第21話 空爆 5/7
今までとは方向の異なる長い水路。
その突き当たりから、木製の階段を上がり、明るい出口に出た。
そこにあったのは、乾いた農地の広がる小さな集落。
村人たちは、龍人ツーコアに歩み寄り、現地の言葉で問いかけた。
「あの音はなんだ」「いっぱい飛んでいったぞ」「何が起こったんだ」
ツーコアが簡単に説明して、金を渡すと、村人たちは馬と水を用意してくれた。
そしてツーコアは、全員に指示した。
「ここからは馬に乗って走る。二人ずつだ」
ゼンとミルシードはすぐに組んで馬に乗った。
タクヤはポル爺と目を合わせて「ユリを運べる?」「むりむり」となり、ユリはツーコアの後ろとなった。
タクヤとポル爺が組んだ。
しかもポル爺は無理をしたあとで身体が痛いらしく、馬はおまえにまかせる、とさっさと後ろ側にまたいでしまった。
タクヤ王子の操る馬。
かっこいい見せ場になれればよかったのだが、あいにく、足をかけてまたがる初歩から、ツーコアに教わらねばならないタクヤだった。
とりあえず手綱を取り、テクテクと進みはじめる。
そして、タクヤは、例のブレスレッドのスイッチを入れた。
「もしもし、ユリ?」
「あ、はい、本当に聞こえるんだね」
「そちらはどう?」
「普通。このくらいの速さならムリがない感じ。そちらは?」
「ジジイが落ちかけたり、馬がナナメに進んだりしてるんだけど」
「姿勢を正せ。それが一番馬に伝わる」
とツーコアがユリの腕にむかって叫んだ。
タクヤは助言に感謝した。
「ありがとう、やってみる」
「早くなれろ。この先は危険なサルが群生している」
「はあ? こっちは進むのがやっとなんですけど。危険な野生生物なんて、きーてないんですけど」
「がんばれ、王子様」
ユリの励ましがブレスレッドから聞こえてくる。
タクヤは、にやけた。
やっぱ、こういうことは、ユリだよなぁ、と思いながら。




