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第30話 幼女粗雑~えっ? 岩亀ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 雪猿のエリアをさっさと脱出し、岩だらけのエリアに到達した。


 とは言っても、岩に擬態している岩亀が、そこかしこに存在している。 きっと待ち伏せでもしているつもりなのだろう。


 いや、見た目は確かに区別が付きにくいし、魔力探査が行えない人間などにとっては脅威なのだろう。


 どう見ても耐久性の塊みたいな風貌に、岩で出来た甲羅こうら。 剣や弓矢、魔法を使うもの達にとっては倒すのには苦労しそうではある。


 しかし残念、私にはレールガンがあったりするのだ。 良く映画やアニメなどで戦車砲に狙われた場合は建物の陰に入ったりするが、実はそんなに安全ではない。


 例えば西側の主力戦車が徹甲弾を使用した場合は、冗談抜きでビル程度なら貫通できる。 元々は対戦車用の装甲としては、鋼鉄やセラミックで出来た複合構造でさえも15センチ程度では心許なく、貫通を避けるために傾斜させ、砲弾が飛んでくる方向からは20センチ以上は確保している。


 その点ビルの壁などは、10センチ程度の鉄筋コンクリートなので、戦車砲から見れば紙装甲扱いである。 例えそんな壁が10枚程度あったとしても対した障害になるとは思えないので、ビル程度なら貫通出来ると言える訳だ。


 勿論レールガンで徹甲弾を使用した場合には、鋼鉄の壁でさえも役に立たない。


 バンカーバスターと呼ばれる自由落下の貫通爆弾でさえ15メートル程度の深さは余裕であると言われているので、戦車砲やレールガンの貫通能力はその比ではなく、ファンタジーな装甲など、無視できるレベルであるのだ。


 まあ、石で出来た城壁すらも簡単に貫通する能力があるのだから、石亀(ごと)きの装甲など、して知るべしである。


 と言うワケで、挽き肉にでもなってもらおう。


「ちにたらせー!」


 舌足らずなだけで、別に血をたらしてもらう趣味など無い。 単純に死んでもらいたいのだ。


 まるで岩石に穴を開けてダイナマイトを仕掛けた様な光景で、石亀が粉砕されていく。


 しかも逃げ足はものすごく遅いので、一方的とさえ言えた。


 確かに剣士や弓使い、魔法使いならばあの甲羅には苦労はしそうであるし、甲羅から発射されるストーンバレットは100メートル先にも到達する。


 しかしレールガンの射程は、弾道学を利用すれば100キロには達し、500メートルでは近距離である。


 それに加えてレーザーポインタを模した照準器があるので、狙いも正確だ。


 結果はアウトレンジからの一方的な蹂躙じゅうりん、勝負にすらならなかった。


 散歩の様に気軽に散策し、見つけた石亀は片っ端から狩っていく。 当然これは、射撃訓練そのものだ。


 使用する弾頭も通常の鋼鉄弾頭なので、とっても経済的でさえある。


 階層主は何処だろうか? パターンでいくと、また洞窟どうくつだろうか?


 少し進んでは周囲を見渡し、め息をく。 思いのほか岩が邪魔で、探索が進まない。 やっぱり上空から探すべきだろうか?


 逡巡した後に、迷う理由もない事から、素直に空からの探索に切り替える。 まあ、元々あったのはズルをしている気分になった程度だ。 問題は無いだろう。


 高度を取り、周囲を見渡す。 ホント岩ばかりだな。 ん、あの小山、動いている? 近寄ってみるかな。


 近づくに連れて、それは岩の小山などではなく、足と尻尾しっぽ、そして頭を持つ大きく丸みのあるトカゲである事が判明した。


 グランドドラゴン…なのかな?


 のっしのっしと歩く姿は雄大で、何時いつまでも眺めていたくなる。 まあ、そんな状態ではないのだけれど。


 とてもじゃないケド、そんな事を言っている場合でないは判っている。 好戦的な性格でもなさそうだし、階層主でなきゃあ見逃したい気分なだけだ。


 アレが階層主でなきゃあ、何なんだって話なんだけど、特に隠れているワケでも無いので、隠しボスなんて事も無いだろう。


 通常弾は効きそうに無いな、あの図体だし。


 弾頭をタングステン製の徹甲爆裂弾頭てっこうばくれつだんとうに差し替える。 ほんと大活躍だな、反物質。


 モンスターは見た目通りとは限らないので、胴体を中心に弾を打ち込んでいく。 あの頭に見える部分だって、脳が入っているかどうかも怪しいしな。 何て言ったって、山に擬態するようなヤツだ。 視界の関係上、頂上に目があっても不思議じゃないし。


 意を決して、死のつぶてを盛大にプレゼントする。


 崖崩がけくずれでも起こしたかの様に山が崩れ、低くなっていく。 デカいと倒すのも一苦労だな。


 やがて動きが緩慢かんまんになっていき、断末魔を上げる。 コレこそ環境破壊ってやつか。 まあ、倒さないなんて選択肢は存在しないのだけれど。


 何処どこか悲しい様な苦しい様な、悔しい様な視線と目が合う。 そんな目で見てんじゃねーよ。


 最後に土砂の山になったソレを見ながら、階層主としての知識を得ていく。


 だよね。 凄腕の魔法使いでもなければ倒せない様な相手なのだ。 やっぱり階層主だったか。


 毎度のごとく周囲を見回すと、遅い岩亀が逃げる様に去って行く。 増援だったのかな? 意味は無かったケド。


 何ともやり切れない気分で階層の情報を洗っていくと、ふと思い掛けないお宝にたどり着いた。


 気分的にはスカッとする隠しボスが良かったのだが、ちょっとした埋蔵金のありかの情報なのだが、食指の動きが微妙に遅い。


 階層主を含めたココの連中は岩を食しており、強化の目的で鉄などを好む傾向があるそうだ。


 だが、柔らかくて役に立たない砂金などは、固められて糞として纏められて排出される。


 まあ、言ってみればモンスターの便所についてなのだが、普通の人間にとっては宝の山だ。


 ただし、ダンジョンや魔の森で役に立つとは思えないし、言ってしまえば荷物以外の何者でもない。


 科学の世界でも、イオン化傾向の低さからの対腐食や、電気抵抗の低さなどからCPUの材料などとしても人気がある。


 勿論もちろん強酸でも溶けないので、興味が無いワケでもないから回収しておくか。


 思い掛けないトレジャーハントになってしまったが、たまには良いのかも知れない。 魔女様のお土産には…ならないだろうな。 きんなどに興味がありそうには見えないし。


 近場の回収ポイントに向かって、一直線に向かっていく。 行くとなったら、全てを回るのだ。 トイレは複数あるのだし。


 遠くから見ていると良く判らなかったが、これはアレだ。 土でコーティングされた、矢鱈やたらとデカい乾いた泥団子。


 普通なら回収なんてする奴はいないんだろうな、コレ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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