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転生したらモブだったので、主人公グループをヨイショしてたらいつの間にか主人公グループに入ってた件  作者: ソラ・ルナ
第二章・学年対抗戦編

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72話.ワルキューレの選定戦②

side本郷 彰




「本隊は本郷隊長からは離れて良いっす! あの人に援護は要らないっすから! 基本※1雁行がんこうの陣を維持しつつ、適宜陣を変えるっすよ!」

「「「「「はいっ!!」」」」」

(※1 敵の動きに応じて、そのつど魚鱗・鶴翼など、ほかの陣形に速やかに変えられることが特徴の陣形)

「姉さんの部隊は※2鋒矢ほうしの陣を維持して敵を蹴散らしてくださいっす! 姉さんの後ろには本郷隊長が居るっすから、多少敵を通しても問題ないっす!」

「「「「「おおっ!!」」」」」

(※2 矢印の形をした陣形。少ない兵力で敵陣を突破する時に効果的な陣形。魚鱗の陣に似ているが両翼の展開は狭く、それだけ突進力に重きを置く陣形)


 流石は宗次だ。軍師でありながら指揮を飛ばすのも一瞬の迷いもない。

 こいつの指示に従えば間違いない、皆そう信じている。

 勿論俺もだ。


「彰! 後ろ!」

「シネェェェッ!!」

「ステルスかっ!! 居合術『閻魔』」

「ナ、ナン、ダト!? グァァァァッ!!」


 柄頭で相手の攻撃を弾きながら刀を抜き、斬り捨てる。


「ふふ。心配は無用だった、わねっ!」

「ギャァァァッ!!」

「いや、声掛け助かったぜ鈴華!」


 離れた位置に居ても、鈴華や宗次の声は良く届く。

 玲央もそうだが、戦場ではとてもありがたい。


 周りを見るに、結界を破られた右側と左側から敵が雪崩れ込んできているようだ。

 左側には二年達が、右側には一年達が守りについてくれているはずだが、防衛線をそこまで広げないように指示があった。

 それは、薄くするよりも力を合わせやすくする為、そして支援を受けやすくする為だと玲央は言った。

 理に適っている。

 それに抜けた分は俺達が処理すれば良いからな。

 全てを相手にしていると二年と一年が先に力尽きてしまうだろう。

 やはり玲央は『分かって』いる、そう感じる。


 本来であれば、一年に片方を任せるのは良くないかもしれない。

 だが……今年の一年は違う。

 玲央を筆頭に、剣聖の嬢ちゃんやロイヤルガード達の実力は本物だ。


 ただ、両側にただならぬ気配を感じる奴が一人づついやがる。

 この二人は格が違うだろう。

 かといって、ここを抜かれれば市街地だ。

 この防衛を緩めるわけにはいかねぇ……。

 頼んだぜ千鶴、陽葵。

 任せたぜ……玲央!




side本郷 彰・了




side結月 陽葵



「はぁぁぁっ!! 邪魔だしっ!」

「グォォッ!」

「お前はもう死んでるしっ! 次だしっ! 抜刀術『三日月』」

「ギャァァァッ!!」

「流石陽葵ですね。この調子なら、私の手助けは必要なさそうですね」

「そんなことないし! チルチルが後ろに居てくれるから、全力で突貫できるんだし!」

「ふふ、そうですか。!? 避けて陽葵!」

「オオオオオッ!!」

「にょわー!? な、なんだしっ!?」


 凄まじいガタイのナニカが、拳を地面に叩きつけた。

 衝撃波で少し飛ばされながらも、なんとか回避に成功する。後ろを見ると地面はえぐれ、クレーターが出来てるし。

 あんなの直撃してたら、ミンチになってるし!?


「やるな、今のを避けるか人間」

「お前、強いし」

「ほぅ、分かるか。では名乗ろう。俺は魔王軍四魔将が一人、ウォルフガング様の副官、ワーグ=ベオウルフだ」

「……あーしはヴァルハラ二年生筆頭、結月 陽葵だし」

「ふむ。その華奢な見た目とは違い、強いな。その身から発する力、他の魔族達では手に負えまい。お前達は下がっていろ、俺が相手をする」


 ワーグ=ベオウルフと名乗ったこの狼のような二足歩行の魔族が手を上げると、周りの魔族達が素直に後ろに下がったし。

 あーしも油断なく刀の柄に手を置く。


「……」

「……」


 あーしとにらみ合うこと少し。

 先に動いたのは勿論あーしだ。


「先手必勝だしっ! 抜刀術『新月』」

「何!? 消えっ……ぐぁぁっ!?」

「ッ!! 浅いしっ……!」


 新月は気配を極限まで薄くする事で本当に姿すら見せずに斬る抜刀術だし、基本的に奇襲にしか使えないけど……初手で制するにはもってこいの技だし。

 これを防がれたのは、パイセンとリーにゃんだけだったんだけどなぁ……!


