第24話 デルフィーニ王 1/4
機体は深夜の首都国際空港に到着した。
すぐに黒い大型リムジン車が横付けされた。
ライン特佐のチームは、周囲の警戒を確保すると同時に、リムジン車の安全も小型探知機をつかって内外からささっと確認した。
乗りかえたタクヤたちは、ハイウェイを経由して港にむかった。
海上王宮マンスフィールド号のもとへ。
◆ ◆ ◆
車内のテレビモニターが点灯し、体格のいい黒服姿の男が写し出された。
「タクヤ王子殿下にあらせられましてはご機嫌うるわしゅう。ワタクシは執事長のマシーンでございます」
「でたよ、マシーンさん」
ミルシードがやれやれと首を振った。
しかしユリは丁寧に頭を下げた。
「王宮の惨事に立ち会われたみなさまの敬意を表し、心から労をねぎらわせていただきたく思います。つきましては、これからのご予定でございますが、王はすぐにでも会いたいという意向でございます。しかしみなまさまにおかれましてはお疲れもひとしおかと。一端ホテルでくつろいでいただいて、明朝の謁見ということでもかまわないかと存じます」
そんな気づかいを、タクヤは否定した。
「いや、早い方がいいよ、向こうがいいならこのまま押しかけたい。いいだろ、みんな?」
ユリは、うんうん、とうなずいた。
「おまえこそ、心の準備とかいいのか?」
と、ポル爺が疑問を投げかけた。
「爺さんはよけいな心配しなくていい。どうせ、思い出せないことは思い出せないんだ。やれることをやるだけさ。僕が、本当にこの国の王子で、あいつの子供だって言うなら、とりあえず、僕はあいつをぶん殴る」
「あんた、まじ?」
目を丸くしたミルシードに、タクヤはあわてて付けくわえる。
「いやいや、冗談だよ。べつに僕は父親を殴るって決めてるわけじゃない。でも、その気になったら、本当にやるかもね。こう見えて、僕、けっこうむかついてるんだ」
「申し訳ございません」とモニター越しの執事長が頭を下げた。「我々がもっと適確にご案内申し上げていたなら、このような回り道はしなくて済んだかもしれません、ご容赦ください」
「はあ?」
タクヤは露骨に不機嫌さを顔に出した。
「マシーンさんとおっしゃいましたね。悪いけど、それ、逆です。回り道をして、現実を見てきたからこそ、わかることがある。それはすっごく大切なことなんだ。そこにはさ、一つ一つの命があるんだよ。僕なんか、何にもわからない子供だ。でもね、僕がこの目で見てきたことを、王宮のえらいやつらが否定するというなら、僕は黙っている気はない。そこんとこ、忘れないでもらっていいですか」
「もちろんでございます」
ミルシードは、後ろからタクヤのシートを小突いた。
振り向いたタクヤにむかって、彼女は「グッジョブ」と親指を上げた。
「とにかく、僕たちは移動で疲れたというより、黙って乗り物に乗っているだけで退屈さで疲れた。王に会うとか、新しいしいことがあるなら、早くやってしまいたい」
「かしこまりました。では、お車はこのまま海上王宮内へご案内させていただきます」




