第45話 幼女動揺 ~えっ? ヘルスパイダーですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
あれ? 何だかこの子、巨大化してない?
ハトリが可愛過ぎて際限なくヒドラの白身を与えていると、何だか巨大化していた。
最初は枕くらいのサイズだったハズが、気付けば軽自動車並の大きさに…うん、最初からこのサイズだった気もしなくもないし、きっと気のせいなのだろう。
茶色かった胴体も、今ではオシャレな青紫になっているし、虹色の瞳と合わせて、ファッショナブル度はアップしている。
えーと、種族はヘルスパイダー? こんな種族だったかな? まあ良いや。 可愛ければ全て良し。
まさかこんな短期間で進化するなんてあり得ないし、そう言えば最初から青紫だった気もする。
『ままー、どうしたのぉ?』
「いや、何でもないんだ。 ついでにコレも食べるかい?」
『うーむ、乾物? まあ強くなるためには良いっかぁ』
あれれ? 何だか今、賢くなった? まさかね。
与えたリッチを頭からバリバリ食べているんだけれども、半分義務みたいにモチャモチャしている。
『あっ、オーガキングだぁ、喰らえ、ポイズンブレスぅ!』
「へっ?」
不幸にもハトリと出会ってしまったオーガキングは、一瞬で上半身を吹き飛ばされた。
まあ、それは良いんだ。 ただ何て言うのかな、私のトラウマを刺激するブレスは、残った下半身を溶かしているんだ。 いや、まさかね。
「今の技は?」
『ヒドラのポイズンブレスぅ』
「おおぅ」
いや、いや、無い無い無い。 まさか食べた相手の能力を獲得する種族なんて、アニメじゃあるまいし、絶対に無いと思いたい。
『あっ、オークの群だぁ。 喰らえ、サンダーストームぅ!』
「おっ、おぅ」
そう言えば、リッチって魔術が得意だった気がしないでもない気がする。 いや、この子は元から魔術が使えたんだ、そうに違いない。
「もしかして今の技は?」
『リッチのサンダーストームぅ』
「ふっ」
きっと疲れているんだな。 そんなにポンポン強くなる存在なんて、いるハズがないんだから。
『まるでベイナ様みたいですぅ』
「げっ、ヘル?」
『放置されて、少し寂しいですぅ』
「それよりも、わたちみたいってどう言う事?」
『えっ? 自覚が無いんですかぁ?』
いや、私は黒の因子を取り込んだだけで、魔術が得意なだけだ。 決して進化なんてしていないぞ。
『いくら得意と言っても、その場で習得する何て異常ですぅ』
「まじか…」
いやいや、私の事は置いておいて、ハトリの事だよ。 ちょっと異常じゃない?
『そんなに新しい子が好きなんですねぇ。 少し幻滅しましたぁ』
何でそうなるんだよ、一緒に考えてくれても良いじゃないか。
『まあ特殊個体だったんでしょうねぇ。 ヘルスパイダーなんて種族は初めて聞きましたしぃ』
特殊個体?
『きっと、エリアボスだったんだと思いますぅ。 まあ今はエリアボスどころか、フロアボスってカンジですけどぉ』
ふふっ、優秀なのは良い事じゃないか。
『現実逃避は見苦しいですぅ』
うっさいわっ!
『今まではゴブリンとかコボルトを食していて、一般的な範囲に収まっていたんだと思いますぅ。 普通はヒドラどころかオーガですら食べた事も無かったでしょうしぃ』
嗚呼、太陽が眩しいな。 そう言えばこの階層にも、あるんだな、太陽。
『多分ここは上層なんでしょうけどもぉ、今のあの子はヒドラよりも強いですぉ。 何と言っても、ヒドラが魔術を操り、ゴブリンの様に繁殖するワケですからぁ』
あーっ、あーっ、あーっ、きーこーえーなーいー。
『じゅあーんぷ』
『ほらぁ、空を飛んでいるみたいですよぉ、ベイナ様ぁ』
「あーっ、みーえーなーい、きーこーえーなーい」
あっ、今度はオークキングか? まあ美味しそうにモグモグと。
おおぅ、周囲にいるオークやオーガが逃げ回ってやがる。
うん、あれだね。 食物連鎖のヒエラルキー革命だよね。 若しくはカースト下克上?
きっとアレだよ、今まで虐げられてきた鬱憤が吹き出しただけの一時的な暴走だよ。
『みんな食べ尽くしちゃうぞー』
食べ尽くす? ああ、そっちに向かっちゃうんだ。
いやね、さっきから××キングが所持していたであろうエリア情報が流れ込んで来ているんだよね。
ハハハ、もう良くね? これで良くね?
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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