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第80話 幼女神誕生 ~えっ? 盗賊の仲間ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「嫌ぁ~っ! 殺さないでぇ~っ!」

「おぃ、お前。 フザケているだろ?」


 どうも、盗賊を殲滅せんめつしたのに、盗賊の仲間扱いを受けている幼女、ハイガンベイナ4歳です。


 襲われていたハズなのに、何をやっているんだろうね、コイツは。


「そんお前にはこうだっ! マジックスキャン!」

「きゃぁぁぁぁーっ!」


 なるほど、なるほど。 どうやらコイツは、行方不明になった弟を探してこの集落にやってきたらしい。


 ただし同情できないのは、コイツの弟は盗賊にさらわれたのではなく、自ら盗賊になるために付いて行ったらしい。


 だからコイツは盗賊の仲間とも言えなくもないので、私達に恐れおののいて、前述のことを口走っていやがったのだ。


 確かに連座で裁けなくもないが、私は領主だとは名乗っていないし、コイツを殺そうとも考えてはいない。


 まあ何だ。 強く生きろよ。 お前の弟とやらは、しっかりと始末してやるからな。


「おぅ、遅れて着たとは言え、ひでぇ有様だな」

「なんだ、アイリか。 随分と遅い到着だな」

「この状況を見れば、遅れて正解だったと思っているぜ」


 少し慣れてきたのか、控えめなドン引きである。


「次は、目指せ参戦だな」

「そこまで落ちていねぇよっ!」


 エラい言われようだな。 まるで私達を殺戮さつりく集団か何かと勘違いしているのではあるまいか?


「あっ、山犬チャン。 随分と遅いお越しよねぇ」

「もうそれはやった後だぜ」

「あら生意気ですぅ。 色々といじめてあげようかしらぁ?」

「それくらいにしてやれ。 コイツの調教は、時間のある時にでもやっておくから」

「山犬ばっかり構ってもらってズルいですぅ」


 何だか、ヘルとアイリの仲が悪いな。 てかヘルってば、いつの間にかまってチャンになってしまったんだ?


「それは、会えない時間がそうさせたのですぅ」

「心を読むんじゃぁありませんっ!」

「愛の力ですぅ」


 重い愛だな。 ヘルの場合は以心伝心いしんでんしんを越えているから、少し怖いんだよ。


「そんな杞憂きゆうはお風呂に一緒に入れば解決ですぅ」

「だから、心を読むんじゃぁありませんって!」


 漫才じゃないんだから、いい加減にしてくれよ。


「そんな事より、ソコに座り込んでいる女の記憶を読んでくれ。 問題が見つかった」

「んん? コレですかぁ? マジックスキャン」

「きゃぁぁぁぁーっ!」


 おう読んだか。 いや、マジックスキャンが情報収集の常套手段じょうとうしゅだんってどうなんだ?


「で、どう思う?」

「何が問題なんですかぁ?」

「ソイツの記憶の中に、武器を配っている男がいただろ?」

「確かにいたような気がしますぅ」

「盗賊化をあおっている奴がいるかも知れん」

「どう言う事ですかぁ?」

「盗賊をするには武器が必要だが、それを支援している連中がいるかも知れないって事だ」

「単純に生活苦が原因ではないって事ですかぁ?」

「そうなるな」


 でも武器って安いモノではないし、同情してホイホイ渡す類のモノじゃないんだよね。 食料を支援する方がはるかに安上がりなワケだし。


「意図的に盗賊化を支援しているなら、狩り殺すのは現実的な手段じゃないからな。 生活困窮者なんて、意図的に幾らでも生み出せるワケだし」

「つまり敵がいるって事ですね」


 そうなんだよな。 対象は新領主である私の可能性は低いが、領に対する攻撃ならありえる話だし。


 一体誰なんだろう。 利害関係がありそうな隣町の領主とかか? あくまでも盗賊を増やすのは手段だとして、目的は何だ?


 こりゃ盗賊狩りは一旦中止にするしか無さそうだな。 放置出来る問題とも思えないし。


 このまま盗賊狩りを続けても、新たに盗賊を作られでもしたらイタチごっこだし、帰った方が正解か?


「私は一旦、街に戻ろうと思う。 ヘルはどうする?」

「名残惜しいですぅ。 でも隣町でまだやる事が残っているので、作業に戻るですぅ」

「そうか、暫くお別れだな」

「だから今の間に、ベイナ様成分を補給しておくですぅ」


 そう言って、両手を広げるヘル。


 仕方ないな。 少しくらいは抱っこさせてやるか。 可愛過ぎる私が悪いんだし。


「少しだけだぞ」

「やったですぅ。 くんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんか」


「まっ、待てっ! 何か減る気がするから、もう勘弁してくれっ!」

「まだ一割も補充出来ていないですぅ。 くんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんか」


「本当に待ってくれっ! でないと泣くぞっ!」

「水分のサービスですかぁ? 嬉しいですぅ」

「あっ、ゴメン。 やっぱ止めとく」

「なら変則補充ですぅ。 くーんかくかくか、くんくんくーん。 くんかかか、くんかくんか。」

「助けてくれーっ! 何かが減るーっ!」

「あっ、新たなサービスですかぁ? 嬉しいですぅ」


 そうして小一時間ほど匂いを嗅いだヘルは、テカテカして帰って行った。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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