3.若き冒険者
昨日投稿できなかった分と本編進めたかったので上げます
あれからどれくらい経っただろう。確か3人の墓を作り終えたのが10日前だったからかれこれひと月か。清龍のやつも少ないながらも挑みに来た者達を相手にしていて忙しそうだ。わしはくるべき時に備えてここから出られないし、何をすれば良いのやら。そう思っていると久々に清龍から思念が届いた
《老師様、突破者が出ました。そちらに転移させてよろしいですか?》
なんと、もうでたか。驚きである。もっとかかるかと思ったが
《もちろんじゃとも。して、そヤツはどんやつじゃ?》
《4人組です。まさかチームで来るとは思いもしませんでした。》
なんと清龍を突破したのは4人組らしい。奇しくもわしらと同じ数であった。まあ、今はわし一人しか生きてはいないが
《ふむ。とりあえず連れてこい。そしてお主も転移陣の破壊後戻ってくるように》
そう伝えると清龍は了承した。さて、どんな感じで迎えるか……そう思案していると、家の戸が叩かれた
「入れ。」
そういうと若い4人組がぞろぞろと入ってきた。歳は15位の若者だ。見た所剣士、盗賊、魔法使いに僧侶か。わしらと同じような構成であるな。一般的な冒険者のパーティである。
「はじめまして老師様。神獣の試練を突破いたしました。ですのでぜひとも俺達に修行をつけてください。」
「ふむ。先に名乗るのが先じゃろう。」
そう言うと慌てて剣士らしき少年が口を開く。
「失礼しました!俺はローズと言います職業は魔法剣士で魔法は初等魔法と神聖魔法が使えます。我らがパーティ晴天の誓いのリーダーです」
「まず最初に言っておく、名前を口に出すな。名を悪魔に知られると命を奪われるぞ」
まさか今の冒険者は名前を口に出すと思わなかった。わしらの時代では常識であったのに
「すみません。以後気をつけます!」
ふむ。素直なやつでありそうだ。次に僧侶風の少女が口を開く
「私は僧侶と申します。神聖魔法を使えますが回復系よりも神聖攻撃が得意です。よろしくお願いします」
なるほど清龍のやつが負けた理由がわかった。
「うむ。回復はポーションがあれば何とかなる上、神聖攻撃は魔族達には特別大きなダメージが与えられる。そのまま神聖魔法を極めなさい。」
そう言うと褒められたのが嬉しかったのか笑顔になり、後ろへ下がる。続いて線の細い少年がオドオドと口を開いた
「ぼ、僕は盗賊って言います。暗号解読が得意で、罠解除もできます。よ、よろしくお願いします」
「うむ。盗賊職における暗号解読は軽視されておるが魔族の作ったダンジョンや砦では必須の能力じゃ。そのまま頑張るのじゃ」
そう言うと少年はおずおずと後ろに下がった最後に口を開いたのはローブに身を包んだ魔法使風の少年だった。
「私は魔導士といいます。エルフ族で歳は150になります。基本の攻撃魔法と罠魔法、それからルーン魔道具の製造がかのうです。」
「なんと、ルーンとな!エルフのその歳で使えるとは将来有望じゃの」
そう言うと誇らしげに鼻を鳴らした。意外と自信家のようである。
「わしは魔法剣士じゃ。世間からは聖剣老師と呼ばれておる。かつて邪神を封印したパーティ赤き剣のうちの一人で今はこの孤島に清龍と暮らしておる。よろしくたのむ。して、皆はなぜ修行をしたい。今のままでも十分に活躍できるであろう?」
そう問いかけるとみなが一斉に口を開く
「「「「強くなりたいから」」」」
「なぜ力を求める。邪神を倒すためか?英雄になりたいからか?」
そう聞くと直ぐに魔法剣士の少年が口を開く
「冒険者が強くなりたい事に理由なんかありません。」
「ほっほっほ。まさかそう返されるとは思わなんだ。いいじゃろう出来るだけ修行をつけてやるぞ」
まさかここまで真っ直ぐに強くなりたいと願うものがいたとは。昔のワシらを見ているようだ。まだまだ冒険者にもこんな若者たちがいたとは。ワシは久々に気分が高揚した。と、そこにようやく清龍のやつが帰ってきた
