第21話 空爆 6/7
荒野の雰囲気が変わった。
それだけはタクヤにもわかった。
起伏のある道の両側から、なにかが見ている。
こちらからは見えないけれど。
ツーコアは馬を止めて、他のものに聞いた。
「おまえたち、もう走れるか?」
ゼンは「大丈夫」とうなずいたが、タクヤは「全くムリだと思う」と正直に答えた。
「わかった」
するとツーコアは、ポケットから小さな笛を取り出して、不思議なロメディを吹いた。
言葉を伝えているようにも聞こえる笛の音。
空高く響いていく。
まもなく周囲にせまった危険な生物の存在が確認できた。
砂漠と同じ灰色をしたサルたち。
「来たな。あいつらは強欲だ。しかも組織立て襲ってくる。馬を寄せろ」
指示通り馬を寄せる。
ツーコアはライフルをとりだして威嚇のために撃ちはなった。
サルたちは警戒したようだが、しかし周囲をとりまき一気に攻撃を加えれば、そのすべてを銃で撃つことはできない、ということまで理解しているようだった。
猿たちは素早く岩陰を移動し、距離を縮めてくる。
ツーコアがライフルを撃つと、そこにいたサルたちだけは退避するが、それだけのこと。
やがて、急に日がさえぎられた。
上からなにかがやって来た。
その巨大ななにかは、翼を広げてツーコアのそばに降り立った。
「トゥーリ!」
ユリが叫んだ。
飛龍は、祈り師に向きあうと、静かに頭を下げた。




