第300話 最終決戦編 ~えっ? 戦いの後にはですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「やったか?」
戦いを終えて魔女の姿を探す幼女、ハイガンベイナ8歳です。
「ベイナ様ぁ、魔女の魂をゲットしましたぁ」
「えっ、マジ? 勝ったのか?」
「そうですよぉ、ベイナ様ぁ」
どうやらフラグにはならずに済んだ様である。 ふぅ、二度と戦いたくない相手だな。
「それでぇ、魔女の魂はどうしますかぁ?」
「そうだなぁ、一応取り込んでおくか」
「はいなのですぅ」
そう言って、魔女の魂の受け渡しを行う。 勿論ハトリの様に魂を自由にする何て事はせずに、純粋にエネルギーや知識として取り込んだ。
膨大に流れ込む魂の中には、魔女の記憶も含まれていた。 おおぅ、新しい魔術の情報が山程ある。
中には使用する事を躊躇われる『死滅の魔術』なんて物騒な魔術もあり、検証するには十分に注意した方が良さそうだ。
中にはどうやって、蜘蛛の魔獣を育成したのかの記録なんかもあった。 あの再生能力は、今は懐かしいヒドラを餌として与えていた事が原因だったらしい。
そう言えば私のアイテムボックスの中には、倒したヒドラの死体なんかも転がっており、今となってはハトリに与えていなかった事を少し後悔した。
ハトリはゴブリンや毒持ちの魔物は不味いからと言って食べなかったし、私もハトリが毒のブレス何かを使って欲しくなかったので、与えていなかったのだ。
≪ママ、もう済んだ事なの≫
『そうだな』
そして転移魔術なんかは、実際に人間の町などを襲って、転移の異能持ちなんかを捕縛して餌として与えていたらしかった。
そうして作られた存在である蜘蛛の始祖は、実験と称して王国の街などを襲って力を蓄えた上で、ゴブリンなどの繁殖能力を使って数を増やしていった様だ。
その結果が、国を一つ丸ごと消滅させてしまったのだから、あの魔女からしたら成功と言える成果だったと言えるだろう。
もっとも遊び半分でしでかした事なので、世界征服や人類根絶などまでは考えておらず、私たちが蜘蛛たちを狩っている事は黙認していたらしい。
いや、その狩りの中で見せてしまった竜化なんかは新しいオモチャとして興味を引いてしまったらしいので、結果としては痛し痒しだ。
本来であれば、オモチャとしての価値があったのは私だけだったので、あの時ハトリやヘルが犠牲になったのは私のとばっちりだと言える。
蜘蛛の討伐を黒竜から押し付けられてのは私だけだったのだから、今から考えればハトリやヘルの同行を許したのは間違いだったのかも知れないのだ。
とは言え、あの魔女の剣術に対抗できたのはハトリのお陰でもあるので、結果としては正解だったのかも知れないが、心情的に納得出来るかと言われれば違うワケで…。
≪ママ、ハトリはこれで良かったと思っているの。 だって、ママと一緒に戦う事が出来たの≫
『そうだな、ハトリ』
まぁ悔やんだとしても時間が戻るワケで無し、仕方がなかったとして諦めるしかないのではなかろうか?
「それよりもぉ、気付いていますかぁ、ベイナ様ぁ」
「ん? 何がだ?」
「ベイナ様はぁ、世界最強になってしまったんだと思いますぅ」
「えっ、どゆ事?」
「これからぁ、黒竜とか英雄とか勇者とか色々な相手からぁ、命を狙われる可能性があるのですぅ」
「マジ?」
「マジなのですぅ」
「うわぁ、面倒臭い」
どうやら私は、世界最強になってしまったらしい。 てかそんな称号は必要ないぞ。
「いや、バレなければどうと言う事は無いんじゃないか?」
「それがぁ、そうもいかないと思うのですぅ。 アカシックレコードに記録が残っていましたぁ」
「えっ、ヘルもアカシックレコードにアクセス出来るのか?」
「まぁ私の場合はぁ、ベイナ様経由で見られるだけなんですけどぉ、中にはアカシックレコードへのアクセス権を有している者とかぁ、アクセス出来る遺跡とかあった様な気がするのですぅ」
「うげっ、遺跡とかあるのかよ!」
まぁ仕方が無い。 一応鑑定しておくか。
「鑑定!」
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名前 : ハイガンベイナ・イーストウッド
年齢 : 8歳?
種族 : 竜邪神
性別 : ♀
生命力: 18,437,000
魔力 : 999,999,999,999
体力 : 999,999,999,999
攻撃力: 264,000
防御力: 116,000
特殊攻撃技能: ブレス、竜爪、神術、呪言
特殊再生技能: 再生能力(中)、体力回復(中)、魔力回復(中)
特殊情報技能: アカシックレコード
取得魔術: 火炎系列魔術、爆裂系魔術、雷系魔術、水系魔術、土系魔術、風系魔術、死霊魔術、冥府魔術、重力魔術、…etc
特殊技能: ハトリを憑依、黒竜王を憑依
称号: 『転生者』、『黒竜を宿す者』、『人に仇なす者』、『黒竜を倒す者』、『魔女を殺す者』、『死を齎す者』、『世界最強』(New)
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「うぎゃぁぁぁ~っ! 何で『世界最強』なんて称号が付いているんだよっ!」
「多分、あの魔女が持っていた称号なんじゃないですかぁ?」
「『世界最強』を殺したから『世界最強』だってかっ?」
「諦めた方がぁ、良いと思いますよぉ? これで、モテモテですぅ」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~っ!」
どうやら世界は、私にとっては優しくないらしい。
最後までお読み下さり、有難う御座いました。
本作はこれにて終了と致します。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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新作:
VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~
https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902