「ただいま戻りました老師。」
「戻ったか清龍よ。してどうじゃった。」
「あと少しで勝てたのですが弱点を見破られてしまい…修行不足でした」
「うむ。敵に弱点を見られる事は実戦を積んで上手いハッタリを覚えねばならぬな。精進せよ」
そう助言をすると清龍はわしの後ろに控えた。
「して、お主ら飯はまだじゃろ?まずは飯でも食わんか?」
そう聞くと4人は首を縦にすごい勢いで振った。いつの時代も若い者の食い気は相変わらずである。
「清龍よ今日はご馳走を作ってくれ。これからの厳しい修行に耐えられるくらいのな」
「かしこまりました老師様。この清龍が腕によりをかけてご馳走を作ります。」
そう言うと清龍は人の姿に変わった。相変わらずの美人である。そんな清龍の姿を見て4人は鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をする。
「驚いたかの皆よ。ワシ4人と共に住む神獣は皆人の姿になれる。でなければ共に過ごすのに不便じゃからの」
「いえ、それは言い伝えで聞き及んでいたのですが、何せあそこまでの美女だとは思いもしませんでした。」
そう魔法剣士が頬を赤らめながら言うと僧侶の少女が睨みつけている。なるほどそう言う事か。魔法剣士は気づいていない無いらしいが、これは面白い。
「飯が出来るまで少し話そうかの。清龍は強かったか?」
そう聞くと皆は頭を勢いよく振った。
「しかし、老師様、清龍様は神獣。神聖属性を持つ最上位であるはずなのになぜ神聖魔法が効くのですか?」
そう僧侶に問いかけられた。
「やはりそこが疑問に思うか。元々4神獣はわしらに会うための試練として、またワシらを護る最後の砦として造られた。試験官としと守護者としてのふたつの側面を持つ奴らには正攻法以外の攻撃に弱いという特性が皆備わっておる。逆に言うと正攻法では攻略できん。また、わしらに会うためにはわしらのように信頼し合ったパーティで来て欲しいという願いも込められおる。清龍においては最も清き神獣とじゃ。その清き心身以上の清き力に弱い。」
「なるほど…他の聖地の神獣も同じなのですね。」
「そうじゃ。まあ、ほかの神獣たちには神聖魔法は効かぬがな。して、お主たちなぜこの孤島を選んだ。盗賊のいる天空城は飛行魔法がないといけんから除外するとしてモンクのやつの英霊山や魔道師のところの迷いの密林の方が行きやすかったじゃろうて。」
そう聞くと魔道士が呆れたように言った
「それが魔法剣士がここに行くって聞かなかったのです。自分と同じ魔法剣士だった老師様の元で修行をしたいと。」
「だって、俺達魔法剣士という職を作った人だぜ。そんな人に教えて貰えるなら来たいに決まってるじゃんかよ」
「なるほどのぉ。ほっほっほなんだかそう言って貰えると誇らしいわい。」
そうこうしていると清龍のやつが飯が完成したと呼びに来た。なのでワシらは1度話をやめ食堂へと向かった。
「さあ、皆様いくらでもお食べ下さい。」
「「「「おぉ、」」」」
「なんとこれは」
そこに待っていたのは見たこともないようなご馳走であった。清龍と暮らすのも長いが今までこんな豪勢な食事は見たこともなかった。おっといかん。そんなことを考えていたらみんなが席に着いて食べたいのを我慢して待っている。待たせてしまっては申し訳ない
「さあ食事にしようか」
「「「「「いただきます」」」」」
「召し上がれ。」
「「「「「ご馳走様でした」」」」」
「お粗末さまでした。皆様ご満足いただけましたか」
「はい。とっても美味かったです!ご馳走様でした。」
「しかし、清龍よこんな豪華な飯が作れるなら普段からもう少し豪華にして欲しいのお」
「老師様はもういい歳なんですから健康に気を使わないと痛風になりますよ。修行つける前に死んでしまっては困りますし」
「まったく言いよるわい」
