表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらモブだったので、主人公グループをヨイショしてたらいつの間にか主人公グループに入ってた件  作者: ソラ・ルナ
第二章・学年対抗戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/143

80話.クレハの実力

「そやさ☆」

「グァァァァッ!?」

「ほいさっ☆」

「ギャァァァァッ!!」

「とりゃさ☆」

「ガハァァァッ!!」

「……」


 噓でしょ。

 クレハさん、信じられないくらいに強いんですけど。

 ちょっと、シャレになってないくらいに強い。

 瞬間移動、というのだろうか。

 敵に気付いたら、そこに一瞬で移動して首を刈り取る。

 まるで死神の大鎌だ。


「んー☆ 弱い弱い☆ あ、みっけ☆」

「ギギィッ!? ギャァァ!!」


 まるで虫を踏みつぶすが如く、魔物を斬り殺して行く。

 それもピクニックに来ているかのように、軽やかな足取りで。


 それに、このダンジョンは人工ダンジョンではないので、魔物の死体は消えない。

 そう、消えないはずなのだ。

 なのに……どうして魔物が倒された後、死体が消えてしまうんだろう?


「あ、玲央ちゃん魔物の死体が残らない事が疑問だったりするのかな☆」

「!!」


 びっくりした、いきなり心を読まれたのかと思ったよ。


「う、うん。ここは人工じゃなくて、天然のダンジョンだから、魔物は創られた存在じゃなくて、ダンジョンに生み出された存在でしょ?」


 だから、死体は消えないはずなのだ。

 ただ、時間が経てばダンジョンが吸収するので、いずれ消えるのは一緒なんだけど。

 少なくとも死んですぐに消えはしない。


「んー☆ まぁ玲央ちゃんにならいっか☆ ウチの大鎌、『ソウルイーター』って言うんだよね☆ その名の通り魂を食べる武器なんだけど、魔物って全身が魂そのものだからね☆ 全部この子が食べてるんだー☆」

「!?」


 確かに、そんな武器は存在した。

 説明文も、魂を刈り取るってあった。

 でもまさか、現実だとそうなるとは……。


「この大鎌、食わせれば食わせる程強くなるんだー☆ ウチ、これでもたくさん屠ってきたからね☆ 人間だろうが同族だろうが、魔王様の敵は全部全部殺してきたから☆」


 クレハさんの眼が漆黒の闇を映し、背筋がゾクッとした。

 会話の口調はいつも通り軽い。だというのに、その言葉には凄い重みを感じた。

 本当に、マカロンに忠誠を誓っているのが分かる。


「だから、魔王様が玲央ちゃんに力を貸せって言うなら全力で力を貸すし、ないとは思うけど……魔王様が玲央ちゃんを殺せって命じたら、ウチは躊躇わずに玲央ちゃんを斬るよ☆」

「……。そこは、殺すって言わないんだ?」

「!! ……たはは☆ やっぱ玲央ちゃんには敵わないなー☆ うん、ウチは玲央ちゃんは殺せない☆ ま、乗っ取られてる魔王様ならいざ知らず、今の魔王様がそんな命令するわけないけど☆」


