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第41話 幼女観戦 ~えっ? 不死の王ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ポチ、やっておしまいぃ」

「はっ、お嬢様」


 吸血鬼を撃破した上の階層で、ポチと呼ばれる真祖がリッチを相手に蹂躙じゅうりんしている。


 うん、何だコレ? 確かに楽ではあるし元階層主とポップモンスターとの戦いだからね、一方的なのは理解できるんだ。


 ただ何と言えば良いのかが判らない。 いて言うなら捕まえたゴキブリを誇らしげに見せにくる飼い猫?


 戦闘が終了する度に引き千切ったリッチの首を持ってくるんだよね、めて欲しそうに。 ちゃんとお座りまでして。


 一言で言うなら「哀れリッチ」って事なんだろうけど、ちょっとアレなんだ。


 確かにリッチは魔法が得意だし、集団で襲ってくれば、それなりには脅威なのだろう。


 ただし聖属性しか効かない二人と、大抵の魔法や魔術を無視出来る私には、安全地帯と大した違いは無い。


 結果として、作業としての首の引き千切りであり、戦闘と呼んで良いのかを迷ってしまうんだよね。


 だからえて言おう。 いらんわっ、そんな頭部モン


 いやね、ポチにとってはハンティングトロフィーなのかも知れないが、他の人にとっては、無念そうに見つめ返してくる汚い頭部でしかないからね。


 捨てる気にもなれず、かと言って人型を放置するのもはばかれるので、胴体と合わせてアイテムボックスに死蔵する事にした。


 うん、シュールだ。 頭部をブチ込んでからか胴体を入れているので、カップリングは不可能に近いかな。 まあ、合わせる予定も無いのだけれど。


 そんなこんなでリッチを狩り尽し、恒例の階層主探しタイムに突入。


 困ったぞ、リッチの上位種とかって何だろう?


 多分、魔術が得意なアンデッドなんだろうけど、パッとは思い付かないかな。 えっ、大墳墓の主? 流石にアレはないよ。


 でもそうだな、魔術関連のマッドサイエンティストがアンデッドになったケースなら、何となくはイメージ出来る。


 となると、居そうなのは研究所かやかたかな。


「上空から階ちょうぬちをちゃがす」

「えっ、階層主ですかぁ? でも何処どこにいるか判るんですかぁ?」

「研究所か館」

「あぁ、了解ですぅ」


 取り敢えず三人揃って上空を旋回し、それっぽい建物を探索する。 くそっ、廃墟ばっかりでアテが外れたぞ。


「あのぉ、アレなんてどうですかぁ?」


 死神さんが指差す先には、矢鱈と自己主張が強そうな館が一つ。 ガーゴイルの石像が乱立していて雰囲気だけはバッチリだ。


 吉永さん家かな? そう言えばガーゴイルって魔法生物って事になっていたんだっけか。


 それぞれが魔術の準備を行いながら接近してみる。 えっ、門から入るのが様式美? それはもうやったでしょ。


「ちゃん連レールガトリングガン展開、ファイヤぁ!」

「ストーンバレットぉ!」

「わをーん!」


 あっ、ポチが吠えた。 そう言えば、バンパイアって遠隔攻撃がほとんど無いんだよな。 無理して仲間に入ろうとしているのが少しだけ不憫ふびんだ。


「誰じゃぁぁぁぁ~っ! 動く前のガーゴイルを破戒しまくっておるのはぁぁぁ~っ! 折角せっかくのイベントをスキップするんじゃなぁい!」


 嫌だよ面倒臭い。 てか、あの出てきたのがソレっぽいな。 ミイラのくせして王冠とか載っけているし。


「強化擬似太陽光ちぇん!」

「うぎゃぁぁぁ~っ! まっ、待てっ! 話せば判る!」


 話せば判るだって? 何を寝ぼけているのだろう。 あいつには、私達が話し合いにでも来た様に見えるのだろうか?


「消毒液、噴霧、噴霧、噴霧」

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ~っ! とっ、解けるぅぅぅぅっ!」


 何とか距離を取って状況の打開を図りたいみたいだが、許すつもりは無い。


「ヘル、ペットにちゅる?」

「え~っ、あんなしわくちゃなのはいらないですぅ」


 だよね。


「火炎放ちゃ!」

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ~っ!」


 それしか言えんのかい。 あっ、動かなくなった。


 そしてお約束の階層情報。 やっぱりコイツが階層主だったのか。 ノーライフキング(不死の王)? ふ~ん。


「アレが階層主ですかぁ?」

「うむ」

「何だかぁ、しょぼい階層でしたねぇ」

「多くは望むまい」


 まあね、確かに一般的な兵士ならば苦労したかも知れないが、死神と真祖と幼女だからね。 魔法耐性があればこんなモノだろう。


 次の階層はコレ以下かと思うと、もう既に過剰戦力なんだよな。


 お供がいれば少しは楽になるかとも思ったけど、何だか気苦労が増えただけで、ちっとも嬉しくない。


 ここらで放逐するか? でもまあ、あのマッチョジジイの所に追い返すのは少し可愛そうな気もするし。


 そうだ、確かアイテムボックスって生き物は入れられないんだっけか? じゃあアンデッドや死神はどうなんだろう。 生きているとは言えない気もするし。


「入れ」

「えっ?」

「わふっ?」


 取り敢えずアイテムボックスにり入れてみた。 既に死んでいるワケだし、死ぬなんて事はないんじゃないかな。


 まあ、もしも動かなくなった場合は死蔵決定かな。 えっ、鬼畜過ぎる? 気のせいだよ、きっと。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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