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第65話 閑話 ~聖マリア教会~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ひゃっはぁ! 死にたくなければ金を出せっす! ささっ、姉さん、お願いするっす」

「人使いが荒いですぅ。 さぁ、【死になさい】」


 即死魔法によって、増産される屍《しかばね》たち。


 地方都市のレイクフォレストでは、一方的な蹂躙《じゅうりん》が繰り広げられていた。


「いやぁ、姉さんは強いっすね。 衛兵も聖騎士も雑魚扱いっす」

「これでもぉ、幼女神の隷属神なのですぅ」

「ややっ、姉さんも神様っすか。 心強いっす」


 心強いも何も、マリアンヌは命令して死体を漁《あさ》るだけである。 聖母要素が、一体どこにあるのだろうか?


「こいつらマジでシケているっす。 全財産を持ち歩いていないとは、空気が読めない駄《だ》メンズっす」

「追い剥《は》ぎよりも、悪質な気がするのですぅ」

「全ては神のご意志っす。 邪教徒には情《なさ》けは不要っす」

「幼女神様は、そんなん事、望んでいない気がしますぅ。 でも楽しいから問題ない気がしますぅ」

「エイィィィメェェェン!」


 毒を持って毒を制すると言う言葉があるが、混《ま》ぜるな危険と言う言葉もある。


 ブレーキとハンドルが無い2人が、塩素ガスよりも危険な雰囲気を撒き散らしているのは、当然の帰結だったのかも知れない。


「ひぃぃぃ~っ、お助けーっ!」

「はっはつはっ、何処へ逃げようというっすか?」


 逃げ惑う住民と、追い回す聖母。 彼女はきっと、混沌の母になるべく産まれて来たに違いない。


「そろそろ教会に向かわなくて良いんですかぁ?」

「あっ、思わず楽し…浄化に熱中し過ぎて、目的を忘れていたっす」


 大丈夫だろうか? この2人。


「で、何処に行けば良いっすか?」

「私が知るワケ無いじゃないですかぁ」

「……」

「……誰か拉致《らち》ってみてはどうですかぁ?」

「ソレっす! ウラぁぁぁ~っ、悪い子はいないっすかぁ!」


 遠巻きに見ていた住民。 光るマリアンヌの瞳。 蜘蛛《くも》の子を散らす住民。


 そんな中、逃げ遅れた少女が生贄《いけにえ》になるのは必然だった。


「うわぁぁぁーっ、来ないで! 来ないで!」

「うへへへへ~っ、逃げると鼻毛を抜くっすよ」

「きゃーっ、来ないで! ヘンタイっ!」

「ぐへへへへ~っ、捕まえたっす。 ややっ、大人しい顔をして生意気なサイズと柔らかさっす」

「やめなさぁい! げしげし」

「ちょっ、角材で殴るのは勘弁して欲しいっす」

「お仕事を忘れて楽しんでいる馬鹿にぃ、天罰ですぅ。 さもなくば、さっさと尋問するのですぅ」

「尋問ってどうやるっすか? 拷問しか受けたことが無いから判らないっす」

「中々壮絶な人生を送っているのでうすぅ」

「いやーっ、それ程でもっす」


 どうやって囚われた少女を助けようかと考えている住民と、和《なご》む2人。


「仕方ないですぅ、その娘を羽交《はが》い締《し》めにするのですぅ」

「こうっすか?」

「えいっ!」

「何故《なぜ》私の顔を鷲掴《わしづか》みにするっすか?」

「あっ、間違えたけど何のなく頭の中を知りたいので、マジックスキャン!」

「うぎゃぁぁぁ~っ、懐かしい痛みっす~!」

「うわぁ、見て後悔したのですぅ」


 白目《しろめ》を剥《む》いて涎を垂らす変態だが、それでも娘を放さなかったのは流石である。 まあ、掴んだモノは放さない意地汚さの発露かも知れないが。


「あまり遊んでいるとベイナ様に合わせる顔が無くなるので、私は仕事をするのですぅ」

「いやーっ、こんなお嫁にいけなくなる顔になるのはいやーっ!」

「マジックスキャン!」

「きゃぁぁぁぁーっ!」

「悲鳴からして違うですぅ」


「さぁ、場所も判った事ですしぃ、行きますよぉ。 いつまで寝ているんですかぁ?」

「扱いが酷《ひど》くないっすか!」

「ゴキブリ並のしぶとさですぅ」


 モーゼの十戒《じっかい》もかくやと言うカンジで人をかき分け、一路教会へと歩を進める。


 到達点には、完全武装の聖騎士達が入り口を固めていた。


「大人しく建物を明け渡すっす」

「黙れ、異教徒と魔女めっ! 貴様等には我々が天罰を下してやろうぞ!」

「むむっ、生意気っすね。 姉さん、お願いするっす!」

「全く貴方という人は…。 【従いなさい】」

「はい、私は姉さんの犬っす。 はぁはぁ」

「どうして貴方も隷属しているんですかぁ? まあ良いですぅ。 さっさと占拠してしまいますよぉ」

「了解っす! おらぁ、出すもん出せやぁっす!」


 次々と占拠されていく教会内部。 単純に殺さないのは、下僕として利用する為だったりするのだから、鬼畜の諸行《しょぎょう》である。


「ふぅ、ほぼ占拠完了ですねぇ」

「見事な手際《てぎわ》っす」

「うふふふふっ、全ては幼女神様の為と思えば。これくらいは苦労でも何でも無いのですぅ」

「忠誠心が眩《まぶ》しいっす」

「待っていてくださいね、幼女神様。 この地に住まう全ての命は、貴方様のモノですよぉ」

「逆らう者は、生贄っすね。 この十字架に掛けて、バンバン火刑にするっす!」

「その意気ですよぉ、ワンコちゃん」

「わんっす!」


 信仰心の天元突破《てんげんとっぱ》。 後にこの地は、幼女神を奉る聖地となったとかならなかったとか。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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