねと2人で選んだのも楽しかった。

それで素人の手作りで挑んだわけです。アクセ作りは趣味なんですよ。

(長さのお直しをしたり、ダメだしもされたけど。)


貸衣装屋での高額なアクセのレンタルは

『母が作ります。』

『あら、まあ、素晴らしい。』とやり取りで断りました。


色んな想いが込み上げて来ます。

綺麗な花嫁姿です。ジーンとします。


ただ、本当に良かった。無事この日を迎えられて。


これだけしかありません。


挿絵(By みてみん)



このヘアアクセは採用されました。

プロが綺麗にフィッティングしてくれたみたいですね。美しくライトに煌めきます。



 見ると雪は小降りになっています。うれしい!

だか、一瞬チャペルの外に出ることに。

ここで親族が入ってきてからの入場があるわけです。


寒いよう。


スタッフの人の指示があります。

「ドアが開きましたら一礼してください。その時の並びはドレスの分だけ新婦様は下がってくださいね。

ご両親はこのタイルを目安にお願いします。」


はあ。覚えてられるかな。


「また本番でもお伝えしますから。」


お願いします!


「ここで新婦様が中腰になって。お母様がベールダウンをお願いします。

新婦様の体制はおツライので、ベールを下ろしたら、直ぐお母様が新婦様のお手をとって引き上げてください。」


は、はい。


持ち上げるとき足に負担がかかるな…と思ったら、娘が自分ですっとスクワットのように戻ってくれました。

(本番の時も。)

…ありがとう。助かったよ。



リハーサルは続きます。



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― 新着の感想 ―
お母様による手作りのアクセサリー!! なんてすばらしい。それは業者も何も言えないでしょう。 雷鳥文庫様の多種多様な才能に感嘆。とても素敵ですね。 にしても羨ましく思いました。 ドレスやアクセサリー選…
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