表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/300

第71話 幼女神誕生 ~えっ? 盗賊狩りですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「嫌だぁーっ、盗賊狩りに行くんだぁーっ!」

「お嬢様、せめてこの書類だけでもっ!」

「そう言って、ズルズル引き伸ばすつもりなんだぁーっ!」

「そっ、そんな事はありませんぞ」

「おい、目をらすんじゃぁない!」


 ウォルターの引き延ばし作戦にハマり、ズルズルと延長する事2日、やっと出発の日が来た。


『行くよ、ハトリ』

『はいなのー』


 2人して街の外に出て、人目が無くなった所でハトリに騎乗した。


 これは私の足が遅い事と、ハトリが運搬の異能を取得していた事により決定した事だ。


 もっとも、目撃されても騒ぎにならない様にするために、ハトリには透明化と気配遮断をしてもらっているにだが、結果としては幼女が馬乗りの恰好で地上1メートルを滑空する様に見えるのだから摩訶不思議である。


 そして街道をある程度進んだ先で、男に声を掛けられた。


「おい、待て!」


「ん? 何か喋った?」

「喋ってないよー」

「うん、なら先を急ごう」

「了解だよー」


「だから待てって! おい!」


 五月蝿うるさいな、こちとら路傍ろぼうの石になんて用は無いんだよ。


「待てーっ!」

「おい、弓を出して射掛けろ!」

「へい、お頭」


 ん? 何だか騒がしいぞ。 後ろを振り返って見ると、そこには武器を持った10人近い男達が追跡していた。 あっ、息切れしているじゃん。 運動不足?


「おぅ、やっと止まりやがったな。 こっちを見ろ。 動けば射掛けるぞ」

「サンダー」

「うぎゃぁっ!」

「くそう、よくもやりやがったなっ!」


 いや、やりやがったも何も、弓を向けている奴がいたら、普通は攻撃するだろ。 面倒なんだし。 まあ、弓程度じゃぁ掠り傷さえ負わないケドな。


「で、何の用なの?」

「身ぐるみを全て置いていけ。 着ている物も全てだ」

「変態!」

「違う、盗賊だっ!」


 あ、コイツらが盗賊だったのか。 あまりのしょぼさに、変態の集団かと思ってしまったよ。


「断る」

「てめえは断れる立場じゃねぇんだよっ!」


 そう言って、腰の剣を抜いて威嚇してくる。 でもね、オークやオーガがいなくなってから始めた盗賊だろ? ゴブリンと大差が無いと感じてしまうんだが。


「バカ?」

「ちゃうわいっ! てか、余裕あり過ぎだろっ!」

「ヘルファイヤー」

「うぎゃぁぁぁ~っ!」「熱い、熱いよぉ!」「消えない、消えないぞ、この炎!」


 まるでしょぼいキャンプファイヤーだな。 結局、戦闘と呼べるモノは無かったし。 まあ、次に期待だな。


 炭になった男達を、遊んでいなかった証拠として確保し、アイテムボックスにぶち込んでおく。


「しょぼかったな」

「異能持ちもいなかったのー」

「判るのか?」

「直感の異能があるのー」


 そうか、直感か。 てか現在はどのくらいの異能を所有しているんだ?


「それ以外にも取得した異能にはどんなモノがあるんだ?」

「んーとね、計算とか志気高揚とか、身体教化に魔力強化とか、横薙よこなぎとか唐断からたち割りとかもあるよー」

「おうふっ、大漁だね」

「うん、たくさん食べたのー」


 計算って商人からかな? じゃあ志気高揚って指揮官?


 異能狩りをしていたのは傭兵だけじゃあ無かったんだね。 そう言えば運搬もあるんだっけか。


「次に行くぞ、次」

「らじゃー」


 その後、戦闘とは呼べないキャンプファイヤーを数回繰り返した後に、とある集落に辿り着いた。 勿論ハトリは透明化している。


「いるよー、この集落に異能持ちがいるよー」

「えっ、びれている印象しか無いんだが?」

「多分ねー、ハトリの役に立つ異能持ちがいると思うのー」


 だが門を潜ると、途端に刃物を持った集団に、周囲を取り囲まれる。


「おい、金を出せっ!」「食料もだっ!」

「ここは盗賊の集落なのか?」

「ドコを見ている」「どう見ても普通の集落だぞ」

「いや、入ってすぐに強盗とか、盗賊の根城と同じだろ」

「ただ単に、食糧危機なだけだっ!」「盗賊の所為で、物資が入ってこないだけだっ!」「我々は被害者だっ!」

「殺して良いかな?」


「見つけたのー」


 そんな事を言って姿を表したハトリに、全員が押し黙る。


 そして視線は、ぐるぐる巻にされた少女に集中していた。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