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第91話 北方騒乱編 ~えっ? 襲撃計画ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 どうしてくれよう、このポンコツエルフ。


 転生者とは言えど仲間にする程の価値は無いんだよな。


 余程マジックスキャンが気持ちよかったのか、未《いま》だにピクピクしているし。


「よし、見捨てよう」

「だから待てやぁぁ~っ!」


 ちっ、復活しやがったか。


 付き纏《まと》われて面倒なので、林檎《りんご》くらいは恵んでやろう。


「ほーれ林檎だぞぉ、取ってこーい!」

「うひょーっ、食べ物だわーっ!」


 林檎を遠くに放り投げ、その間に私達は出発する。


「ハトリ、ここからは空を飛んで領都へ向かおう」

「もう出発するのー?」

「ああ、あんなのに付き纏われたら面倒だからな」

「行くのー、とぉー」


 何だか、離脱する私達を見たポンコツエルフが、呆然《ぼうぜん》としているが、無視してさっさと高度を取る。


 やっぱりあのエルフ、寄生する気マンマンだったんだな。 林檎1個で厄介払い出来た事に満足するべきだろうか?


 だがまあ、収穫はあった。 あのポンコツエルフの記憶には領都に関するモノがあり、どうやら一時期滞在していたらしいのだ。


 とは言え、怪しげな魔道具を売り付ける以外は、食っちゃ寝していたようで、ロクでもない記憶だったのだが。


 目標の領都は本物の城塞都市、つまり城と城下町で構成されている。


 そして襲撃するに際して問題になるのは、窓が殆ど無い石で作られた城である事だ。


 つまりは前回に使用した、窓から突入する手段が取れないとも言える。


 難儀だな。 領主を殺害または拘束するなら、城門から始めないといけないなんて。


 その場合、途中で領主に逃げられる可能性だってあるし、城という関係上、迎撃ポイントなんかもあったりするのだろう。


 ハトリの能力で糸を張り巡らせると言っても、全ての出入り口を封鎖するなんて不可能に近いし、何より秘密の脱出路なんてあった場合は、逃亡を防ぐのは絶望的だろうしね。


 勿論、城ごと反物質で吹き飛ばす事も考えたのだが、そもそも城の内部にいるかどうかの判断さえ出来ないのだ。


 面倒ではあるのだけれども、虱潰《しらみつぶ》しに探索する方法以外には方法が思いつかない。


 考えても仕方がないか。 どうせ今ままでも行き当たりばったり、いや、臨機応変に対応してきたのだから今回もそれでいこう。


「よし決めた。 素直に城門から攻略を開始しよう」

「入り口から入るのー? 今回もハトリがシュパってするのー?」

「ああ、その時は頼めるかな?」

「やるのー。 シュパパパパっってするのー」


 本当にハトリは人化しても優秀だな。 私だったら、門ごと吹き飛ばす方法しか出来ないだろうし、探索となると火力が強すぎるんだよね。


 今後の事も考えて、カービンの様な攻撃方法も準備しておいた方が良いのだろうか?


 対人攻撃にも使えるファイヤーボールは、建物の中だと延焼する可能性があるんだよね。


 かと言ってウインドカッターだと、簡単に盾などで防がれる可能性があるワケだし。


 ストーンバレット? いや、アレは周囲の土砂を弾にするっぽいので、崩落する可能性があるんだよね。 対人攻撃としては、貫通力も足らないし。


 サンダーボルトは、金属鎧だと伝導率の関係で、有効性の問題があるからね。 金属製の部分にしか電流が流れない可能性だってあるワケだし。


 こう考えると、魔術や魔法って、対人攻撃としては微妙なんだよな。 徹甲弾を知っている分、余計にそう感じるのかも知れないが。


 防弾チョッキってのは徹甲弾《てっこうだん》には無力だし、ボディーアーマーだって6.8ミリ弾には無力と言える。


 盾と矛の関係だから、永続的とは言えないけれど、対物ライフル威力のカービン仕様を考える時が来たのかも知れないな。


 まあ、軍事技術の常識から言えば、馬鹿げた発想にも思えるが、ファンタジー金属だって存在するのだ。


 複合装甲が存在しないのだから、モンロー・ノイマン効果を用いた方法も面白いかも知れない。


 要は成形炸薬弾《せいけいさくやくだん》と同じ考え方で良いのだから、金属容器の形状と爆薬だけで済むとも言えるからね。


 そうすれば、金属強度に関係なく流体力学だけの問題になるので、事実上、オリハルコンであろうがミスリルであろうが簡単に穴が開けられるのワケだし。


 良く判らない? 簡単に説明すれば、金属に限り固さを無視して厚さだけを気にすれば良いって事だよ。


 元々は戦車の装甲に穴を開けるテクニックだったんだけれども、理論上はウクライナで有名になったジャベリンでも、鋼鉄だけで構成された装甲なら1メートルの貫通性能を有するんだとか。


 って事は、ジャベリンならオリハルコンに対しても1メートルの貫通性能があるとも言えるワケだ。


 凄いね、成形炸薬弾。 固い物に穴を開ける技術は、ファンタジー世界の概念とはレベルが違うから、これも現代技術無双と言えるのだろうか?


 オリハルコンの鎧を対象とした場合でも、一番厚い部分でも2センチもないだろうし、盾も含めて10センチ程度を貫通できれば十分かな。


 口径で考えれば、2センチとか3センチ程度でも余裕な気がするし。


 オリハルコンの鎧って国宝だったり、神話級の鎧って事になっているみたいだから、そんなものをポンプショットガンみたいな兵器で蜂の巣にするとか、夢が広がるよね。


 あ、誤解の無いように説明しておくと、成形炸薬弾は金属に対して有効なのであって、その他のモノに対しては有効ではないよ。


 例えばドラゴンの鱗がどんな特性を持っているのかは知らないけど、金属的な性質がない場合は意味がないって事だ。


 その場合だと、ドラゴンの鱗を使ったスケイルメイルに穴を開けるのは難しいだろうね。


 ただドラゴンの鎧って鍛冶屋が加工するみたいだから、金属に近い性質がある可能性は十分にあるとも言える。


 こりゃ武器が完成した暁には、ドラゴンとかで実験する必要性もありそうだ。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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