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転生したらモブだったので、主人公グループをヨイショしてたらいつの間にか主人公グループに入ってた件  作者: ソラ・ルナ
第二章・学年対抗戦編

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12話.三年生襲来

 いつも通りリーシャさんと一緒に教室へと向かう廊下。

 なんだかザワザワとしている。


「あ、榊君、リーシャ様。おひゃようございます」

「おはよう後藤さん」

「おはよう」


 滅茶苦茶噛んでるけど、横にリーシャさん居るからね、仕方ないよね。

 後藤さんは俺の席の前のクラスメイトだ。

 烈火達が集まるのですぐに見えなくなるけど、いつも迷惑を掛けている人とも言える。


「何かあったの? 雰囲気がいつもと違うような気がするけど……」

「えっと、流石に今回は榊君も関係ないとは思うんだけど……その、最上級生の先輩達が、誰かを探しているみたいで……」

「「……」」


 その一言で全てを察してしまった俺とリーシャさん。

 凄いな、リーシャさんのジト目が俺を無言の圧力で押し潰そうとしてる。

 目は口ほどに物を言うを味わってしまった。


 これは俺が行くまで事態は収まらないだろう。

 意を決して歩みを進める。


「本郷隊長、やっぱり名前も分からない新入生を手当たり次第探すのはきついですって」

「やかましい。あの人は俺の命の恩人なんだ。いや、俺の命よりも大事な妹を助けてくれた大恩人なんだよ! 直接礼を言わなきゃ俺の気が済まねぇんだよ!」

「ダメよ宗次(そうじ)(あきら)はこうなったら梃子(てこ)でも動かないわよ」

「うう、(あね)さんでも?」

「ええ」


 おわぁ……ヴァルハラ三年生戦闘科、特殊部隊所属・第一部隊副隊長の斎藤(さいとう) 鈴華(りんか)に、同部隊軍師の近藤(こんどう) 宗次(そうじ)の揃い踏みじゃないか。

 隊長である本郷 彰が切り込み隊長、副隊長である斎藤 鈴華はそのフォローをしながら自身も切り込み、近藤 宗次は策により敵を効率良く減らしていく。

 一年生と違い班ではなく部隊なので、その指揮力は目を見張るものがあるだろう。

 ゲームでは近藤 宗次の使う~の陣等の策略で、敵に大きな全体ダメージを与える援助などをしてくれた。

 この二人はサブキャラクターではないが、本郷先輩の仲間としてイベントで助けてくれる。


「大恩人さん、行かなくていいの?」

「うう……あんな目立つ場所へ行くのは勇気が……」

「……」

「……行くよ、行きますとも」

「はぁ、私も一応後ろに控えておくから」

「できれば横で……」

「はいはい……」


 情けないけど、俺だけであの三人と向かい合うのは気が引けるというかですね。

 事実上、三年生の中でも最強の方達なんだよね……。

 【インペリアル・ナイト】と呼ばれる、強者しかいない三年生の中でも、特に強い四人がその称号で呼ばれるのだが……本郷先輩はそのうちの一人である。

 そして、もう一人が斎藤 鈴華さんであり、事実上二人も同じ部隊に居るのだ。


 【インペリアル・ナイト・マスター】が、一年生のキングと同じで存在しているはずなのだが、これはゲーム中で存在だけ匂わせておきながら、ついぞ出てこなかった謎の人物である。

