第8話 魔女賢者~えっ? 合格ですか? 不合格ですか?~
3年経った。
もちろん今日は、運命の日である。
ここは一つ、ビシッと言うぞ!
「ハイガンベイナ、3歳です」
どうよ、彼岸花から取った名前。
死線を越えたって意味と、リコリスとか柄じゃないので、アルファベットを英語読みしてみた。
「そう、じゃあこれからはベイナって呼ぶわね」
「よろちくお願いちまっつ、魔女ちゃま」
おっ、好感触なのかぁ、魔女様。 顔がニマニマしてますよー。
「こほん、じゃあ前世から語って貰えるかしら?」
「あい!」
ちなみに魔女様は、キャラ作りをヤメたそうだ。
まあ、ブレブレでしたもんね。
「ベリュンの山奥で、ひっちょりと賢者をやってまちた!」
「ベリュン? ああ、ベルンか。 確かあの地方は、かなり排他的な地域だったハズだが?」
「あぃ。 きゅーてーとーとーに負けて、引き篭もってまちた」
「いつぐらいの話だ?」
「分かりまちぇん」
ベルンと言うのは、北方にあるかなり排他的な地域で、過酷な自然環境により村自体が消滅したりする地域だ。
一部の人間には、クロスランド帝国の左遷先として有名である。
それは、正しいかどうかを検証しようとしている顔ですね。 分かります。
だがしかーし、生活力に難がある様な人々が追放される土地ですからね。 いわゆる「死んでこい」って場所です。
ですので、敢えて言わせて頂きましょう。 無駄無駄無駄~っ!!
「楽しそうだな」
「じぇんじぇん」
「そこで研究でもしていたと言いたいのか?」
「あい」
「さしずめ、医者の真似事でもして生活していたとか?」
「にゃっ!」
何故バレたし。 設定が安直だったかな?
いや、まだ大丈夫なハズだ。
疑念を抱いたからこその質問であり、確証には至っていないと見た。
ならば続行だ~っ!!
「私はお前が、ベイナが魔法練習をする風景を見た事がある」
「ぶふぉっ」
「内容は非常に独特な基礎訓練と、まるで一歩一歩確かめる様な応用訓練」
「にゃっ、にゃんの事でちゅか?」
「いや、独特などと生温い、全く異なる技術体系だった」
「ほっ、北方はとくちゅなのでちゅ!」
「因みに私は、エルフや魔族の技術体系も習得しているが、お前のは、その何れにも属さない」
ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい。 魔女様の知識量を舐めていた。
確かに技術の発展には『流れ』が存在し、必ず何処かの系統に属するモノだ。
もしも外れているなら、オーパーツ扱いになったとしても、不思議じゃない。
どうする? どうする? どうする? 何が正解だ?
「おや? 酷い汗じゃないか。 拭いてやろうか? 主に舌で」
「ひぃぃぃぃぃ~っ!!」
食べられる、食べられる。 主に性的な意味で!!
えっ? 冗談ですよね。 なに唇を舐め回して攻撃準備に入っているんですか?
確かに『魔の森』は娯楽の乏しい場所ですけど、私にはソッチの趣味は無いんです!
べろ~ん…。
使用人部屋のお母様、前世のお母さん、私は魔女の肉奴隷になりそうです。
「ふむ。 やはりコレは嘘を吐いている味だな。 人間は嘘を吐くときに特殊な体液を分泌する」
「ちょっ、ちょんな事はありまちぇん」
もしかしてコルチゾールが体液に影響するとかですか? それともストレス物質的な何かですか?
「私は幼女の体に直接聴く方法を多数、習得している」
「うぇ~ん、お家帰る~」
やっぱりソッチの趣味かっ!
「さらには幼女ペットや幼女メイドの育成方法までも網羅している!」
「へるぷみー」
「何たって、幼女好きが昂じて、自らも幼女になってしまったくらいだからなっ!」
「ちょれがロリババアの原因だと!?」
「誰がロリババアだ。 つべこべ言わずにさっさと吐け!」
異世界転生も含めて、全てゲロってしまいました。
てへぺろ☆