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第16話 鉄道 2/6
タクヤたちが車両に乗り込み、乗車券に書かれた座席ナンバーを確認する。
二人掛けのシートが通路を隔てて並んでおり、それは回転して、対面にすることができた。
一つをまわして四人用。
ゼンだけ「考え事をしたい」ということで通路の向こうのシートに一人。
四人でどう座ろうか、と話し合おうとした瞬間、ユリが「きゃっっ」と叫んだ。
ユリが指さす先には、小さな白いヘビがいた。
涙目のユリにふり返られ、タクヤは「ムリムリ」と手を振った。
王宮の三人が尻込みする中、ポル爺は普通に手を出して、指先でヘビの頭をつまんだ。
そして両手をあげて、車内の人々に質問した。
「おーい、逃げたヘビがおるぞ、誰のもんじゃい」
すると数隻離れたところにいた7歳くらいの子供が返事をした。
「それ、僕のです」
「すいません、見つけてくださって助かります」
母親が立ち上がって頭を下げる。
「ヘビは、怖がる人は怖がるから、逃がさないようにせんといかんぞ、いいか、わかったな」
「はい」
ポル爺は、ヘビを男の子の持ったカゴに入れた。
「しかしこんな白蛇は珍しいな。かわいい目をしとる。名前は?」
男の子は元気に答えた。
「ミル!」
ぶっっっ、と吹き出す、もう一人のミルがポル爺の後ろにいたことは言うまでもない。




