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第57話 幼女成敗 ~えっ? チンピラですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「臭くて人がいない」


 都市の中に入ると、思っていたよりも閑散かんさんとしていた。


 まあ当然か、サイズ的にはちょっとした市町村くらいはありそうだが、人口密度が日本とは桁違いだ。


 江戸時代には人口が激増したと言われているが、それでも日本の総人口は1千2百万程度と言われているのだから当然であろう。


 勿論、この街は異世界では大都市に分類されるのだろうが、日本人の感覚で言えば、人工の少ない地方都市に該当しそうなの雰囲気だ。


 ニュータウンの昼間の住宅街を思い浮かべてもらえば判るだろうか?


 中世ヨーロッパでもジャガイモが存在しないワケだから食料事情が安定せず、人口が増えなかったワケだしね。 異世界でも同様って事だろう。


 タバコ、トウモロコシ、ジャガイモ、トマトなんてのはヨーロッパの侵略船が南米辺りで現地住民を殺しまくって持ち帰ってからだから、中世には存在しなかったワケだし。


 当然、スパイスなども殆どないし日本みたいに竹串が存在するワケでもないので、肉串なんて期待するだけ無駄なのだ。


 いや、それ以前に中世ヨーローッパって基本的に手掴みだからね、スプーンやフォークってもっと後のハズだし。


 日本ではその頃でも箸を使って物を食べてはいたんだけど、世界じゃあ手掴みがスタンダードだったんだと思うと、日本人に生まれて本当に良かったって思うね。


 屋台? 何それ美味しいの? ジャガイモ警察に通報するぞ。


 まあヨーロッパの食生活って侵略によって発展した部分が大きいワケだから、期待するだけ無駄だったかな。


 個人的にはナーロッパを期待していたのだけれど、現実は甘くない。 そう、魔物などのモンスターの存在だ。


 国内で魔物被害が多い所為か、国力がそっち方面に振り分けられているのである。 簡単に言えば、侵略船を作っている余力が無いのだ。


 もっとも侵略船は近世のモノなので、塩以外の調味料はシルクロードだよりだったとも言えるのだが。


 結局何が言いたいのかは、人が少ない、屋台が無い、そして臭い。


「何だか臭いですぅ」

美味ちい(おいしい)モノは無いかもちれないな」


 まあ最後の臭いってのは、恐らく人糞のモノだとは思われるのだが、目視できる状態では存在しない。 一体この地域の糞尿はどうやって処理しているのだろうか?


 江戸時代の都市では、武士の糞尿は肥料として人気があり、専門の買い取り業者が存在していた。


 しかし中世ヨーローッパではオマルに出した排泄物を路上に捨てていた関係上、至る所に糞尿が散乱していたのだ。


 当時の裕福な人間は、そんな中でも歩けるように、厚底の靴を履いていたくらいだからね。 逆に言えば、普通の靴では汚すぎて歩けなかったって事だ。


 こっちの場合は幸いにして、想像以上に人口が少ないのか、それとも集積場でも存在するのか、臭いはすれど、目視出来る状態には無い。


 では糞尿はどうやって処分しているのだろうか?


 肥料にするには肥溜こえだめで発酵させる必要がある。 単純に集めるだけでは意味が無いし、そもそも乾燥してしまっては効果が薄い。 長期間寝かせるたり撹拌かくはんさせたりする都合上、街中での保管は不自然だ。


 では燃料にでもするのだろうか?


 確かに遊牧民やアフリカの一部の民族は家畜の糞などを丸めて乾燥させ、煮炊用の燃料にする場合がある。


 しかしこの場合は注意が必要で、危険物に変化する場合があったりする。


 例えば少量の硫黄やアンモニア、硝石と炭を適当に混ぜ合わせれば、原始的な黒色火薬が完成するからだ。


 尿のアンモニアや糞の中の硫黄、糞尿を乾燥させて出来る白っぽい硝酸の結晶、それと木炭を混ぜ合わせれば、火薬の原料になる。


 南米では鳥の糞を使った火薬を自作する民族が、未だに存在するくらいだしな。


 ちなみみに織田信長が大量の火薬を用意出来ていたのは東南アジアから硝石を輸入していたからであって、某漫画の様に便所土から自作していたワケではない。


 うん、燃料の可能性も低そうだな。 そして火薬の可能性も無さそうだ。


 そもそも燃料としての糞尿は、家畜として飼育している草食動物のモノを利用するのがセオリーだし、火薬の材料としては人間の糞尿は不向きだしな。


 人間の糞尿に含まれる内容物や成分が、燃やす亊には絶望的に向いていないのだ。


 だとすると、単純に埋めているのか? 地下水汚染の原因にもなるので、井戸水にアンモニア臭がする場合には注意が必要だぞ。


 はぁ、食べ物だけじゃなくて水の心配までする必要があるとは、あなどれないな、異世界。


「よぉ、見ない顔だな。 新入りかい?」「俺達が案内してやってもイイぜ」

「うわぁ、バカがいますぅ」


 おうふっ、こんな連中までいるのか。 中世ヨーローッパも真っ青だな。


 地球の歴史なら、流れ着いた食い詰め者が森林の伐採と農地の開墾要因として街に流入していたそうだが、異世界にもいるんだな。 こんな連中。


 そして私達は、死んでも誰も困らない哀れな子羊ってか? よそ者には治安機構が機能しないからって、物騒過ぎないか? そりゃあ税金や賄賂わいろなんて収めてないけどさ。


「そんなに警戒するなよ」「親切で言ってやってるんだぜ」

「どこへ案内してくれるんですかぁ」

「集会場の様な場所だ」「そうそう、俺達は街の仕来しきたりを説明する係なんだぜ」


 などと言われて移動した先では、路地裏に屯する男達の好奇な視線。


「先程警戒するなと言ったが、アレは嘘だ」「ひゃっほー、剥いちゃうぜ」

「ベイナ様ぁ、プチっと殺っちゃて良いですかぁ?」

「まあ待て、情報ちゅうちゅうをちてからだ」


 えつ、ドイツのケルン大晦日おおみそか集団性暴行事件みたいだって?


 そんなわけないじゃん。 誰一人、生かして返す予定は無いよ。 メルケルだっていないしね。


 情報収集のついでに、き肉にして掃除するだけだよ。


 ケルン大聖堂は無いけど、とむらう必要性も無いから問題ないよね。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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