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転生したらモブだったので、主人公グループをヨイショしてたらいつの間にか主人公グループに入ってた件  作者: ソラ・ルナ
第二章・学年対抗戦編

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39話.藤堂誠也の為に③

「はぁぁぁっ! 剣聖技『天流乱星(てんりゅうらんせい)』!」

「ギャァァァァッ!!」

「紅葉! 後ろ!」

「はいっ! 『剣舞・桜花絢爛(おうかけんらん)』」

「グァァァァッ!!」


 流石の二人だ。

 人工ダンジョンで言えば推定Bランクのダンジョンって所だろうか。

 高難易度に該当するダンジョンだというのに、モンスターを難なく倒していく。


「死骸が消えないのがどうしても慣れませんね」

「そう? 私としては学園の倒したらモンスターが消えるって方が違和感が凄かったけれど」


 俺を守るように二人が前を歩く。

 罠は見た所なさそうだし、このまま進んで大丈夫だろう。


「それに、ダンジョンの罠を気にせず戦えるのも凄く楽よ。紅葉、分かっていると思うけど玲央君と一緒に居る時の楽さに慣れてはダメよ」

「ええ、分かっています。玲央さんのお陰で私達は罠や奇襲を考えずに戦えますからね。本当にこれほど安心してダンジョンで戦えるなんて、普通ならありえません」


 あれ、なんか凄く褒められている。

 俺からしたら、モンスターを圧倒できる二人の方が凄いと思うんだけど。


「っと、二人ともストップ」

「「!!」」

「この先は俺が先を歩くから、その後ろを同じように通って」

「了解。でも、この間のような真似はせずに、聞く事。良いわね玲央君」

「あ、はい」

「この間?」

「ああ、少し前の人工ダンジョン攻略の時なんだけど……」


 そうして、リーシャさんが紅葉さんにあの時の事を説明する。

 うう、俺の黒歴史を話されてるみたいで居たたまれない。


「よし、抜けたかな。それじゃ少し下がっててね。よっ」


 ドゴォォォォン!!


「「!?」」


 通り抜けた後に石ころを投げて、罠を発動させる。

 連鎖式トラップで、どれかを踏めば全て爆発する仕組みのトラップである。

 中々えげつないんだよねこれ。気付かずに踏めば即死してもおかしくない。


「……本当に、斥候って大事ね紅葉」

「はい。私にはどこに罠があったのかすら分かりませんでした」


 うーん、まぁそれは仕方ないんじゃないかなぁ。

 俺は"魔眼"で見えるだけだからね。

 斥候職のスキルに罠探知っていうのがあるので、その職業の人達なら俺と同じように見えるはずである。

 見え方は多分違うだろうけど。

 戦場の罠は不自然な場所でなんとなく分かるらしいけどね。

 ダンジョンだとそういうのが無いらしく、斥候職以外の人が見破るのは不可能に近いとか。


「ここだね」

「「……」」


 更に先へと歩いたところで、ボス部屋の前へと着く。

 ここのボスは確か、人型の暗黒騎士だ。

 黒騎士に見た目は似ている。

 だけど中身が無いので、ドラクエでいうさまよう鎧みたいな感じである。


「二人とも、頼むね」

「ええ」

「はい、玲央さんは後ろに。特別指示があれば随時教えて頂ければ」

「うん、了解」


 扉をリーシャさんが開ける。

 白い煙が風で流れ、青い鎧のフルプレート姿の魔物が立ち上がった。


「来るよリーシャさん! 紅葉さん!」

「ええ、行くわよ紅葉!」

「はいリーシャ!」


 二人が駆け、鎧へと肉薄する。


「ゴァァァァッ!!」

「「遅いっ……!」」


 鎧が振るう剣を、いとも簡単に避けた二人は、そのまま剣で斬りつける。

 スパンという音すらせずに、鎧は簡単に斬り割かれる。

 ただ、あの鎧は普通の鎧ではなく、生きた鎧なのだ。

 すぐに元の形へと修復される。


「こいつ、リジェネレートが掛かってるのかしら?」

「そのようです。軽い一撃では回復力の前に無意味になりそうですね」

「なら、合わせるわよ紅葉」

「分かりました」

「ゴァァッ!!」


 鎧は走って二人に斬りかかるが、難なく避ける。

 そして二人は同時に剣を構え、


「「『天魔・流星斬』!」」

「ゴァァァァァァッ!?」


 おお! リーシャさんの『天魔連斬』と、紅葉さんの『流星剣』の合体技だっ……!

 これを生で見られるなんて、俺感激なんですけど……!


「ふぅ、倒せたようね」

「はい、お疲れ様でした」


 余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の二人は、本当に流石である。

 マカロンの時の自信喪失してた姿が嘘みたいだ。

 まぁあれは比較対象がヤバすぎただけなので……。

 ゲーム序盤にラスボスと対峙とかクソゲーかな?

 っていうやつなので。


「うん、一つ目ゲット。二人ともお疲れ様。それじゃ、次に行こうか」

「分かったわ」

「はい玲央さん。ここから近いのは海底神殿ですね」

「……そっちは後回しにしない? 先に水着になると、後が面倒だし」

「それもそうですね。如何でしょう玲央さん」

「あ、うん。それじゃ、もう一つの方を先に行こうか」

「ええ」

「はい」


 俺としても海パンから服にまた着替えて違うダンジョンへっていうのは、ちょっとしんどいと思うからね。

 女性ならその比じゃないだろうし。


 というわけで、二つ目のダンジョンも難なくクリアして素材をゲット。

 特に語る事もないね。

 ゲームでも四つのうち二つは簡単に手に入る部類だ。

 問題は海底神殿の一つと、最後の二人専用ダンジョン。


 海底神殿は、その名の通り海の底にある。

 ゲームでは海底で移動というか、呼吸が出来る魔道具の登場がゲーム終盤だった事もあり、すぐに行ける場所ではなかった。

 だけど現実になった今では違うようで、紅葉さんに聞いたらすでに有ったんだよね。


 ここで問題になるのは、海底神殿の難易度である。

 ゲームでの攻略難易度は実に人工ダンジョンで言うAクラスの難易度なのだ。


 二人専用でしかボスが出ないあのダンジョンと難易度的には同じなのである。

 色々とゲームと違う部分もあるし、難易度がそこまで高くない事を祈るしかないね。

お読み頂きありがとうございますー。

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― 新着の感想 ―
次回、水着回!ポロリもあるかも!(首やら手足やら)
>呼吸が出来る魔道具の登場がゲーム終盤 ゲーム的に考えれば世界が広がるアイテムだから 現実にこじつけるなら開発したてでまだコストが高く一般流通してないとか? 連鎖式トラップこんだけ殺意高いと挑発持ち…
玲央その考えはフラグだぞ 大抵現実化したことで面倒さが一段階増してたりするやつだ 例えば本来の海底はかなり薄暗いのでゲームより視界が悪い 呼吸はできるが水の抵抗で剣が振りにくい(連れてくるなら槍の剛…
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