第21話 空爆 2/7
永遠とも思われた地獄の音響が、ふっととだえた。
気がつくと、多くの人の下半身が濡れていた。
近くの壁から岩が落下して地底湖に波を作ったからだ。
そんなことすら、やっと気がつく。
すぐに4連結の小船で様子を見に行くことになった。
女王自ら乗り込み、あわせてタクヤたちも。
船は進んだが、出口はくずれて塞がれていた。
ただし光は入りこむ。
龍人たちは船を下りて、岩の狭間を進んでいった。
「行けます。しかしくずれやすい。気をつけて」
女王とタクヤたちも、船を下りて、くずれた岩をはい上がり、わずかなすき間に身を入れて、はいすすんでいく。
地中から抜け出て、目の前に広がっていたのは、焼け焦げて、攪乱された、爆撃の跡だった。
硝煙の漂う中、地上にあったものは、一切、なくなっていた。
美しい森も、香りのいい茶をいただいたテーブルも、森の歩道も、森に暮らしていた鹿や小鳥たちも。
はるかかなたの黄色い砂漠が、目の前まで続いてしまっている。
すると、ユリが、ある方向を指さして、片手で口をふさいだ。
そこに見えたのは、破壊された泉だった。
丘の上の泉が破壊され、水が流れ落ちていた。
その様は、大きな「目」が、涙を流しているかのよう。
ユリは「なんでよ」と泣き崩れた。
タクヤは両手を握りしめて意味もわからず「わーーーー」と叫んだ。
女王ユリは冷たく立ちつくし、流れる涙をぬぐうことすらしなかった。




