第79話 幼女神誕生 ~えっ? 皆で盗賊の殲滅ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「うへっへっへっ。 もう逃げられないぜ」
「いやーっ、誰か助けてーっ!」
今日も今日とて、元気な盗賊たちを眺める幼女、ハイガンベイナ4歳です。
私達はヘルに連れられて、盗賊探しを行っている最中に、ソレに出くわした。
とは言っても、私達がいるのは上空であり、言葉通りに高みの見物を決め込んでいたのだが、どうやら盗賊で間違ってはいなかったらしい。
さて、助けますかね。
別に助ける義理は無いのだが、まあコレも何かの縁だ。 異世界転生物ならお約束の展開だし、何か良い事があるかも知れないからね。
ここいらでお約束のパターンに乗ってみるのも悪くはない気がするのだ。
「待て、お前たち! 悪事は私達が許さないぞっ!」
「おぅ、何だお前たちは? もしかして混ざりたいのか? へっへっへっ、良いぜ。 一緒に可愛がってやる」
「もう終わりだわ。 助けに来たのが、こんなか弱い人たちだなんて。 私はこれから、瓦版では書けない様な、あんな目やそんな目に合うんだわ」
をぃ、何だか酷くないか?
確かに私達は、可憐な幼女たちとナイスバディのヘルと言った組み合わせだが、世界を制服出来る戦力なんだぞ!
まあ良い、こうなったら、ちょっと過激な展開で応じてやろうじゃないか。
「ハトリ、切り刻んでおやりなさい」
「合点なのー」
「ヘル、お前は何か、相手がドン引きする様な技はないのか?」
「変わったリクエストですぅ。 それなら良いのがあるのですぅ」
後は私か。 どうすっかな。 本当はトレンチナイフの性能を盗賊で試したいんだが、私だけ試験運用ってワケにはいかないだろうし。
えっ、アイリはどうしたのかって? アレなら必死で地上から私達を追跡していたよ。
これは別に苛めとかではなく、本人が引き摺られたりしたくないって五月蝿かったからね。 走って追跡する様に命令しただけなんだ。
まあ何だ。 ガンバ。
「あがっ、たっ、助けてくれ」
「次なのー」
あっ、ハトリが盗賊を腰斬にしている。 相変わらず絵面が凄いな。
「【腐り落ちなさい】ぃ」
「ぐわっ、えっ? 何だコレ。 嫌だ、嫌だーっ! 死にたくないっ!」
うわーっ、コレはコレで凄いな。 生きたまま腐敗すると、ああなるのか。 確かにドン引きだ。
流石は死神だな。 実に容赦が無いし、あの死に方は誰もが遠慮したいだろう。
次は私の番だがどうすっかな。 安定のマイクロウエーブバーストだろうか? いや、待て。
そう言えば【爆ぜろ】って命令すれば吹き飛ぶんだっけか。 一度は試しておく必要もあるんだよな。
では早速、及び腰になっている盗賊に近付いて一言。
「【爆ぜろ】」
「ぶぁっ!」
おっ、うおぅ。 こりゃ私の方がドン引きだ。
マイクロウエーブバーストは水分を膨張させる方法であるため、血管などが主に爆発するのだが、【爆ぜろ】は違う。 全体的に爆発するのだ。 そりゃもう綺麗に。
マイクロウエーブバーストで頭を吹き飛ばした場合は、目玉が飛び出したり、鼻や口、耳などから色々なものが吹き出すのだが、【爆ぜろ】は皮を突き破る。
まあね、骨とかも爆発してるっぽいし、出口なんて関係ないよね。
それこそ地面に、トマトが内側から勢い良く弾け飛んだ様な痕が残るのだ。
これこそ正に「汚ねぇ花火だ」ってカンジ。
自分でやっておいて何だけど、コレはない。 オーバーキルって言葉が生易しいくらいだ。
あっ、近くにいた他の盗賊が呆けている。 手でも降っておくかな。 ヘロー、元気?
「ひぃぃぃぃぃっ! やべぇぞ、コイツ等。 にっ、逃げろーっ!」
まあ、そうなるよね。 逃さないケド。
「ハトリ、ヘル、逃すなよ」
「了解だよー」「勿論ですぅ」
そして私は、転移で先回り。 そう、その顔が見たかったのだよ。 本当に絶望した顔ってのは、意外と穏やかなモノなのだ。
終わりや死を受け入れた顔ってのは、善人や悪人の違いは無いんだよね。
だったら私は、蝶の様に舞い、蜂の様に刺す。
トレンチナイフと転移の組み合わせで、転移と刺殺の繰り返しだ。
腹を刺して一旦捻り、横に凪ぐ形で刃を体外へと移動させる。
刃渡りの短さは、傷口の大きさで補い、次々と腰砕けに似た恰好で崩れ落ちる盗賊たち。 うん、だよね。
なぜかドラマやアニメでは腹を刺されも平気に行動する奴がいるけど、普通に不可能だからね。
一般的に腹を刺されると、腰から下に力が入らなくなるんだとか。 理由は知らんケド。
それに大腸菌が蠢き糞がつまった腸を、栄養を吸収するために張り巡らされた血管ごとに切り裂いているんだぜ。 普通に死ねると思うぞ。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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