清龍のやつさいきん遠慮がなくなってきている。いや、そっちのが楽しくていいのだが。
「おほん、皆の部屋は用意した。すまないがこの家には3部屋しか部屋がない。ワシと清龍の寝室と客間が2部屋。部屋割りは魔法剣士と盗賊で一部屋と僧侶と魔道士で一部屋でいいかの」
そう聞くと魔法剣士が不満そうに口を開いた
「なんで魔道士の奴が僧侶と同じ部屋なんですか?男3人で1部屋の方がいいです」
「なんじゃ魔道士の事を男だと思っておったのか。魔道士は女の子じゃぞ」
そう言うと4人は驚きを隠せないでいた。当の本人も驚いているのが意外だ。
「老師様、いつお気づきに?」
「いつも何も来た時から分かっておったわ。わしはこれでも500年生きておるからの隠し事なぞ出来んわ」
「老師様!せっかく魔道士さんが性別を隠していたのに、言ってしまってはダメでは無いですか!」
そう清龍に怒られた。まさか隠してたのか……
「そうなのか?魔道士よ」
そう聞くと魔道士は小さくこくりと頷く
「まさかそうであったとは知らなんだ。申し訳ないことをした。しかし魔道士よ仲間となる者に隠し事は良くないぞ。」
「すみません老師様。女と知れると争いの元になると父から教えられていたもので」
なるほど。確かにパーティ崩壊の原因で色恋沙汰というのはよくある話だ。そこを懸念してだったのか。しかし苦楽を共にし死と隣り合わせの冒険者の仲間内に置いて隠し事はパーティ内での孤立を招く。
「うむ。確かにそう言ったことがあるのも事実。しかし、隠し事をしていてそれがバレる時にも信頼は崩れるぞ。そして謝るべきはわしでは無いのではないか?」
「そうですね老師様。皆隠してて済まない私は女だ。しかしこれまでと変わらず接してくれるとありがたい」
「もちろん!魔道士はこれからも変わらず俺たちの仲間だから安心しろって!」
「ぼ、僕も少し驚いたけど大丈夫。これからもよろしくね」
「まさか魔道士さんが女の子だったなんて…だったらもっと可愛い格好をしなくちゃダメですよ!女1人で正直少し寂しかったのでこれから女同士なかよくしてください」
そうみんなが口々に言うと魔道士ほ涙を浮かべて嬉しそうにしている
「みんなありがとう。これからもよろしく頼む」
「して、魔法剣士よ部屋割りはこれで良いな。」
「はい。老師様すみませんでした」
「よいよい。わしも同じ立場ならおなじことを言ったじゃろう」
そう話していると清龍が急に口を挟んできた
「男女分けるということなら本日から私も老師様と共に寝るのではなく僧侶はんの方がよろしいですか?」
「いや、まて清龍よ。お主はわしの部屋で寝なさい。若い者達同士での話もあるじゃろう。それにワシに万が一のことがあった時共に戦えぬじゃろう」
思わぬ発言にわしも動揺した
「老師様は綺麗な清龍様と寝たいだけじゃないんですか?」
そう魔法剣士が言った…なぜワシの心の内が読めている?
「まったく、歳をとってもスケベなのは変わりませんね老師様」
「英雄色を好むと言うじゃろ。それに盗賊の方がわしよりスケベじゃ。魔導師の奴
は研究狂いの変態じゃし、モンクのやつも聖職者のくせしてむっつりじゃし」
「もういいです!とりあえず私は皆様をお部屋に案内しますね」
そう言うと清龍は4人を連れて食堂を後にした。わしも部屋に戻ろう
部屋で今後の修行に関して考えていると清龍が部屋に入ってきた
「老師さま。いい子達そうですね。」
「そうじゃの。みな才能もありそうじゃし。身の回りの世話よろしく頼むぞ清龍よ」
「かしこまりました。老師様」
「して清龍よ。今から少し出かけんか」
「出かけるって、どちらにですか?」
「まぁ、行けばわかる」
そうしてわしと清龍はとある場所に向かった
公開可能な設定資料7.冒険者パーティについて
冒険者は前衛と後衛、補助2人の4人で行動することが多い、4英雄が邪神を封印してからは英雄にならい剣士、魔法使い、僧侶、盗賊のパーティが基本パーティとなりつつある




