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第56話 幼女堪能 ~えっ? 都市ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 空を飛行しながら、とある都市へ向かう一団、そう、私達である。


 えっ、聖女? 先程追い抜きましたが何か?


 実は近くに、集落などの小規模な住居は存在したのだが、当然無視だ。 まあ、目的が街を堪能する事だからね、当然の結果である。 街の位置もバカから取得済みだし。


「ベイナ様ぁ、そろそろかと思いますぅ」

「うむ、ハトリはちょろちょろ、透明化を頼む」

『判ったよー』


 人目に着かない程度に離れた地点に着地して、そこからは徒歩で向かう。


「意外とマトモな門構えですねぇ」

「まあ、ある程度の軍隊を送り出ちぇる都ちだからな。 ちょれなりの規模は必要なのだろうよ」

「美味しい食べ物とか見つかるとぉ、思いますかぁ?」

「ちょれは大丈夫じゃないかな? 貴族もちょれなりにいるんだろうち」

「処女の生き血も堪能出来そうでなによりです」

『異能持ちをたくさん食べるのー』


 ふーむ、一部では行方不明事件が多発しそうな意見もあるが、まあ都市だからな。 切り裂きジャックだって、都市だからこそ潜んでいられたワケだし、問題ないだろう。


「一ちゅう間程滞在ちようかと思うのだが、滞在費は必要か?」

『いらないのー』

「コウモリになれますゆえ、不要です」

「私はぁ、ベイナ様とくんずほぐれつしたいですぅ。 因みに幼女であるベイナ様にはぁ、単独行動は許可出来ないですぅ」


 くっ、私は一週間もこんなのと一緒なのか? 幼女の体が恨めしい。


「そんなベイナ様をこうするのですぅ。 大しゅきホールドぉ!」

「ぬをっ!」


 イキナリ後ろから抱き抱えられ、ガッチリとホールドされる。 ってアレ? これってパイルダーオンじゃね? 頭をクッションでホールドされているんだが。


「はぁぁぁぁ~っ、幼女の香りに癒されますぅ」

「はっ、放ちぇっ!」

「良いんですかぁ? 暴れていたり何かしたらぁ、不審がられて街に入れませんよぉ」

「くっ、我慢がまんちゅるちかないのか?」

「それは幼女の定めですぅ。 くんかくんか」

「匂いを嗅ぐのをヤメロっ!」

「舐め回した方が良かったですかぁ?」

「後で泣かちてやる!」


 仕方が無いので、街に入る列に並ぶと、何故か前方にいる荷馬車に繋がれた馬が、震えて小便をまき散らしていた。


 一体、何に怯えているんだ?


『おいしそうなのー』


 あっ、ハトリの視線を怖がっているのか、納得だ。 しかし透明化しているのに命の危険を感じるなんて、馬って意外と敏感なんだな。 それとも食われる側の遺伝子に組み込まれた生存本能の成せるわざか?


「おい、どうして急に動かなくなったんだ? 動けよ! 納品に間に合わなくなるだろ?」

「ヒィ、ヒィ、ヒィヒィヒーン!」


 ふむ、蛇に睨まれた蛙よりも、蜘蛛くもに睨まれた馬は動けなくなるんだな。


「ハトリ、悪いんだがちゃきに街に入っていてくれるか? でないと、我々も街に入れないみたいだ」

『仕方が無いなー、あの馬は諦めるのー』

「うむ、じゃぁ一ちゅう間後に、再び街のちょとで会おう」

『じゃぁ、先に楽しんでくるねー』

「水には気を付けるんだぞ」

『まったねー』


 ハトリは透明化したまま、石で出来た外壁をよじ登っていく。 まあ当然だよな、蜘蛛なんだし。


 前々から思っていたんだけど、この様な壁って、空を飛べる者や越えられる者には、結構無力だよな。


 フィクションなら街を被う結界なんて設定もあるけど、現実じゃあエネルギー的な問題から、不可能だろうし。


 私個人で使用している魔力鎧なら、範囲が知れているからこそ運用出来ているケド、表面積は半径が2倍になれば2乗になるワケだから、不可能なのは自明の理だもんな。


 私の直径が1メートル、街の半径が1キロだとしても表面積は百万倍。 この街なら最低でも半径が数キロはありそうだから、表面積は1千万倍を下らないだろうし、現実的じゃないわな。


 この世界でも一応、魔石は存在するし魔道具も存在するんだけれど、仮に私の魔力(よろい)が魔石1個で実現するとしても、1千万個の魔石が必要って話だからな。


 数自体が現実的じゃあないし、費用の面から考えても無理ゲーだろう。 まあ、魔石1個で張れる結界なんて、ワンパンでやぶれそうだけど。


 こう見えて、私は凄いんだぞ。 だから、匂いを嗅ぐのはヤメロ。 私は匂袋じゃぁないんだ。


「はぁ、匂いは十分堪能しましたぁ。 宿に着いたら、一緒にお風呂でも入りましょうねぇ」

「風呂付きの宿なんてあるのか?」

「問題ないですよぉ。 無ければ貴族邸でも占拠すれば良いワケですしぃ」


 あっ、コイツ邪悪な死神だったわ。 タダの変態じゃあなかったんだな。


「次の者、前へ」

「はぁい、姉妹と下男ですぅ」

「親子じゃないのか?」

「死にたいんですかぁ、死にたいんですねぇ、殺しますよぉ」

「銀貨2枚と大銅貨1枚だ」

「はいどうぞぉ」


 入場税を払って、さっさと中に入る。 何となく感じていたけど、結構ザルなんだな。 入場チェックっていうより、徴税目的ってカンジだったし。


 さぁ、これから1週間、美味しいモノとお風呂を堪能するぞぉ!


「私もそろそろ、単独行動に移ってよろしいでしょうか?」

「いいわよぉ。 むしろ、2人っきりにして欲しい感じですぅ」

「では、1週間後に」

「じゃぁまたねぇ~」

「承知」


 ふーむ。 これから1週間は、ヘルと2人っきりかぁ。 まあ不安もあるが、楽しまなきゃ損だわな。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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