 クレハさんは、繰り返す時の中で……俺と敵対していた時があったのかもしれない。

 それは俺ではないけれど……その俺ではない俺は、もしかしたら……いや、考えても仕方がない事か。


「ほいさ☆」

「ギャァァ!?」

「!!」

「ステルス使っても無駄無駄☆ ウチの探知の範囲を舐めんなよ☆」


 もはやクレハさんの実力は疑いようがない。

 俺が何か指示をする暇も無く、クレハさんは敵を始末していく。


「どう玲央ちゃん☆ ウチ頼りになるっしょ☆」

「はい。正直クレハさんの事舐めてました」

「うは☆ 玲央ちゃん正直☆ ま、魔王様とウチを救ってくれた玲央ちゃんなら良いけど☆」


 そうか、クレハさんが絶対的に俺の味方をしてくれるのは……忠誠を誓っているマカロンを、俺が救ったから。

 そんなことを考えていると、ボス部屋の前に辿り着いた。


「お、ここだねぇ☆」


 確かここのボスは悪魔公爵、ダンタリオン。

 凄まじい魔法を操る強敵だ。

 前回はマカロンが居たから戦いにならなかったけど、今回はそうはいかないだろう。

 気合を入れて、俺は扉を押して行く。


「グハハハハハ! よく来たな下等生物共よ! この大悪魔、ダンタリオン様の餌となるがよい! ハハハ……!」

「お、ダンちゃんおっひさー☆」

「ハハ……ゑ?」

「久しぶりだねぇ☆ あ、でも本体は魔界だよね☆」

「く、クレハ様ぁぁぁぁ!?」


 何このデジャヴ。

 ボス部屋に居た、大きな黒い翼を生やした悪魔が、また平伏した。

 流石に二度目となると大きな驚きはな……いや驚くよ。


「クレハ様が現界しておられるとは……大変喜ばしいことですな! しかして、その人間は?」

「あ、俺は榊 玲央と言い……」

「貴様には聞いておらぬわ! 誰が言葉を発して良いと言ったにんげゴファッ!?」


 マカロンもクレハも知ってる人、いや悪魔だし、一応自己紹介をしようかと思って言おうとしたら、遮られたのだけど……その途中でクレハさんがぶん殴った。


「おいダンタリオン☆ 口の利き方に気をつけろよ☆ 玲央ちゃんはお前程度が言葉を遮って良い方じゃねぇゾ☆」

「も、申し訳ありませんでしたぁクレハ様っ!!」

「謝る相手が違うだろォ☆」

「は、はいっ! 申し訳ありませんでしたっ!!」


 今度は俺に向かって、凄まじい勢いで土下座をしてくるダンタリオンさん。

 それを見たクレハさんはにっこりする。

 今はその笑顔が凄まじく怖いんですけど。

 というか、ダンタリオンって悪魔の階位で言えば公爵で、通常の階位で言えば頂点クラスの存在なはずなんだけど。

 その上ってもう王族とか、皇帝(エンパイア)、大公爵といった極少ない階位しかないと思うんだけど。


 そんな人(悪魔)が土下座するって、一体どういう状況なのか。


「ごめんね玲央ちゃん☆ 魔族は舐められたら終わりだから☆ しっかり上下関係は(しつけ)ておかないとなんだ☆」

「そ、そう、なんです、ね」


 もはやめっちゃ引き気味に答える事しか出来ない俺である。


「そ、それでクレハ様。やはり私が落とすドロップ品がお望みでしょうか……?」

「そだよ☆ あ、ちなみに素材コレコレ要るんだけど、ついでだから配下に集めさせてくんないかな☆」

「おお、成程。確かにこれらなら私の配下で全て揃えられますな。しばしお時間を頂けますか?」

「オーケー☆ それじゃそこで座って待ってるから、よろしくね☆」

「畏まりました! おい! お前達、他のダンジョンを守っている守護者達に伝えろ」


 それから、ダンタリオンさんはぶつぶつと何か一人で言い出した。


「玲央ちゃん☆ ウチ達はのんびり待ってよ☆」

「えっと……良いんですかね?」

「勿論☆ 玲央ちゃんは人を動かす事を覚えないとだねー☆」


 うぐぅ、自分でやれる事は自分でやりたくなるタチなんだけどなぁ……。

 せっかくダンジョンに来たのに、まさかの一ヵ所目でただ待つだけになるとは想定外である。


お読み頂きありがとうございますー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ロイヤルガード&剣聖を同時に相手取れるクレハの実力を知ったのであった >>乗っ取られてる魔王様 魔王の力たるコアを集め完全なる魔王になれば理性を失うって感じで言ってた (37話.モブはペットを飼う事…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