第43話 幼女閉口 ~えっ? スケルトンキングですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
デュラハンの階層を抜け上層へと至ると、そこは骨で溢れかえっていた。
うん、スケルトンだね。
今回は単一ではなく、スケルトンソルジャーにスケルトンメイジなどがいる。 えっ、省略するなって?
いやでも剣と杖を持っているのは区別がつくけど、それ以外はちょっとねぇ。
まあどちらにしても私には無害である事には違いないので、さっさと始末する。
「強化擬似太陽光ちぇん!」
脆くも崩れ去っていく骨たちを見回しながら、直接階層主を探してみる。
対象は? そりゃぁスケルトンキングかジェネラルでしょう。
要するに偉そうな奴を見つければ済む話だ。
『聞こえますか…ベイナ様、宜しいでしょうかぁ?』
「ん? ちょの声はヘルか?」
『はい、ヘルでございますぅ』
オカシイな、あいつは私のアイテムボックスの中にいるハズなんだが…。
『死神の不思議パワーで解決しましたぁ』
ちょっ、勝手に解決なんかするなし。 それに私の思考を読んでいないか?
『あなたの心に直接話し掛けていますぅ』
どこからそんな知識を持って来たんだよ! しかも微妙に古いし。
『ベイナ様の記憶を覗いていましたぁ』
ちょっ、プライバシーは?
『コッチの世界には存在しない概念ですぅ』
後で殺す。
『ひぃぃぃ~っ! コッチの空間まで殺気で満たさないで下さいぃぃぃ~っ!』
失礼な連中だ。 コッチの世界では、相手の記憶を走査するのはデフォなのか?
『一応ぅ、高等技術なので特別ですぅ』
よし、次に会ったらヘルで練習しよう、そうしよう。
『遠慮したいですぅ』
異論は認めない。
『ところでぇ、何か近寄って来てますよぉ』
あっ、本当だ。 アレはスケルトンキングかな? それよりもお前は何故見えるの?
『愛の力ですぅ』
よし、コイツはアレの後にシメよう。
「貴様ぁ、我が配下に何をするかぁ!」
「強化擬似太陽光ちぇん!」
「うぎゃぁぁぁ~っ!」
見ろよ、アレで階層主なんだぜ。 瀕死にしか見えないだろ? えっ、何のパロディか判らないって? 原型が風化する程古いんだよ、気にするな。
さて、最後の締めはコレだな。
「消毒液、噴霧、噴霧、噴霧、直掛け」
「ぎょえぇぇぇ~っ! 我の扱いが雑過ぎるぞぉぉぉ~っ!」
まさかコレが最後の言葉になるとは思わなかったみたいだな。 階層の情報が入ってきてるし。
さて、この階層も何やかんやでクリアしたし、早速ヘルをお仕置きするとしよう。
『急にお腹が痛くなったので、休みますぅ』
逃さないし、許さないよ。
アイテムボックスの中に手を入れて、むんずとアイアンクローで引きずり出す。 あっ、ポチがオマケでついてきた。
どうするんだっけかな、確か脳に細い針を刺して微弱な電流を流すと、その周辺に蓄えられた記憶が励起されるんだっけか?
だとすると、脳を直接触った方が良いのかな? どうしよう、取り敢えず強く握ってみるか。
「ちょっ、ベイナ様。 そんなに強く握らなくてもって、痛い痛い痛い痛い」
「むじゅかしいでちゅ。 パワーアップ?」
「うぎゃぁぁぁっ、出る、出ちゃいますぅ! 目玉とか中身とか、色んな汁とか出ちゃいますぅぅぅっ!」
「いっちょ、握り潰ちゅカンジで…」
「ストップ、ストップ、ストップぅっ! 教えますから、ねぇっ! 握り潰すのは止めて下さいぃっ!」
ちっ、気付きやがったか。
「まずは脳全体から、五感に纏わる情報を魔力を浸透させて収集するカンジですぅ」
「なるほど」
確かにインプットが五感から来るワケだから、そっちが優先か。
「次に側頭部から、言語に関する情報を収集しますぅ」
「ふむふむ」
要するに言語野だな。
「さらには頭頂部から、運動に関する情報を収集しますぅ。 上手くいけば、技なども収集可能ですぅ」
「ほうほう」
運動野だな。
「最後にド天辺辺りからは、性感帯の情報収集をしますぅ」
「をぃ」
体性感覚野の事なんだろうけど、いらんわそんなモン。
だがこのようにド天辺から電流を流してやると…。
「あへあへうへはぁ♡」
まあ、こうなるワケか。 うわっ、漏らしやがった。 汚いなぁ。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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