表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/300

第82話 北方騒乱編 ~えっ? 書類仕事ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「お嬢様~っ」

「うげっ、ウォルター!」


 初老の執事にウザがらみされる幼女、ハイガンベイナ4歳です。


「お帰りをお待ちしておりましたぞ~っ。 もう文官が残っていないのです」

「へっ、別に長期に留守にしていたつもりはないが?」

「隣町で宗教革命が起こったのです。 その影響で移民やら何やらで大騒ぎなのですよ」

「消費した文官は、どのように処分を?」

「流石に使い潰す程の余裕は御座いませんので、だまだましで使っております」


 ふむ、隣町で宗教革命ってアレだよな。 ヘルとマリアンヌによる聖教徒の弾圧とか。


 でもウチでも聖教徒なんて粗大ゴミはいらないんだが?


「で、移民の受け入れをしたのか? 治安が悪化するから遠慮したいのだが」

「勿論、熨斗のしを付けて北方の領へと送りつけてやりましたよ。 アッチは人の消費が激しいですからな。 移民は大歓迎でしょうし」

「グッジョブ、ウォルター」


 仕事も無いのに移民とか、トラブルの種にしかならないからな。 スウェーデン見たいに見境なく移民を受け入れて、日本の63倍の強姦大国にするワケにいかないんだし。


 近年のヨーロッパ各国でも移民を大量に受け入れた結果、大都市での強姦が激増し、結果として右派政権だか右翼政権とかが乱立する結果になった。


 勿論日本でも強姦犯罪者の過半数以上は外国籍だし、日本人の立ち入れないチャイナタウンが乱立傾向にあるしな。


 移民なんて論外だ。


 しかし北方か。 人民の消費が激しいのって、飢餓や凍死じゃあるまいな。 そのうちに盗賊化して南下してくるなんて冗談じゃないぞ。


「そうだ、紹介しておこう。 護衛のハトリと侍女のアイリだ」

「ほう、お嬢様に護衛ですかな? 必要無い気もしますが」

「そんな事は無いぞ。 ハトリは騎士団程度ならワンパンで倒せるくらい強いんだ」

「騎士団をプチっとやったのー」

「ほう、騎士団を。 ところで我が領の騎士団と聖騎士が行方不明になっているのをご存知ですかな?」

「まっ、待て、ハトリはついこの前も盗賊団を蹂躙じゅうりんした関係で、騎士団くらいなら余裕だと言う例え話だ」

「盗賊はズバッとやったのー」

「ほう。 『盗賊は』ですか…」


 やばたにえん。 もしかしてバレている? これは全力で誤魔化さねば。


「だからなっ、何かが攻めてきても問題にならないって話だ」

「確かにもしもの時には、遠征も頼めそうですな」

「ママと一緒なら何処にでも行くのー」

「そうだな。 私も出撃するから、例え世界を敵に回しても、何とかなると思うぞ」

「それはいけません。 お嬢様には溜まりに溜まった書類を処理して貰わなくてはならないのですから」


 ん? 書類?


 文官を使い潰して、解決しているんじゃないのか?


「文官はどうした? 騙し騙しとは言え、仕事はしていたんだろう? どうして書類が溜まっているんだ?」

「文官には疲労がポンと飛ぶ不思議な薬を使っていたのですが、何故か途中から廃人の様になりましてな。 薬を餌に仕事をさせていたのですが、効率が思わしくなくなったのですよ」

「それって、ヤバい薬なのでは?」

「いえ、疲労だけがポンと飛ぶ、便利な薬のハズです」

「もしかして禁断症状が出たりして、ヒロポンなんて名前だったりしないか?」

「おや、ご存知でしたか? デルタ地方で取れる果実を傷付けて取れる白い樹脂から生成される、天然由来の薬で御座います」


 思いっきりアヘンじゃねーかっ。 ヒロポンといえば覚醒剤のハズだが、そう言えばアヘンの原産って東ヨーロッパだっけか?


 そもそもヒロポンって和名のハズだしどうなってんの?


 いや、そうじゃない。


 確かケシは元々薬草として栽培されていたモノだし、医療用のモルヒネの原料になる事などから、栽培自体は合法な国が多かったはずだ。


 問題は麻薬としての使用や、マフィアやゲリラなどの資金源になる事なのだから、昔みたいに課税対象にして、儲からない方向に持って行くのが正解なのか?


 大体、イギリスじゃぁケシ畑が風物詩になっているらしいし、駆逐するなんて莫大な財源が無いと不可能だぞ。


 アメリカじゃあ観賞用として普通に種子が売られているって話だし、駆逐は無理だな。


 だとしても、文官を潰されるのは、私の仕事が増えるから却下だな。 何とか私やハトリの回復魔法で何とかならないだろうか?


「私とハトリの回復魔法で、文官達を治療する。 案内してくれ。 それからアイリには教育係を頼む」

「畏まりました。 教育係は後ほど選出致しましょう。 しかしお嬢様は、治療魔法まで使えるのですね。 流石で御座います」

「ああ、ついでに病気の奴とかがいたら治療するぞ」


 えっへん。 別に殺すだけが能の暴君ではないのだよ。


「俺は別に、勉強なんてしなくてもいいだろう? やる事はやるぜ」

「お前に拒否権は無い」

「暴君だーっ!」


 餌は与えるんだから、酷い言い分だ。 労働基準法もないこの世界では、食べられるだけでも十分だと思うんだが。


「もっと従順になる調教の方が好みなのか?」

「判ったよ。 勉強すりゃぁ良いんだろっ!」


 ふむ、素直で宜しい。


「そう言えば、盗賊を狩っていて判明したのだがな、武器を配って盗賊化をうながしていた連中がいるみたいだ。 ウォルター、何か心当たりは無いか?」

「心当たりで御座いますか。 目的は何で御座いましょうか?」

「順当に考えれば、治安の悪化と通商破壊だな」


 いや、治安の悪化はさすがに無いかな。 何処まで不正規戦の概念があるのかは知らないが、そこまで計画できるなら、名軍師ってレベルだろうし。


 通商の破壊なら、景気悪化による弱体化って所だろうし、となると、物流の能力値などから考えても、近隣の領の犯行だろうか?


 まさか、前領主の政治的な影響力を削ぐ目的なんかだと何処の犯行だか判らなくなるぞ。


 まあ何だ、兎に角、武器を配っている奴を捕らえるのが先だな。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