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第47話 幼女水泳 ~えっ? お魚さんですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 リザードマンの集落しゅうらくを壊滅させた後に、下流の湖に向かっている。


 もっとも、移動手段は水上歩行だ。 ハトリ自体はアメンボの様に移動しているのだが、元はリザードマンの水上歩行だとう言うのだから摩訶不思議まかふしぎだ。


 水上を走るトカゲとしてバシリスクが有名だが、リザードマンもアレに近い形で走行する。


 じゃあ同じ様な方法になるのかとも思っていたのだが、アメンボ式になっているのだから意味不明である。 物理法則から違うよね?


 まあ、ソコが異世界の不思議と言えばそれまでなので深く考えまい。


 スイスイと水上を移動するのは心地良く、肌に当たる風すらも安らぎを与えてくれる。


 まさかダンジョンの中で、こんなにもリラックス出来るとは思わなかったので、リザードマンには感謝しかない。


 まあ、食われた側の心情はガン無視なのだが。


 そして湖に向かっている理由はタダ一つ、そうお魚さんである。 調味料は塩しか用意出来ないのだが多くは望むまい。


 淡水に住むあゆやニジマスに近い存在があれば言うこと無しなのだが、淡水魚は総じて白身魚と決まっているので、今から楽しみだ。


 突き進むこと約半刻、ソコにはパラダイスが広がっていた。


 むふふふふ。 私に抜かりは無いのだよ。


 プロポーションを引き立てる水着は、魔女様謹製(きんせい)の旧スク水タイプ。 えっ、つるぺったん? うっさいわっ!


 ここはやっぱり、ラジオ体操第一であろうか?


 空腹は最強の調味料だとも言われているので、シッカリと体をほぐしておくべきであろう。


 それでは早速、そーい。


 何も考えずに飛び込もうとしたのは誤りだったらしい。 えっ、何故かって? そりゃあ巨大なアロワナが口を開けて襲ってきているからだよっ!


「ウォーターカッター!」


 何とか迫りくる大口を迎撃し、水面に着地。 ふふふっ、私にだってこれくらいは出来るのだよ。


 それにしてアロワナか、皮の泥臭い部分を取り除けば、結構美味いって話だよな。 あれだけの大きさなら食い甲斐もありそうだし。


 ん? 足元が五月蝿いな。 うぉ、ピラニアかよ! 魔力鎧まりょくよろいが無かったら、即効で骨になっていたぞ。


 って、げげっ、私のアロワナが骨になってやがる。 こうなったら、お前達を食ってやる!


 ちっ、追われる側になった途端に、矢鱈やたらと速くなりやがった。 ぜぇぜぇ。


『何やってるのー? たのしいー?』

「楽ちくない!」

『手伝うー?』

「うむ、頼む」

『かしこまりー』


 ハトリが協力してからは速かった。 と言うか、私は足手まといだった。 ちくせう。


 何とか数を確保できたので、ハトリに恵んでもらった数匹を調理する。 ヒモっぽい? 幼女だから良いんだよっ!


 錬金術で作成したナイフを使い、ハラワタを取り出す。 うん、違うのはサイズだけで、殆ど地球と同じだな。


 続いてはうろこ取り、くっ、ナイフでは無理があるか。 仕方が無いからこれも錬金術で作成する必要があるな。


 大きめのギザギザがついた金属の輪っかを作成し、鱗取りとして使用する。 個人で使用するだけなので、取っ手などは作成しない。


 ガシガシと鱗をがし、塩を振り掛ける。 流石に塩はマジックバックに入っていたモノで、魔女様も鬼ではなかったらしい。


 ついでに道中で拾ったバジルっぽいハーブを散らし、石の上に置いて遠赤外線の魔術でジックリと火お通す。 えっ、横着するな? 焚き火なんて余裕あるわけないじゃん。


 おっ、良い匂いだ。 本来ならムニエルにするのが最高らしいのだが、贅沢は言うまい。 なんたって、異世界初のお魚なんだから。


 んじゃぁ、いっただきま~す。 んまぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぞぉぉぉぉぉ~っ!


 えっ、ハトリも食べる? んじゃぁ、ほい。


『びみょー。 お魚は生に限るのー』


 あっ、意外とワイルドでいらっしゃるのね。 でも人間としては、淡水魚の生は、流石に下痢げりぴーコースだからね。 別に人間は辞めていないからねっ!


 でもまあ、個人的な好みを言うのなら、醤油が欲しい所だ。 二度と口には出来ないかも知れないけれど。


 次々とピラニアもどきを骨に変え、ポッコリと膨れるイカ腹。 くっ、悲しいくらいに幼児体型だぜ。


 こうなったら、レジャースポーツで鬱憤晴うっぷんばらしだ。


ひもを出ちて、水の上で引っ張ってくれりゅ?」

『いいよー』


 目指すのは、ベアフットによる水上スキーだ。 ハトリは水上を高速移動が出来るので、水上スキーごっこを期待しているのだ。


「ではちゅっぱーっ、ふぎゃらぺばりぼっ!」


 それは水上スキーなどと呼ばれる華麗な技ではではなかった。 一言で言えば、「水上引っ張られ拷問」である。 もしくは「人間水切り石」。


 苦しくなって手を離すと、かさず襲いかかる巨大アロワナ。 私はルアーじゃないんだぞっ!


「くっ、またお前かっ! ウォーターカッター!」


 両断されるアロワナの巨体と、繰り広げられるピラニアのお食事タイム。


 やや落ち込んでいる私にハトリが近寄って来て、そっと慰めてくれた。


『で、何が楽しいのー?』


 うん、何だろうね。 そこは私も知りたい所なんだよ。 くっ、殺せ!



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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