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第23話 空路 2/2

 タクヤは、気がついていた。

 あと少し、と気持ちがはやっているのは、自分だけではないということ。


 具体的に何がどうと指摘できるまでのことはなかったが、やはりユリも目を輝かせて、期待で落ちつかない雰囲気がにじみ出ている。


 ユリもわかっているのだ。


 ユリの目を見つめる。


 ユリが視線に気がつき、うなずいて笑みを浮かべる。



  ◆ ◆ ◆


 

 ヘリは民間空港の一角に着陸した。

 すぐにエメラレドブルーのリムジンバスが横付けされた。


 タクヤたちはいったん空港内の貴賓室に案内された。

 シャワー、着替え、そして軽食ののち、マーサ連邦の要人専用機に乗り込んだ。

 革張りの大型シートが10人分並んでいる。


 静かに音楽が流れていた。

 スーサリアの北の自然を歌ったナチュラルな女性ボーカル。

 タクヤには耳慣れた楽曲だったが、外の世界に来て耳を傾けると、今まで気がつかなかった神秘的な美しさに心を奪われた。

 スーサリアという小国が、外からどう見られているか。

 その一端が、この美しい音楽に充ちていた。

 

 そりゃあ、ミルシードみたいな元気な女子もいますけど、やっぱスーサリアって美しい国なんだよな……


 タクヤは身体をよじって、ユリを見る。


 祈り師の白い正装に着替えたユリは、王子のタクヤからしても気軽に声をかけられないほど崇高な雰囲気をまとっていた。

 

 夜間飛行。

 窓の半分は漆黒。

 砂漠地帯の闇だった。


 しかし残りの半分は、大小多数の街の明かりが広がる豊かな国土。

 自由の大陸、マーサ連邦だった。 

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