2.5.動く世界ー③
今回は各国の話は終わります。会談の内容は現時点では明かさないでおきます。次回からはまた魔法剣士に舞台がもどります。
ー共和国ー
その日、共和国の議会は過去最高の喧騒に包まれていた。
「ただいまから邪神復活における特別臨時国会を開会します。また、本日は王国より王国執事様が特別に議会への参加いただいております」
「ただいま挨拶に預かりました王国執事と申します。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。」
そう議長が宣言をした。
「早速議題に入りたいと思いますが、まずは国防の要である共和国軍総司令官並びに共和国騎士団長であるホビット女騎士殿から邪神復活における国防に関しての意見を頂きたいと思います」
「ただいまご紹介に預かりましたホビット女騎士です。早速本題に入りたいます。本日早朝7の時、王国内封印の森にいる特殊兵団の異常な動きを観測し共和国大使館の駐留騎士が確認したところ邪神を封印していた要石と剣が破壊されていることを確認しました。それにより我々共和国軍は邪神が復活したと結論を出しました。」
議会はざわめいている。それを議長が制止した。
「静粛に願います。」
「続けます。邪神復活において我々共和国軍ができることとしては魔族に対しての諜報活動に重きをおき、その他ドワーフ洞窟、森人の森で作られるの武器や魔道具による武具の充実、大賢者様の遺して行かれた避難結界への人員の誘導が主になると思います。以上です。」
ホビット女騎士が言い終わると議長が口を開く
「なにか意見のある者は」
そう問いかけると1人の小柄な老人が手をあげる
「ドワーフ大臣発言を」
「はい。まず我々ドワーフが作る武器や防具に関してですが現在、軍には最高品質のものを卸しております。これ以上のものとすると恥ずかしながらないのが現状です。以上」
「ホビット女騎士発言を」
「はい。普段より最高品質の物を頂けていることに関しては承知しております。しかし、魔法がかかった武具の生産をお願いしたい。魔術に長けたエルフ達と共同で開発すれば今以上の魔法武具の製造が可能かと思います。」
その発言に勢いよく反論が飛ぶ
「我々の技術をドワーフ謎の武具に使うなど以ての外だ!」
そう反論するのはエルフの族長であった
「エルフ族長、発言は許可を得てからするように」
直ぐに議長からの注意が入る。
「エルフ族とドワーフ族が仲があまり宜しくないのは重々承知です。しかし、建国以来未曾有の危機に瀕しているのもまた事実、ここはお互い我慢をし歩み寄っていただけると幸いです。」
今度はドワーフ大臣が挙手をし口を開いた。
「我々としてもエルフと手を組むのは不本意ですが、こうして対立できるのも命あっての事、邪神による侵攻で死んでしまっては元の子もありません。どうかエルフ族の方々には協力を願えれば幸いです」
ドワーフ大臣によるまさかの発言に議会にまたもやどよめきがおこる。本来エルフとドワーフとはお互いに仲が悪くたとえ誰から言われようと歩み寄ることなどこれまでになかったのだ。ドワーフのそれも国の技術大臣ともなる人からの発言であっては誇り高いエルフ族であっても無下にはできないようだ。
「そこまで言われては断るのも狭量という物、それこそドワーフに負ける様でエルフ族としても屈辱的です。分かりました1000年以上に渡る対立がありましたが、今回ばかりは歩み寄りましょう。」
この後、エルフとドワーフは良き競争相手であり、戦友となって向こう1000年なかよくしていくのだが、それはまた別の話である。
「ひとまず、我々共和国の軍に関しては諜報とエルフ族とドワーフ族による共同制作の魔法武具の作成、配備、避難結界への人民の避難誘導ということでよろしければ挙手を願います。」
議長がそう問いかけると全会一致で決定した。
「時間が無いので次に行きます。続きまして王国執事様より王国からの報告と要請に関してお願いします」
そう議長が言うと、王国執事がゆったりと壇上に上がった
「本日はお招き下さり感謝いたします。現在封印の森にて、我が国の特殊兵団の者が要石と剣に関して調査しているところでございます。今現在わかっていることとしましては、外部による破損や風化による劣化ではなく完全に内部からの破壊がされている。つまりは邪神が自らの力で復活したという事が判明しております。続いて要請に関してですが、王国内で4国における会談の場を17の時より行いたいと思います。つきましては共和国内よりオーク首相様にご参加いただけますと幸いです。会談に関しましては、今後の動向、魔族に対する対応が主な論点になるかと思います。以上になります。」
そう王国執事が閉めた後、議長が口を開く
「なにか意見のあるものは」
さすがに今回はなかなか意見が出ない。しばらくすると今まで口をつぐんでいた首相が手を挙げた
「オーク首相、意見を」
「はい。今回の1件に関しては王国に出向き会談の内容事は私の一存で決めさせて頂いてよろしいですかな。そして今件私は共和国1国では太刀打ちができないと思います。ですので4カ国同盟の締結案を持っていきたいと考えております。置物首相などと世間では言われている私ですが、私は首相ではありますが、共和国を愛する国民の1人でもあります。国を守りたい気持ちは皆様と同じです。どうか、どうか今回だけはまかせていただきたい。」
そう発言した首相に対し誰も口を開く者はいなかった。いや、発言が出来なかったのだ。普段はほとんど発言もせず、そのほとんどを議員たちが決めてきた共和国議会。首相は置物首相などと言われても何も気にせずいたのに、今回珍しく発言をした。それに驚きを隠せないと同時に不思議な気持ちに包まれていた。しかし議長と王国執事だけは驚きもせず冷静に議会を見ている。
「今の首相の発言に関して意義のあるもの挙手を願います。」
そう議長が聞くと皆ハッとしたようになる。しかし挙手する者はいなかった。
「なければ採決を取りたいと思います。賛成のものは……リザードマン族長なにか意見が?」
そういった時、1人発言を求めた者がいた。リザードマン外務大臣だ。
「はい。1つ。もう会談まで時間がありません。首相に任せる事は賛成です。しかし、会談の内容次第でこちらの存亡がかかっているのも事実。ですのでここは会談の内容を魔道具による中継をすることを許していただきたい。」
そう発言したリザードマン外務大臣に対し王国執事は二つ返事で許可を出した。
「それでは再び採決を取りたいと思います。賛成の者は挙手を」
またもや全会一致で決まった。
「では、オーク首相は王国への会談に赴かれ、会談の様子を議会で魔道具による中継をするということで。中継準備の為議会を16の半の時まで休憩とします。またオーク首相、王国執事様は会談があるためここで退席されます。」
そう議長が閉めると皆準備や自分たちの一族への連絡へと向かった
ー王国ー
この世界の4カ国が集まった前代未聞の会談まであと10分をきり、集まった者は緊張に包まれていた。いよいよ世界の存亡をかけた会談が始まるー
公開可能な設定資料6.亜人種と魔族について
亜人とはドワーフやエルフを初めとした人族以外の人類。魔族とは一対又は1本の角が生えており、瞳が白く逆に白目が黒い種族。邪神を信仰している者は亜人であっても魔界に住んでおり、その瞳は魔族と同じ瞳になると言われているが現状存在は確認出来ていない




