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転生したらモブだったので、主人公グループをヨイショしてたらいつの間にか主人公グループに入ってた件  作者: ソラ・ルナ
第二章・学年対抗戦編

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97話.学年対抗戦・開幕②

「良いかおめぇら、今日の戦いはヴァルハラの一行事とはいえ、軍の上層部の奴らも観戦する。ここで活躍をする事で、将来に役立つ事が起きる可能性もある。今回参加できなかった奴らも、軍部の奴らに実力を証明する機会はまだあるから安心しろ」


 藤堂先生の話を聞きながら、俺はこの後の学年対抗戦の一回戦、二年生との戦いを考えていた。

 学年対抗戦は三日に分けて開催される。

 今日は一年生と二年生、明日は二年生と三年生、最終日に一年生と三年生という具合だ。


 一年生は連戦で疲れを残さないようにという配慮があるのだとか。

 総当たり戦かつ、一試合に時間が掛かるので午前中は全て学年対抗戦の時間に割り当てられていて、午後には全員帰宅する事になっている。


 陣地の場所が離れている事もあり、すぐには勝負がつかない。

 そして、相手を倒せば終わりという戦いではなく、相手からポイントを奪えば戦闘不能という特性上、相手を倒しきる必要はない。


 開始前に渡される魔道具の一つ、オーブを両肩に装着する。

 そのオーブを破壊されたら負けなのである。

 片方だけの場合はまだ戦闘可能で、両肩のオーブが壊されて初めてポイントが奪われる。


 ただしキングだけは別で、どちらか片方でも破壊されればその時点で負けとなるシステムだ。

 だから勝負に勝つ一番手っ取り早い方法はキングのオーブを破壊する事。

 でもそんな事は両チーム百も承知なので、キングの守りは厚くする。


 それは二年生も同じだろう。

 そこを俺達は突くつもりだ。


 俺達はキングの守りを最低限にして、相手の少数の攻め手を数で押す。

 こちらのメンバーも強いので、一対一でも勝てるかもしれないけど……念には念を入れてね。


 二年生のメンバーには、この間一緒に戦った斥候の真島先輩と、魔導士の如月先輩が居る。

 この二人はかなりの実力者だ。

 恐らく攻め手に加わるだろう。

 他の先輩達の情報はないけれど、二年生に上がるだけの実力はあるのだから、油断は出来ない。


 そして最大の懸念は、恐らくクイーンである陽葵先輩だ。

 この人の強さは桁違いだし、速度という点においてクイーンのバフを受けた陽葵先輩は恐ろしい敵だ。

 勝負の開始前に明かされるキングは、恐らく千鶴先輩なはず。

 キングに補正はないけれど、千鶴先輩の強さはオールラウンダーの最上位。

 自分で失った体力は回復できるし、遠距離攻撃もあるし、近距離も強いと隙が無い。


 一対一では攻めきれない可能性が高いのに、相手の守備は硬くバフも盛り盛りにしてくるだろう。

 おまけに千鶴先輩は相手が一年生だからって甘く見るような人ではない。


 本来のゲームでは、この時点で千鶴先輩は居ない。

 だからモブの二年生がキングをしていたけれど……今回は千鶴先輩だろうと予想している。

 

「おい榊、聞いてるか?」

「はいっ!?」


 色々と考えていたら、目の前に藤堂先生が居た。


「ったく。一年のキングがボケっとしてんなよ?」

「せんせー、榊君はポーンですよー?」

「おっと、そうだったな。ってそういう意味じゃねぇよ!」

「「「「「あはははっ!」」」」」


 皆楽しみにしているんだろう、ハイテンションである。

 かくいう俺も楽しみなんだけどね!


「聞いてなかったみてぇだからもう一度言うぞ榊。今回の戦いで勝敗の如何を問わず、正式に一年のリーダーとしてお前が君臨する事になる」

「!!」

「今年は例年と違い、お前の実力を疑う奴ぁいねぇ。だが、それは魔族にお前の情報が洩れるという事でもある」

「その点は大丈夫だと思います。リーシャさんが居ますから」

「玲央君……ええ、任せて頂戴」

「お前ら……隙あらばイチャコラすんじゃねぇ」

「「イチャっ!?」」

「ま、その点の心配はしてねぇがな。……二年筆頭と三年筆頭は、筆頭であってキングじゃねぇ。それは知っておけよ」

「「「「「!!」」」」」


 そうだ、陽葵先輩も彰先輩も、実力的に各学年で最強なので『表』のリーダー格として、筆頭の名で称されている。

 けれどそれは、『キング』ではない。

 『キング』の居ない年の方が多いと聞いているし、二年生と三年生は『キング』が居ない可能性もある。


 けれど、今年は『キング』が公表された。

 これは異例な事なのだ。


「魔族の重要人物、要は『敵』の要として狙われる事になる。『キング』はヴァルハラの象徴でもあるからな。勿論俺達も生徒達を守るが、いつも傍にいられるわけじゃねぇからな。学園から出た時こそ、油断はすんなよ。他の奴らより、お前は狙われる事になる」

「……分かりました。肝に銘じておきます」

「ククッ……まぁ脅かしはしたが、最初に言った通り心配はしてねぇ。リーシャもいるが、何より……お前がそう簡単にくたばるタマかよ!」

「わっ、わっ」


 藤堂先生に頭をガシガシと揺さぶられる。

 憧れの藤堂先生にそんな事をされたら、頬が緩んで仕方ないんですけど!


「玲央君、藤堂先生にそんな事されながら笑うのって玲央君くらいなものよ……?」

「え、俺笑ってました!?」

「ガハハハ! ったく、そんな嬉しそうにされるとこっちまで笑っちまうぜ。さてお前ら、ホームルームはこんくらいで終わるぞ! お前らは観客席に先に行っておけ! 学年対抗戦に出る四人は少し待機だ!」

「「「「「はいっ!!」」」」」

「榊君、頑張って!」

「榊様、ご武運を!」

「リーシャ様、必ず勝ってくださいね!」

「アイン君、応援してるよ!」

「水無瀬君、その槍さばきを見るの、楽しみにしてる!」


 皆俺達に一言添えてから、教室を出ていく。

 俺達は皆の想いを背負っているんだ。

 ……勝つぞ!

お読み頂きありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
少なくとも確定で一人は内通者がいるから情報が洩れるってのは覚悟しとかんとなぁ  やってる本人も不承不承だろうけど たぶん撫でられてる時の感じヴォルフと同じw
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