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英雄伝説外伝  作者: おかゆ
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2.5.動く世界ー②

今回は法国と共和国にしようと思いましたが、法国で描きたい内容が多くて法国編のみになりました。

ー法国ー

教皇猊下は焦っていた。かの邪神が復活した為である。先代の教皇が死去してまだ1年。教団内での猛反対の末半年前に教皇になったばかりである矢先にこのような一大事が起こった。先代が遺した遺言に従い大死去からいきなりの教皇になったという経緯もあり、戴冠から半年、未だに法国ひいては英霊教内全てが混乱の最中にある。

「皆様よくぞ集まってくださいました。本日は喫緊の事態です。邪神が復活致しました。」

この場には法国内の大司教以上が集まっている。普段の集会は厳かに執り行われるのだが今回は別だ。教会内は喧騒と混乱に包まれた。

「やはり神はお怒りなのでは」

「しかし今回の事は先代教皇猊下からのお言葉。つまりは神からの神託によるものなのでは?」

「いや、しかしだな…」

「鎮まりたまえ!神の御前であるぞ!」

そう一喝し鎮たのは枢機卿である。枢機卿は先代教皇の頃から枢機卿として務めを果たしていた。今回も本来なら枢機卿がそのまま教皇になると思われていた。しかし現実は違った。枢機卿自身、現教皇の教会で元々は勤めていた身。反対どころか賛成派の筆頭でいてくれてるのが幸であった。

「して、猊下どうなさるおつもりで?」

「枢機卿、あとは頼んでもよろしいですか?私は英霊山の教会に戻り最英霊様と主に祈りを捧げ、神託を賜ってきます」

「かしこまりました。法国としての動きは我々で話しておきますので、猊下お気をつけて行ってらっしゃいませ」

話が早くてたすかる。教皇は心からそう思い英霊山の教会へと向かった。


ー英霊山にてー

「最英霊様、いえモンク様本日は取り急ぎの要件がございます。是非とも降りてきて下さい」

教皇がそう教会内の転移陣に声をかけると転移陣が眩い光を放ち1人の老人が現れた。

「およそ1年振りでしょうか僧侶。息災そうでなによりです。邪神復活の件でしょうか」

「さすがモンク様、その通りでございます。そして本来ならばすぐ報告に来なければならない事でしたが何せ大司教からの教皇となると混乱も大きく、戴冠式が無事終わったことを同時に報告いたします。」

「それは何よりでした。これからは教皇猊下と呼ばねばなりませんね」

「いえいえ、モンク様私の事は今まで通り僧侶と呼んでください。私はいつまでももあなたの前では知り合った頃のまま僧侶ですよ。」

2人はまだ邪神が封印される前からの知り合いである。

「分かりました。私のことも様ではなくモンクと呼び捨てにしてください」

この2人実の所邪神が封印される前は恋人同士だったのである。

そして英雄達のパーティに途中までついて行っていた5人目の仲間である。その昔はまだ英霊教の司祭達は恋愛が禁じられており二人の恋は叶わぬ恋となったが、500年の歳月を経ても当時の思いは変わらないようである。

「それで、僧侶。邪神のことで神が降臨なされました。」

「なんと!して、神はなんと仰られていたのですか?」

「龍孤島、英霊山、賢者の森、天空牢獄にいる4体の神獣を倒せ。さすれば伝説の4英雄に合わせよう。そして、英雄達に師事し再び邪神の封印を果たせ。とのこです」

「なるほど、つまりはモンク達に後続を育てるように神は言われたということですね。」

「そういうことになりますね。すぐにでも全世界に連絡してもらってもよろしいですか?」

「もちろんです。英霊教の協会を通じて即日発布致します。」

その時、1人のハイエルフが教会に入ってきた。

「誰です!?今は最英霊様が降りてきてくださってるのですよ懺悔なら改めて来てください!」

「これはこれは教皇猊下だけでなく最英霊様までもがいらっしゃるとは好都合です。」

「ほぉ、王国執事では無いですか、500年振りですね」

「これは久しぶりです。王国執事。先程の無礼はお許しください」

「いえいえ、かれこれ貴方とは森からの仲ではないですか。気になさらずに」

教皇猊下もハイエルフで、王国執事とは同じ森の住民であった。これも運命のイタズラか奇しくも旧友達がそれぞれ久々の再会を果たした。

「積もる話もありますが、王国執事、今回は邪神復活の件で僧侶に用事があるのでしょう?時は急を要します。早速本題に入ってもらっても大丈夫ですか?」

「これは失礼しました最英霊様。本題ですが王国の女王陛下より伝言でございます。邪神を封じていた要石と聖剣が粉々に砕けた、17の時妾の城にて会談を行いたいから来てくれと申しておりました」

「かしこまりました。すぐさま準備を整え向かいます。」

「ありがとうございます。して、今回は4国の元首への伝言でしたがかの英雄様がいてくださると心強い。是非とも来ていただきたいのですが」

そう王国執事が問いかけると最英霊は申し訳なさそうに首を横にふった。

「申し訳ありませんが私は辞退します。私達も邪神への対抗策として色々と手を打ちますし、それに私達は既に歴史からは身を引きました。これからの世は今の人達に任せるとします。」

「かしこまりました。非常に残念ですがそういうことなら仕方ありません。これは陛下からではなく私から昔馴染みの皆様に向けての個人的な伝言ですお願い出来ますか?」

「分かりました」

「長く離れていても一時は同じ釜の飯を食べた身、世間では貴女方は既に英霊界に行ったと思っている人が多いですが、私の様にまだ存命な事を知っている者も少数ながら残っています。私達もそろそろ身を引く頃になってきております。500年前は貴方方4人に任せ切りでしたが、今度はぜひ私達貴方方を知るもの達にも手伝わせてください。とお伝えしていただきたい」

「500年前も変わらずお世話になりましたよ。私達は」

「そういってくださると大変光栄です。本当ならそれこそ夜が耽るまで昔語りをしたいものですがまだ行かねばならない所があるため私はこれにて失礼致します。」

そう言って王国執事は去っていった。

「さて、私達もそれぞれやるべきことをやるために戻るとしましょうか。」

「ええ、それではお互いの健闘を祈って。」

そうして2人も惜しみつつも別れたのであった。

公開可能な設定資料5.英雄に関して

英雄達は姿を隠したの後、天寿をまっとうし英霊になったと御伽噺の最後は締めくくられているため死んだものと世界では思われている。しかし教皇や王国執事等当時英雄達と深い関わりがあった者たち等少数はまだ存命だということは知っておりその中でも数名は現在でも関わりがある。モンクが最英霊と呼ばれているのは単純に英雄達の中で英霊教を深く信仰していた司祭であったからである。

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