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転生したらモブだったので、主人公グループをヨイショしてたらいつの間にか主人公グループに入ってた件  作者: ソラ・ルナ
第二章・学年対抗戦編

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36話.体調不良

本日二話目です。

「ゲホッ……ゴホッ……熱は、39度か……」


 昨日の無茶が祟ったのだろうか、初めて体調を崩してしまった。

 リーシャさんにはすぐにライムを送っておいたので、今日は久しぶりというか、初めて時間をゆっくり使えるのではないだろうか。

 そう思うと、体調を崩した事にもほんの少し意味はあったんじゃないかと、ぐぅ、全身が怠い。


「おにぃ、大丈夫!? エレキバンおでこに張る!?」

「落ち着け姉貴、それは肩こりとか治すのだ」


 二人にも心配を掛けてしまっている。


「良いから、お前達は学校に行きな。俺は今日は休……ゴホッ……ゴホッ……!」

「おにぃっ! ……ヤダ、私も休む!」

「俺も休むぜ兄貴! こんな状態の兄貴を放って学校なんか行けるかよ!」


 二人の心遣いが嬉しい。だけど二人は一度も遅刻早退欠席のない優等生なんだ。

 俺のせいでその経歴に傷をつけるわけにはいかない。


「ゴホッ……大丈夫、だから。ほら、準備して行った行った。多分風邪だろうし、寝てれば治るから」

「おにぃ……」

「兄貴……」


 尚も残ろうとする二人だったけれど、両親が説得してくれた。


「玲央、病院に行かなくても大丈夫?」

「うん。寝てれば治るよ母さん」

「……そう。無理はしないで、ゆっくり寝るのよ。学園には私から連絡を入れておくから」

「ありがとう、母さん」

「玲央! 父さんが以前体調悪くなった時に飲んだバファリンの残りがあるんだ! 今持ってくるからな!」


 バファリンの半分は優しさで出来てるからね。

 解熱効果もあったっけ……?


「持ってきたぞ玲央! さぁ父さんが飲ませてやるからな!」

「落ち着きなさいアナタ」

「ゴフッ!?」

「一回二錠、時間を空けて飲むのよ玲央。どうしても熱が下がらないようなら、母さんに連絡して。早退して病院に連れていくから」

「分かったよ。ゴホゴホッ……ありがとう母さん、父さん」


 母さんの綺麗なエルボーが父さんの鳩尾に決まる。

 アレは痛い。

 俺は果報者だな……こんなに家族が心配してくれる。


「それじゃ、行ってくるわね玲央。今日は絶対に早く帰ってくるからね」

「ああ。今日ばかりは残業などするものか。安静にしておくんだぞ玲央!」

「おにぃ、私もすぐ帰るから! 何か買ってきてほしい物とかあったら、ライムで送っておいてね!」

「俺もガッコ終わったらすぐ帰るからよ! 兄貴はしっかり寝ててくれよ!?」

「うん、ありがとう皆。ゴホッ! ゴホッ! いって、らっしゃい」

「「「「っ……」」」


 家族の心配そうな顔に居たたまれない気持ちになりながらも、ベッドに再度横になる。

 これ、病気に掛かってる自分より、それを見てる周りの方が辛いやつだよね。

 はやく治さないと……そう思っている間に、俺は眠りに落ちた。


「ぅ……寝てた、のか……。あれ? だるさが、ない? 熱も、引いてる!?」

「起きたか玲央」

「マカロン!?」

「体の不調は寝ている間に治しておいた。だが、魔法も万能ではない。今日はゆっくりしておくことだ」


 マカロンが、治してくれたのか……!

 なら、今からでもヴァルハラに行ける!?


「私の話を聞いていたか? 今日は、ゆっくり、して、おけ!」

「あいたぁっ!?」


 おでこを四連続デコピンされ、ベッドに再度強制的に寝ころばされた。

 うう、元気になったならヴァルハラに行きたいのに。

 皆今頃何してるだろう。

 って勉強だよね。

 スマホを起動すると、新着メッセージが届きましたの通知数が凄い事になっていた。


リーシャ:大丈夫玲央君? 今日は午後、看病に行くから

烈火:大丈夫か玲央!? 今日は学校終わったらすぐ行くからな!

美樹也:お前はいつも頑張っているからな、疲れが出たのだろう。滋養強壮に良い食材を買って行く

美鈴:ちょっと大丈夫なの玲央!? 色々薬持って行くからね!

紅葉:大丈夫ですか玲央さん? 本当なら我が社の医師団を派遣したいくらいなのですが、玲央さんは嫌がりますよね? 学園が終わり次第、皆と伺いますね。それまでお大事になさってくださいね

アイン:榊君大丈夫? ツヴァイが良い薬知ってるって言うから、帰りに買ってから行くね!

剛毅:榊殿、お体に気を付けて。榊殿が居ない学園は、通夜のようだ

陽葵:れおちー風邪だし!? 安心するし! あーしが風邪によく効く薬持ってってあげるし!

千鶴:榊君、体調不良でお休みだと聞きました。熱が下がらない感じでしょうか? 昔からおかゆやうどん、煮込み野菜が良いと言われていますから、ご迷惑でなければ作りに兄さんと一緒に伺いますね

彰:聞いたぜ玲央! 大丈夫なのかよ!? ああ返事は良いからよ、ゆっくり寝ておくんだぜ!? 千鶴と一緒に午後行くからよ!


 なんて大量のメッセージが届いていて、どのメッセージも俺の事を心配してくれていて、胸が一杯になる。

 ってちょっと待って、これ皆来るの!?

 俺もう治ってるのに!?


「ククッ……人気者だなご主人様」

「言ってる場合じゃないんだけどマカロン!? 俺のこの部屋に推し達がこんなに集まったら心臓がいっぱいいっぱいだよ!?」

「心配するのはソコか。心配せずとも、ご主人様が元気な姿を見たら帰るだろう」

「そうかなぁ……」


 ちなみにこのマカロンの予測は見事に外れたとだけ、言っておこう。

 心配されるのは嬉しいけど、風邪なんてひくものじゃないね、気を付けよう……。

お読み頂きありがとうございますー。

病気の時って、弱気になりますよね。

そんな時に温かいメッセージが届くと、心に届きます。

急に寒くなってきたので、皆さんも体調管理にお気をつけて。

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― 新着の感想 ―
ここまで心配してくれる仲間というか、友達がいるって素晴らしいですね〜。現実にいたら凄い事になるんだろうなって思います。いつも楽しい作品をありがとうございます♪
病み上がりのレオ君に料理を作る権利をかけた戦いがはじまる!かもw
うんうん! ほんわかほのぼの好きだなぁ!!
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