表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/300

第63話 幼女鳥瞰 ~えっ? 聖女再び、ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「助ーけーてー! 殺ーさーれーるー!」

「待ちやがれっ! 賞金首めっ!」


 街を何となしに眺めていると、最早もはや名物となった聖女の追いかけっこが行われていた。


 賞金を掛けたのはこの街の教会で、金額はまぁ、それなりだ。


 これが教会の威信を傷付ける様な事なら、賞金額も跳ね上がったのだろうが、残念ながらあの聖女はタダの詐欺師であり、教会も被害者であると発表したため、教会への批判は殆ど発生しなかったからだ。


 結果として起こったのが、このバカ聖女と小銭稼ぎのショボい追いかけっこだったりする。


 でもおかしくないか? 処刑される前提で色々画策したのに、スルリとすり抜けてしまった。


 一番最初に会ったときでも、動物的な勘で危険を察知して遠赤外線を避けていたし、その後も生かしておく価値も無いのに何故か逃してしまったし。


 今から考えれば、教会に大した混乱も起こさずに、極刑を回避している。


 それだけの強運を持ち合わせていると考えれば納得出来なくもないが、それにしても、ご都合主義的な展開が多すぎる気もする。


 これは確保して、調べる必要があるかも知れないな。


 前世で言うところの「運命の強制力」が働いているとも思えないが、何かありそうな気がするのだ。


「ヘル、私はあのバカを調べてみようと思う」

「何かあるんですかぁ?」

「単なる気の所為せいかも知れないが、調べておいた方が良い気がするのだ」

「お供しますぅ」

「いや、お前は気配遮断けはいしゃだんとか使えないじゃん」

「上空から監視しておきますぅ」

「まあ、それなら良いケド」


 2人して上空に移動して、追跡する。 うん、予想はしていたケド、協力者がいるとかじゃないんだよな。


 時には蜘蛛くもの様に壁を登り、猫の様にへいの上を移動して、追跡者をいていく。 てかどんな生き物だよ!


 何だかそれまでの人生を想起させる様な逃避行動で完全に追手を引き剥がし、廃屋はいおくの中に潜り込む。


 まあ魔力探査まで使っているのだから見失う事はないのだが、思わず閉口してしまうレベルだ。


「行くぞ」

合点がってんですぅ」


 廃屋はいおくと言っても騒ぎは起こしたくないので静かに突入し、観察する。 よし、1人だな。


「ふぅ、やっと撒いたっす。 アイツらしつこ過ぎるっす」

「撒けてないぞ」

「えっ、魔王様?」

「マジックスキャン、フルバースト!」

「うぎゃぁぁぁぁぁっ!」


 やっぱりだ、コイツは日頃の行いが良いワケでもなければ、協力者がいるワケでもない。


 ただ単に、無自覚に強運が発動して、死を回避している様だ。 不自然過ぎる。


「アナライズ」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 : マリアンヌ

 年齢 : 14

 種族 : 邪妖精イービルパック

 性別 : ♀

 生命力: 80

 魔力 : 400

 攻撃力: 10

 防御力: 200

 特殊技能: 解錠魔法 罠感知 壁登り 跳躍 窃盗 詐欺さぎ 逃走 回復魔法

 加護 : 邪神の加護

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 何だろう。 このツッコミ所しかないステータス。


 てか人間ですらないのかよ! しかもガチの犯罪者じゃん!


 いや、逆に納得した。 持ち合わせている強運は、加護によるものだろうし、聖職者っぽくないのは「詐欺」によるものだろう。


 思わず殴りたくなるのも、防御力の高さや回復魔法を見て、妙に納得してしまった。 うん、深く突っ込むのは危険だな。


 しかしコレが聖女の真の姿かぁ。 まあ聖職者なんて詐欺師との違いが判らないから別に異論はないケド。


 とは言え教会との今後の関係を考えれば、邪神の加護には魅力を感じる。


 無論むろん、こんな事を考えてしまうのも加護の関係かも知れないが、有効活用出来るならしたくなるのも人情にんじょうだ。


 さて、どうするかな。 私が魔王と呼ばれている記憶は抹消したい。


 その上で適当なカバーストーリでもデッチ上げて、踊らせてみるか?


 マリアンヌって自由の女神を意味する名前だっけか? ある意味すっごく自由な奴だけど。


 いっそ、フランス革命でも起こさせてみるか? いやダメだな。 コイツに人民を先導できるとは思えないし。


 聖母マリアを名乗らせるのはどうだろう。 神輿みこしくらいなら努められそうだし、聖ペテロ大聖堂的なものを建てるために詐欺を働きまくるとかピッタリではなかろうか?


 確か聖母マリアって、キリストの人気が無い場所で流行ったって言われているワケだし。


 こっちの聖教会と対抗するには打ってつけかも知れないな。


 別にこっちの世界にキリスト教があるワケでもないから問題無いだろう。


 そうだな、教義は聖母マリア原理主義のアルティメットルールって事で。 異教徒根絶を考えている聖教会にはピッタリだろ?


 えっ、テロリスト養成機関みたいだって? 細かい事は良んだよ!



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