 なので、居ない者として扱うのが妥当だろう。


「本郷先輩、おはようございます」

「!! おお! おおおおっ! 会いたかったぜぇっ!!」

「うぐぇっ!?」

「本当に、本当にありがとう! 最初に疑っちまった事を謝罪させてくれ! 直接報告したくてよ! 妹は助かった! お前のお陰だ! 本当にありがとうっ!」

「おぐぅ……」


 あまりにも力強い抱擁に、い、しき、が……


「あ、あの。玲央君が今にも意識を失いそうですが……」

「!? おわっ!? す、すまねぇ! 大丈夫か!?」

「もう、何をやってるのよ彰。ごめんなさいね、彰に悪気はないのだけど……」

「い、いいえ。気持ちは痛いくらい分かりましたから。……そういえば、自己紹介をしていませんでしたね。俺は榊 玲央といいます」

「榊、玲央か。良い名だな。俺は知ってたみたいだが改めて。本郷 彰だ。んでこっちが……」

「斎藤 鈴華よ。鈴華って呼んで頂戴。斎藤って男みたいで好きじゃないの」

「また姉さんは訳の分からない事を……。俺は近藤 宗次。この二人と違って戦闘はからっきしなんだけど、同じ部隊でやらせてもらってるんだ」

「あ、申し遅れました。私はリーシャ・エーデルハイトです」

「へぇ、貴女が剣聖の。……噂以上の美しさと、強さを秘めているわね」

「っすね。ちょっと力の底が見えないっすよ彼女。本郷隊長や姉さんに近しいものを感じるっすね」

「おいお前ら。俺の大恩人の彼女に失礼な真似すんな」

「あ、ごめんなさい。つい観察する癖が……」

「っすね、すまないっすよ。失礼な事をしたっす」


 上級生なのに、新入生に対しても威圧的じゃないこの人達は、ゲーム通り気の良い方達だ。

 でも今はそんな事よりも……


「か、彼女じゃありませんからっ!」


 ぐふぅっ……知ってはいるけど、本人から言われるこのダメージはとても痛い。


「そ、そうなんですよ……」

「「「……」」」


 三人から、あっ……(察し)みたいな目で見られる。


「ええとだな……。榊、いや玲央と呼ばせてもらっても良いか? 俺の事も彰で構わねぇからさ」

「勿論構いません。それじゃ俺は彰先輩って呼ばせて貰いますね」

「はは、玲央なら呼び捨てでも気にしねぇけどな。そんで玲央、今日午後に時間を空けてもらえねぇか?」

「午後、ですか? 多分大丈夫だと思いますけど……」

「そうか! なら学食に行かずに、待っててくれるか? 迎えに行くからよ!」

「それは、助かりますけど……どうしてです?」

「妹の千鶴がよ、どうしても会ってお礼をしたいって言っててな。まだ学校には来れてねぇから、うちに案内したくてよ!」


 本郷先輩の家に、だと!?

 確か本郷先輩は妹の千鶴さんと二人暮らしだったはず。

 そんな家に、俺が行っても良いのだろうか?


「えっと……俺が行っても大丈夫なんですか?」

「そりゃこっちが誘ってんだぜ? 良いに決まってるだろ!」


 それもそうだった。


「それなら、俺の方は問題ないです」

「そうか! ありがとうな! そんじゃ午前の授業が終わった頃にまた来るぜ! 鈴華、宗次、行くぜ」

「はいはい。玲央君、リーシャちゃん、ま~たねぇ」

「榊君、リーシャさん、またっすよ」


 二人とも手をひらひらと振りながら、去っていった。


「「「「「……」」」」」


 クラスメイト問わず、また何かやったの? 的な視線を向けられていて凄く居心地が悪いです。

 廊下で会話してたからね、渋滞が出来てる。

 ヴァルハラの最上級生とか、雲の上の人達だからね……そんな人達が一年生の廊下に居れば、そりゃそうなる。


「本当に玲央君は、パンドラボックスみたいな人ね」

「そんな神様レベルのビックリ箱なの……?」


 心外である。

10年以上使っていたパソコンから、新しいパソコンへと移行しました。

文章を打っていて途中で固まらなかったり、文字打ったのが少しの間出ずに時間が経ってから一気に文字が出たりするといった事がなくて感動しております。当社比1.5倍の速度で執筆が進みました。

動作が軽くなった反面、今までと色々違うレイアウトに設定等四苦八苦しながらですが、なんとか書けましたので投稿です。

長々と失礼しました。

後書き含め、お読みいただきありがとうございますー。

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― 新着の感想 ―
>なので、居ない者として扱うのが妥当だろう。 んも~すぐフラグ立てちゃう しかしこんだけ派手に活躍してるとなるとキングってもしかして……? って思う人も出てきそうw 全く関係なくて申し訳ないですが…
そのうち、クラスに交通整理担当が出てきそうですねw ただ今キングが面会中です。最後尾はこちらですよ~。 みないなw また、「彼女じゃありませんから!」と言っているリーシャちゃんのお顔が真っ赤になって…
ちょっと感想サボっておりました 本郷先輩と会う流れがちょっと強引だったなと思って考えていたらズルズルと…… たぶん学年対抗戦編ということで三年生も登場させたかったのかなと納得いたしました が、やっ…
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