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第93話 北方騒乱編 ~えっ? 謁見の間ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 階段を探して、アッチをウロウロ、コッチをウロウロ。


 彷徨さまよえる幼女、ハイガンベイナ4歳です。


 いやね、別に迷う様な構造じゃぁないハズなんだけれども、なかなか見つからないんだよね。 階段。


 まあ壁紙なんてあるワケじゃないし、塗料だって満足に無い世界だからね。 壁なんて塗装すらしていないんだよ。


 結果として、何処の壁も石で出来ており、慣れていないと区別さえ着かない。 まあね、案内表示なんて期待していなかったケド、不親切過ぎると思うんだ。


 攻め入る人の事を考えていないなんて、城として失格なんじゃないかな。 えっ? 無茶言うな?


 だって文句だって言いたくなるよ。 壁が見分けが着かないでけじゃなく、ドアまでみんな同じなんだぜ。


 学校みたいに教室を表す表札があるでなし、窓すら無いから、現在位置の把握すら難しいし。


 階段なら中央部が側面近くにあるのがセオリーなんだろうけど、あれって自分がどの辺にいるかを把握していないと、意味すら無いんだ。 ちくしょうめ。


 どうしろってんだよ。


「どうやって上に行くのー。 外から登る?」

「天才かっ!」


 そーだよ、まっすぐ進めば外に出られるんだし、そこから飛べば頂上なんて直ぐじゃないか。 ハトリ、恐ろしい娘。


 いや、別に私は残念な幼女ではないよ。 だた常識に囚われてしまっていただけで、階段で上に移動する事に固執しちゃっただけなんだから。


 ちょっとうっかり、自分が飛べる事を失念していたダケだし、無双するのに夢中になって、知能指数を下げていたワケじゃないんだからね!


 だから投稿小説の主人公みたいにおバカなムーブをかましていたワケじゃないんだよ。 だからアホの娘に向ける視線は遠慮して頂きたい。 十分アホっぽい? うっさいわっ!


 面倒なので、さっさと壁抜きをしつつ外に出て、そこから飛行することに。 あ、勿論ハトリも飛べるから問題ないよ。


 で、上空から見ると、箱型の壁の内側には、宮殿っぽい建物が…って、私達が徘徊していたのって、城壁だったのかよっ! 宮殿の構造なんて知らねーよっ! ってか、城壁が厚すぎだろっ!


 どうやら私達が迷っていた場所は、城壁を兼ねた構造物であり、中には兵舎なんかもあったみたい。 通りで兵士ばっかりだと思ったよ。


 まあ何だ。 悲しい過去は忘れるとして、さっさと宮殿に突入しよう。 まさか突入先が離宮なんて事はないよね。 一番大きな宮殿を目指しているんだし。


 前回の反省も兼ねて、今度はテラスっぽい場所から突入。 うん、これってばダンスホール? ホントに無駄に部屋数を増やすのは止めてもらいたい。


 それにしても人がいないな。 どうなっているんだ? そりゃあ催し物が無い時のホールなんてこんなものかも知れないケド、維持管理する人は常駐していないのかな?


 仕方がないので扉をバーンして廊下に出てみると、今度は書類を手にしている人と目が合った。 ラリホー! 元気?


 あっ、逃げられた。 こんな可憐な少女と幼女を見て全力ダッシュとか、大人気おとなげないぞ。


 こういった場合は、上司に報告だろうか? ちょっと森のクマさんみたく追っかけてみるかな。 トコトコ。


 なんて周囲を見物しながら追いかけていると、今度は高そうな金属鎧きんぞくよろいをつけた兵隊さん達とカムバック。


 うん、こりゃアレだ。 お巡りさんこっちです的な。 まあ、私はともかくハトリは抜き身のバスターソードを持ち歩いているからね。 さもありなん。


 てな事で、ハトリさんや、やっておしまい。


「とーなのー」

「ぐぎゃーっ!」

「やーなのー」

「ぐはっ!」

「たーなのー」

「お助けーくぎゃっ!」


 おや? 書類持ちさんが蒼白だぞ。 貧血かな?


 あ、そうだ。 迷っているならコイツに聴けば良いじゃん。 てな事で。


「マジックスキャン」

「うぎゃぁぁぁぁぁ~っ!」


 ふむふむ、なる程。 どうやらこの城、元々はこの地にあった小国のモノらしい。 で、今の領主は伯爵なんだとか。


 それでか。 地方領主にしちゃぁ建物が立派過ぎる気がしてたけど、占領地だったのか。 まあ元々いた王族は首チョンパしたっぽいケド。


 そしてさらに重要な事だが、現在の領主の居所までは、知らないらしい。 って、知っとけよ。 元王族を斬首刑にした情報なんて、役に立たねーよ。


 そっかぁ、知らねーのか。 まあここの領主も城を十全には活用できていないみたいだから、無駄にある部屋のいずれかにいるかも知れないとか。 ホントに使えねーな。


 城の守りが不完全だったのもそれが原因らしいし、一般的な城よりも兵士が随分少ないらしいので、攻略には良し悪しだな。


 これで王族しか知らない脱出路とか心配しなくても良くなったぽいし、家臣団とかも存在しないので、何奴どいつが領主かも迷わなくて済みそうだ。 影武者とかがいないだけでも大助りだしね。


 んじゃぁ、マップを入手した事ですし、さっさと行きますかね。 えっ、場所っすか? それは勿論、謁見の間。


 そりゃあ伯爵が謁見する側だとは思わないけど、大勢で話し合える場所は、全て回るつもりなんだ。


 だって伯爵って事は、ここから逃げて何処に行くんだって話ですし、だったら最後まで迎撃を考えていると思うんだよね。


 城を見た時に感じた、「逃亡されたら厄介だ」ってのが無くなったんだから、今は気楽なモノだよ。


 さて、そうと決まれば早速、吶喊とっかんだ。 決め台詞は「ちょっと待ったーっ!」あたりだろうか。


 今度は道に迷う事無く目的の場所へ。 そしたら…。


「ちょっと待ったーっ!」

「はて、貴方様は?」

「通りすがりの侵入者です」

「えーと、お客様ですか?」

「ええ、まあそんな所です」

「では1階の受付で面会の申し込みをして下さい」

「はぁ、そうすれば領主に会えると?」

「まぁ、領主様の予定が合えばですが…」


 なんか、掃除のオバチャンに、残念な娘を見る目で凝視された。 って、侵略者でも面会の申し込みが必要なの?


 侮れないな、伯爵領。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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