第78話 幼女神誕生 ~えっ? ヘルの一時帰還ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「ベ・イ・ナ・様ぁ~っ!」
「うおっ、ヘル?」
「お久しぶりですぅ、ベイナ様ぁ。 あっ幼女の匂いですぅ、くんかくんか」
どうも、美女に匂いを嗅がれている幼女、ハイガンベイナ4歳です。
「あっ、ヘルなのー。 久しぶりー」
「えっ、ハトリ…ちゃん?」
「凄ぇ綺麗なねーちゃんだな」
「こっちは山犬?」
「判るのか?」
「まあ、何となくぅ?」
そう言や、人型のハトリやアイリは初見だったな。 説明しておくか。
「コッチは人化を覚えたハトリと、途中で拾った山犬のアイリだ。 死体処理として活用している」
「ヘルですぅ。 ベイナ様に色目を使ったら、生まれてきた事を後悔しますよぉ」
「既にしてるよ」
酷い言い方だな。 それより所用とやらは終わったのかな?
「で、ヘル。 所用とやらは終わったのか?」
「まだ8割くらいですぅ。 区切りが良いので、一旦会いに来ましたぁ。 寂しかったですぅ」
「なあ、差し支え無ければで良いんだけど、所用って何か教えてくれないか?」
「ベイナ様幼女神化計画ですぅ」
へっ、それって私の幼女神化計画が8割は完了しているって事?
「自覚は無いんだが?」
「肌がプニプニになったりぃ、魔術が得意になったりしてると思いますぅ」
肌がプニプニ? 確かに色艶が良いとは思っていたが、それが原因だったのか?
それに魔術が上手くなったと思っていたのもその所為なのか?
「具体的に何をしていたんだ?」
「異教徒共の魂を消化しやすいように加工して、送っていたのですぅ」
「ぶふぉっ!」
それって邪神化一直線じゃないのか?
「上手くいって、もう既に亜神化しているのですぅ。 天変地異は無理でも、人間に対して神罰を下す事なら可能だと思うのですぅ」
「ちっ、因みに神罰って何が出来るんだ?」
亜神化って何だよっ! 人ではない自覚はあった気がしないでもないが、神様の仲間入りしてるってのか?
「例えば人に向かって【爆ぜろ】って命令すれば、魔力障壁もガン無視して破裂させられると思うのですぅ」
「ぐふぉっ!」
北斗の拳かよっ! いや、触れ無くても良い分、強力とも言えるのか?
確かに私には、マイクロウェーブバーストがあったが、アレが強化したと言えるのか。
「絶対命令権とも言えるですぅ」
「より悪化してるじゃねぇかっ!」
絶対命令権とか求めてないぞっ! てか「死ね」って言えば、死ぬんじゃね?
まあ良い、気をつけていれば、実害は無さそうだしな。
「別に、変なオプションとか付属していないよな?」
「もう少しで天変地異も起こせると思うのですぅ」
もう魔王化とかが、可愛く見えるレベルに思えてくるぞ。
「大体からして、何で幼女神化計画なんてモノをしようと思ったんだ?」
「その為に、宗教を起こして、神ポジションに入ったのでは?」
あっ、うん。 アレは別に神様になりたかったワケじゃないんだ。
ただ単に、悪ノリした結果であって、本気じゃなかったんだ。
しかしアレを真に受けてしまったのか。 コレじゃあ叱れないな。
「これからは姉妹神として、末永く一緒に暮らしていくのですぅ」
コレってそんなにホノボノした話なのか?
私には、世界制服への序曲にすら思えるんだが?
「それでベイナ様は何をしているのですかぁ?」
「盗賊退治を少しな」
「なる程、つまりは神化するために、盗賊共を狩っていたって事ですかぁ?」
「いや、違うからな。 治安維持だよ治安維持」
今から思えば、経験知的なアレって、そう言う事だったのかな?
「それならぁ、一緒に行くのですぅ。 神化も進んで一石二鳥なのですぅ」
「神になんてなるつもりはないんだが?」
「既に手遅れですぅ」
くっ、所詮は血塗られた道か。
「それでぇ、いつ出発するんですかぁ?」
「今は準備をしている最中なんだよ。 賊の位置も判らないし」
「それなら何とかなると思うのですぅ。 私には魂が集まる場所が、判るのですぅ」
「どゆ事?」
「人が集まっている場所が判るのですぅ。 特に死にそうな人間の位置なら正確に判るのですぅ」
あっ、忘れていたケド、コイツは死神だったわ。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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