第21話 空爆 4/7
洞窟に戻った女王は、タクヤたちに行くべき場所を伝えた。
「あなたたちは、砂漠の遺跡にある地下基地に向かってください。そこからなら通信が使えるはずです。おそらく本国でも王子確保の軍隊が動き始めているでしよう。どこかで確保されてください」
「あなたはどうするんですか」
目が血走ったタクヤの問いに、女王は片手を上げて制した。
「王と交渉をしようと思います。ここにある通信機の端末を、その遺跡に運んでください。遺跡には衛星端末があるので、それとつながれば、ここからでも交渉可能です」
「遺跡の地下基地ですか?」
「途中までは水路ですが、そのさき、危険な原野を越えなければなりません。戦士を一人おつけします。ツーコア、みなさんとともに行ってくれる?」
「承知した」
タクヤは彼を知っていた。ここに来るときに砂漠で馬に乗せてもらった龍人だ。
「あと、もうひとつ、通信装置をお渡ししましょう。一対のブレスレッドです。身につけたもの同士、離れていても会話ができます」
タクヤはそれを受けとると、迷いなく一方をユリに指しだした。
その動きが、あまりにも迷いがなかったので、ミルシードとゼンは何も異論を挟めなかった。
「ユリ、一つしかないなら、君が持ってくれ。ユリとのつながりを大切にしたい。みんな、いいよな?」
ミルシードはため息をついて言った。
「祈り師の分際で、王子のプライベートにつけいるなんてゆるせない。ユリは重罪人よ、拷問部屋行きよ。でもまあ、せっかく選ばれたなら、あなた、それ、大切にしなさい」
そしてミルシードは、ユリを抱きしめた。
しっかりと、長く。
あとは託すから、と、伝えるかのように。




