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第61話 幼女当惑 ~えっ? 領主ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ハイガンベイナ様にはイーストウッド家を継いで頂きます」

「へっ?」

「今後は、ハイガンベイナ・イーストウッドと名乗って下さい」

「おめでとう御座いますぅ、ベイナ様ぁ」

「えっ? えっ?」


 どうも、何故かイキナリ領主になった、ハイガンベイナ4歳です。


 確かに領主を、ムカムカして殺った。 後悔はしていない。


 でもね、4歳児を領主にするのは、無理があると思うのだ。


 確かにサ行は克服したし、私に恐れるモノは何も無い。


 そして家を継げなどと意味不明な事をのたまっているのは、執事であるウォルター・H・コッホである。 片眼鏡を掛け、絶対に何人か殺しているかの様な視線で見つめてくるのは、ちょっと怖い。


 下手な事を口走ったら、鋼線で切り刻まれそうな雰囲気と言えば分かるだろうか?


「ベイナは4しゃいだから、分からないのぉ」

「今更、幼女の真似をしても、無駄で御座いますよ、お嬢様」

「真似とか言うなーっ!」


 酷くないか? 中身はともかく、外見は立派な幼女だぞ。


「ここにサインをお願いします、お嬢様」

「うぅぅ~っ」


 抵抗しても状況が好転しそうにないので、仕方なくサインする。 いやね、4歳児ってば普通は文字なんて書けないからね。 まあ私は古代語で書かれた魔導書でも読み書き出来るけどさ。


「これにて正式な領主になりました。 その他の手続きは全て済ませてありますので、問題は御座いません」

「ちょっ、優秀過ぎない?」

「悪魔で執事で御座いますので」

「別のフィクションまで混ざっている?」

「はて、何の事やら」


 判ってやってんじゃぁないだろうな。 しかし食事目当てで押し入ったハズなのに、何故が領主にまでなってしまった件。 もう設定の盛り過ぎで、お腹一杯だよ!


「さて、早速ですが、この都市周辺の魔物がいなくなった事に関する調査に関してですが、対応をお願い致します」

「ん? もしかしてまた…」

「おや、もう既に原因を特定済みですかな?」

「い、いや、そんな事はないよ」

「目が泳いでいますよお嬢様」


 やっぱソレってハトリが原因だよな。 なんてったって、いるだけでスタンピードが起きちゃうくらいだし。


「いやー、それは別に解決しなくても良いんじゃないかな」

「つい最近の事なのですが、前の旦那様が仕事中にお亡くなりになりましたので、色々と困っている状態なので御座います」

「ヘル、どうせ何かに恐れて逃げ惑っているだけだと思うけど、一応調べてくれ」

「そう言う事なら、あのポッチャリ犬に命じますぅ」

「ポッチャリ犬?」

「ポチ、ここにいらっしゃい。 お仕事ですよぉ」

「はっ、ただいま」


 うぉっ、ポチが横に膨れている。 なんだその食っちゃ寝でもしていたかの様な体型は。 もしかしなくても太った?


 まあ確かに、食料事情が劇的に改善したのだろうけど、食べすぎじゃね?


貴方あなたはぁ、都市周辺の魔物分布の調査をしながらぁ、ダイエットをしなさぁい」

「恐れながらヘルお嬢様、原因はハトリ様では?」

「ついでにぃ、オークの2~3匹でも狩ってぇ、献上しなさぁい」

「御意」


 はぁ、上手く仕事をなすりつけやがったな。 こうなったらこいつも道連れにして、仕事漬けにしてやる。


「ヘルお前には…」

「ベイナ様ぁ、その前に解決しないといけない問題があると思うのですぅ」

「ん、何かあったか?」

「先ずはお、湯浴ゆあみとお着替えの必要があると思うのですぅ。 そうですよね、ウォルター」

「おおっ、私としたことが失念しておりましたな。 確かに今の格好は、領主としても、良家のお嬢様としても不適切ですな」

「では早速、湯浴みに行きましょうねぇ、ベイナ様ぁ。 あーんなとこやこーんな所も、ピカピカにするのですぅ」

「まっ、待て! 私はまだ行くとはいっていないぞ! おいっ、臭いを嗅ごうとするなっ!」

「くんかくんか。 はしはし。 うーむ、幼女の汗にまみれた香りも捨てがたいですがぁ、やっぱりベイナ様にはぁ、フローラルな香りが似合うと思うのですぅ」

「やっ、ヤメロ。 こんな所でこうとするな。 らっ、らめぇぇぇぇ~っ!」


 ……。


 ふっ、ふふふっ、はははっ。 もうお嫁にいけない。


 今となっては、野獣のようなヘルの目が怖かったとか、とっても舌が長かった事など些細な問題だ。


 その結果として、ヘルが妙にテカテカしている事も、些事といえば些事だ。


 いやね、開発とか、そういった世界がある事は知っていたんだけれど、まさか自分が、その被験者になる日が来ようとは思っていなくってさ。


「うふふふふふぅ、即死魔術はぁ、何も殺す事だけが全てと言うワケではないのですぅ」

「なっ、何を言っている?」

「前々から思っていたのですよぉ、殺せるなら生かす事も出来るのではないかとぉ」

「へっ?」

「永遠の若さに興味はありませんかぁ?」

「私はまだ、幼女だが?」

「貴方は幼女、貴方は幼女、貴方は幼女とぉ、前後不覚になっている状態でぇ、刷り込めばどうなるのとかぁ」

「まっ、まさかっ。 私の【ないすばでーでイチコロよ】計画はっ?」

「サービス終了のお知らせですぅ」

「うぎゃぁぁぁぁ~っ!」


 まさか、そんな事が可能なのか? 大体にして生命の回数券と呼ばれているテロメアはどうするんだよ。


 いや、そう言えば、テロメアをも回復する能力が人間には存在していたな。


 精子と卵子、遺伝子を受け継がせる存在として遺伝情報を持ち合わせているのだけれど、テロメアが短い状態だと困るので、当然に長さも修復される。


 そう言った意味では、テロメア修復は、生物に必要な機能なのだ。 とは言え無条件での修復ではガンの問題などもあるので、限定的ではあるのだが。


 しかしながら、キーとなる化学物質さえ何とかなるので、必ずしも無理な方法とは言えないのかも知れない。


 まあ、仮定の話でしかないハズなので、冗談だと思いたい。 冗談だよね? せめて、ないすばでーになるまでは待って貰えないかな?



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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