第98話 邪教徒編 ~えっ? 聖母譲渡ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「まあ端的に言ってしまえば、イラナイ子なんだ」
「だから引き渡すと?」
「そうなるな」
「ちょっと待つっす! 心を入れ替えたっす! だから助けて欲しいっす!」
「身体強化&ボディーブロー」
「げふぉぅ!」
マリアンヌを売り渡す幼女、ハイガンベイナ4歳です。
「はぁ、何となくですが関係性は理解しましたわ」
「だろう?」
「ドヤ顔で言うことじゃないですわ」
おかしいな、両方にとってもWin-Winの取引だと思うんだが。
私にとっては不良在庫の処分になるし、ソッチにとって首魁の首だ。 ドコに不満があるんだ?
「いらんのか?」
「貰いますわ。 一応手柄になりますし」
「だろ?」
「だからドヤ顔は止めて下さいまし」
文句の多い奴だな。
「一体何が不満なんだ?」
「この集団は名目上、レイクフォレストの奪還を目的としていまして、達成後に多額の謝礼を支払う事が決まっているのです」
「空手形じゃないのか? 財政基盤が揺ぎ兼ねない出費だろ?」
「まあソコは、利権の譲渡なども含まれていますので」
「殆ど捨て身じゃないか」
無茶苦茶だな。 利権を手放した領主なんて、傀儡政権よりも弱者じゃないか。
殆どマリアンヌの排除だけを考えていて、その後は庶民にでもなるつもりだったのかね。
「なる程、つまりは『死なば諸共』の精神で挑んできたのに、個人的な最大の目標を差し出されてしまったと」
「まあ不本意ですが、そうなりますわね」
なる程、つまり私の介入がもう少し早ければ、何も失わずに領主になれたのにって事か。
どう言った餌で他領に救援を求めたのかは知らないが、実際に軍を派遣してもらった手前、多大な債務を抱えているのと同じ状態なワケだ。
まあ別に私にはどうでも良い事だとは言え、同情する余地が無いワケではないな。 この地にマリアンヌを送り込まなければ起こらなかった事でもあるし。
仕方がない、少し協力するか。
「一つ聞くが、連中は成功報酬か?」
「どう言う意味ですの?」
「つまり、連中の助力で都市の奪還が成功しなかった場合、報酬の支払いは免除されるのかって聞いているんだ」
普通はそのハズだよな。 働きに応じて利益を分配するって考えなら、実質的にそのハズだし。
「まあご足労頂いた実費などの負担はありますが」
「つまりは参加要請費って事だよな?」
「変な呼称だとは思いますが、実質的にはそうですね」
なら何とかなるんじゃないかな。 例えば解放軍が、何一つ結果を残さないで敗退するとか。
「軍権を有しているのは貴公意外で間違いないか?」
「ええ、何とか指揮権の一部は確保出来ましたが、実質的に動かせるのは極一部の私兵だけですし」
「ならば全権放棄は可能だよな」
「なっ、それは出来ません。 そんな事をしてしまえば、都市で略奪や暴行が横行してしまうではありませんかっ!」
まあ普通に考えればそうだよな。 こういった場合の基本戦術は『男は殺せ、女は犯せ』なワケだし。 そういや中国人も同じ事を言ってたな。
「そんな君に提案だ。 解放軍を見捨ててみないか?」
「はぁ? 何を一体?」
「こう見えても、私は神、そして従者は死神とドラゴンさえも屠れる蜘蛛だ」
「死神のヘルです」「蜘蛛のハトリなのー」
「失礼ですが、頭は大丈夫ですか?」
「本当に失礼だな!」
おかしいな、世界を制服出来うる戦力だと思っていたのだけど、違うのだろうか?
「ベイナ様ぁ、多分私たちの実力を疑っているんだと思いますぅ」
「そうなのか?」
「どう見ても、頭のおかしな幼女と童女と美女の組み合わせにしか見えませんわ」
「一言余計じゃないかなっ!」
「どうすれば信じるんだ?」
「そうは言われましても…」
仕方がないな。 一部だけ前払いしておくか。
「ハトリ、アソコに鎧を着た連中が見えるか?」
「見えるのー」
「そうか。 ならば全力で遊んで殺りなさい」
「食べても良いのー?」
「好きにしていいぞ」
「行ってくるのー」
そう言ってウキウキステップで騎士団と思しき連中に駆け寄っていくハトリ。 そして始まる一方的な蹂躙。
「うそでしょ? こんなバカな…」
「で、お嬢さん。 解放軍を売ってみないか?」
「………。 貴方達も似たような事が?」
「無論可能だ。 とは言っても、魔術や神罰の類だが」
そんなに悩む事じゃないと思うんだけどね。
ジックリと悩んだ後に、彼女は絞り出すように言葉を紡いだ。
「全て御身にお任せします」
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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