「このまま砕けるが良いっ!」

「チッ……!?」

「させませんっ! 『ブラッディ・ロストセイバー』!」

「ぬぅっ!?」


 チルチルの技を、直接受けるのは不味いと判断したのか、後ろへ飛んで避けるが、あーしの刀が刺さっていた腕は直撃し、地面へと落ちる。


「ぐっ……やるな。俺の鋼鉄の体を容易く斬り落とすとは」

「どんな強固な体も、常時そうではありませんから。陽葵の攻撃を受けた時、貴方は肉体を硬化していました」

「!! どうやら、只者ではないようだ。面白い……!」

「チルチル、ありがと」

「いえ。油断せず行きましょう陽葵。強敵ですよ」

「分かってるし! でも、あーしとチルチルの最強コンビで勝てない敵なんて居ないし!」


 こいつを倒して、こっちの戦況を変えてやるし!




side結月 陽葵・了




「魔法師隊、放て!」

「「「「「『ファイア・アロー』」」」」」

「「「「「ギャァァァァァッ!!」」」」」

「アーチャー隊は倒れてない敵に追撃! 魔法師隊は魔力を貯めて次弾に備え! タンク達は前へ!」

「「「「「おおおおおっ!!」」」」」


 皆指示に従って、魔族達と戦ってくれている。

 一体一体の力は、こちらより少し上だ。

 けれど、こちらは魔族と違って陣形を取り、協力して戦っている。

 魔族は戦略もなくただ突っ込んでくるだけ。

 ここに勝機がある。

 数の利は向こうにある以上、消耗戦になればこちらが負ける。


「キ、キング!」

「どうしたの!?」


 一人の生徒、斥候の女の子が、慌てた様子で走って報告に来てくれた。


「結界の亀裂の前方より、二足歩行の巨大な狼がこちらへと向かってきています! ま、魔力が桁違いで、と、遠くからでも体が委縮して……あ、あんな化け物……どうしたら……!」


 この女の子がこうなるのも無理はない。

 魔王軍三魔将、いや四魔将か。

 そのうちの一人、魔将ウォルフガング。

 その強さは、そこらの魔族とは桁違いに強い。

 正直、こんなに早く相対する事になるのは想定外だ。


 本来、こちらからヴァルハラを出て多くの魔族を倒しながら経験値を獲得し、強くなってから挑むんだ。

 それが、向こうから来るとは。

 ゲームのように待っていてはくれないという事か。


「分かった、報告ありがとう。そいつの相手は、俺達がする」

「!! わ、分かりました。キング、リーシャ様、ロイヤルガードの皆さん、ご武運を……!」


 そう言って敬礼して持ち場に戻る彼女から視線を外し、皆を見る。


「強敵のようね。腕がなるわ」


 自信満々のリーシャさん。


「へへっ、やったろうぜ!」


 やる気に満ち溢れている烈火。


「フ……魔族などに後れを取る俺達ではない」


 相変わらずカッコいい美樹也。


「ちょっと手が震えるけど……武者震いってやつね。よし、やるわよ!」


 誰よりも努力家で、恐怖を抑え込み勇気を出せる美鈴さん。


「行きましょう玲央さん。私達で力を合わせれば、勝てない敵などいません」


 仲間を信じ、全力を尽くしてくれる紅葉さん。


 最高の仲間達と共に、この軍のリーダーと相対する事となる。

 その実力の高さを、俺はまだ分かっていなかった。

お読み頂きありがとうございます。

新年を迎えてから、色々、ありました。

その為、更新が遅くなり申し訳ありません、

今週、また色々とあります。

次の更新は、更に遅くなるかもしれません。

待ってくれている方には申し訳ありませんが、何卒ご容赦くださいますよう、お願い致します。

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三年部隊は最終防衛ラインにして二面作戦が陽動だった場合最悪の事態を回避するため もどかしいやもしれんけど致し方なし 二年部隊には幹部が一年部隊には推定魔将か VSクレハの様子を見れていないのがどう響…
更新お疲れ様です。明けましておめでとうございます! 幹部登場…!!いよいよ戦いも正念場ってところでしょうか? 明確に分かる強い気配は二つ・今話でその一つが登場した訳ですが…増援で同じレベルのやつが来…
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