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第73話 幼女神誕生 ~えっ? 吸血ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ハトリ、悪いんだが1割ほどそいつの血を吸ってみてくれないか?」

「いいよー、んじゃぁ、カプッとな」

「うぎゃーっ、干からびるーっ!」


 今何をやっているかと言うと、吸血から異能が獲得出来るかどうかの実験だ。


「どうだ? そのまま血を吸い続ければ、異能を獲得出来そうか?」

「もっと吸ってみないと判らないのー」


 ふむ、つまりは可能性があるって事だよな。 ならば続行すべきだろう。


「おい、起きろ」

「んんっ、今大きな蜘蛛に血を吸われる夢も見た」

「それはもう良いから、これを食って血を増やせ」


 そう言って、聖騎士の死体をアイテムボックスから引き摺り出す。


「こんな物、食えるワケ無いだろっ!」

「人間のフリをしている山犬のクセに生意気だな」

「なっ、どうしてそれをっ!」


 そりゃアナライズしたからね。


「つべこべ言わずに、さっさと食え」

「待ってくれ、人間を食べちまった同族は、皆殺されたんだっ!」

「どうせ傭兵か何かに討伐でもされたんだろ? 今回はその心配は無い」

「何言ってやがるんだよ」

「領主権限で、死体を処分するだけだ。 問題は無い」


 まあ、バレて都合が悪いのは私だからね。 むしろ処分出来ないと、面倒なモノだし。


「なあ、勘弁かんべんしてもらえないか? 人間の味を覚えてしまったら、元に戻れない気がするんだ」

「お前に戻る場所など無い。 それにしばらくお前の餌は全てコレだぞ」

「何人殺しているんだよ。 恐えーな、領主って」

「そんなモノだ。 おっとテイムを忘れていたな。 テイム!」

「くっ、逆らう事すら許されないのかよ」


 他の領主が何人殺しているかなんて、知らないケドな。 でもこれからも敵は殺していくんだから、処分係がいるのは有難いんだよ。


「とっとと食え。 何なら聖職者もあるぞ?」

「なぁ、量は少なくても良いから、他のモノじゃダメか?」

「ならお前も処分するだけだ」

「わかったよ…」


 とうとう観念したのか、聖騎士を食べ始める。 少しせていた事からも想像するに、満足な食事が出来ていなかった様だ。 食欲があるのは何よりだな。


「ハトリ、すまないがコイツに回復魔法を頼めないか?」

「良いよー。 リカバリー」

「ほぉぅ」


 回復魔法ってこうやるのか。 コツとかあるのかな?


「ハトリ、私に回復魔法を教えてくれないか? どうやって発動しているんだ?」

「えーとね、今回は体力あっぷーってカンジなのー」

「相手の状態によって変化させるのか?」

「そうだよー、傷の場合は治れーってカンジなのー」


 ふーん、アレだな。 細胞を増殖させるとか、白血球に細菌を食べさせるとかじゃないんだな。


「明確に回復した姿をイメージするカンジかな?」

「うん、そんなカンジなのー」


 これは練習が必要なカンジだろうか? まあ、試してみよう。


「リカバリー」


 私から出た光がアイリを包み、顔色が良くなる。 今イメージしたのは、血が増える回復魔法だ。 てか魔法が全体的に強くなっている感触があるのだが、何故なぜだろう?


「ふむ、無事に血が増えたみたいだな。 ハトリ、もう一度血を吸ってみてくれ」

「まっ、待ってくれ。 いくら何でも、頻繁ひんぱんに血を吸われたら死んじまうよ」

「心配するな、減ったら減った分だけ増血してやるよ。 ささっ、ハトリよ」

「はいよー。 カプッとなー」

「うぎゃぁぁぁ~っ、干からびるーっ!」

五月蝿うるさい奴だな、リカバリー」


 一時的に悪くなった顔色が元に戻っていく。 うん、大丈夫っぽいな。


「お前は回復魔法が成功する様に、たくさん食べておけ。 ほら、追加だ」

「鬼かよっ!」

「お前のご主人様だよ」


 こうなると、問題はハトリだな。


「ハトリ、異能が獲得出来る見込みがあるか?」

「まだわからないけど、もう少し試してみるのー。 カプッとなー」

「ぎょぇぇぇぇ~っ、死ぬー、マジで死ぬーっ!」

「リカバリー&おかわりだぁ!」


 吸血を繰り返す事ちょうど10回、ハトリはついに異能を獲得した。


 結果としては1人分の全血液で獲得出来ると推察される。 まあ何だね、死体のストックはまだまだあるんだし、貴重な雑用係と死体処理係を得たと思えば幸運だと言えるな。


「どれ、まだ少し細いカンジだし、オヤツとしてもう少し出そうか?」

「本当に何人殺しているんだよ」

「気が付いたら増えていた?」

「何でソコが疑問形なんだよっ!」

「仕方がないだろ、事実なんだから。 この後も盗賊を狩る予定だから、見せてやろうか?」

「お前、領主なんて嘘だろっ! 領主の皮を被った、悪魔か何かだっ!」

「今度、執事のウォルターも紹介してやるよ」

「マジかよ…」


 まあ、猟奇的りょうきてきな領主が私だけとは思えないし、むしろ良心的だとすら思うんだがな。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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