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第299話 最終決戦編 ~えっ? 斬り合いですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「この剣の名はレバンテインという、多くの者を斬り裂いてきた魔剣じゃ」

「【斬り裂け!】、竜爪!」


 空中で斬り合いをする幼女、ハイガンベイナ8歳です。


 渾身こんしんの力を込めた竜爪は、魔剣で難なく防がれてしまう。 いや、少し爪が欠けてしまった所を見ると、強度は相手の方が上手うわてらしい。


 このままでは真っ二つにされ兼ねないので、爪に濃厚な魔力をまとわせて保護しながら相手と斬り結んでいる状態だ。


 キンッ、キンッ、キンッ!


 派手に爪と剣が交わる度に激しい火花を散らすが、押されているのはこの私。 魔女のくせして剣術まで得意分野らしいのだ。


 ≪ママ、こんな時こそ私の剣を使うと良いと思うの≫


 確かにハトリの魂を受け継いだときに、実はアイテムボックスの中身まで引き継いだのだが、私には剣術の才能なんて無い。


 ≪それじゃぁ、剣術はハトリがやるの≫


『へっ?』


 ハトリの声が聞こえた次の瞬間、アイテムボックスから剣を勝手に引き抜いて、体がハトリの意志で動き回る。


 ≪ママ、役割分担なの≫


 体の操作権をハトリに移譲して、私は飛行や魔術の行使に専念する。


『そういう事であれば、飛行や魔術は我が担当しよう』


『えっ? えっ? ちょっ、黒竜王さん!?』


 今度は、魔術関連の操作権を、勝手に黒竜王さんに取られてしまった。 仕方がないので私は神術やその他の部分を担当する。


「ほぅ、魔術に剣術の合わせ技など、随分と面白い事をするではないか」

「へっ、伊達だてに過ごしてきたワケじゃないからなっ!」


 取り敢えずズルはバレていないみたいなので、強がって言葉で牽制しておく。


 それにしても、ハトリの剣術は凄く上手うまい。 いや、飛び方とかの技能は黒竜王さんが私よりも上だったらしく、ハトリの剣術にピタリと合わせて、おまけに魔術なども無詠唱で使っているのだ。


 参考になるなぁ、などど呑気のんきに考えていられるのは、二人の技量が高いからだ。 そして私は、神術で身体強化を行ったり、呪言で攻撃してみたりしている。


「くっ、レバンテインを選んだのは間違いであったか」

「どうしたの魔女様、余裕が無くなっているよっ!」


 そう、二人の技量が高かった事もあって、押しているのだ。 さらに私は、相手の隙を作るべく呪言での牽制を行う。


「【ぜろ!】」「【爆ぜぬっ!】」


 少しずつではあるが、クソ魔女の体に傷が増えていく。


「なっ、何故じゃっ! 何故そんな動きが出来るのじゃ!」

「修行の成果じゃないかな?」


 まっ、1人分の修行の成果じゃ無いけどね。


巫山戯ふざけおってぇぇぇ~っ! こうなれば、ワシも本気じゃぁぁぁ~っ!」

「無理すると、脳の血管が裂けちゃうよ?」

「黙れぇぇぇ~っ!」


 より一層厳しい戦いになるが、こちら側が優勢なのは変わらなかった。 いや、むしろ三対一の状況で持ち堪えている魔女の方が異常に感じる。


 こう言うのもチートって言うのだろうか?


 火花が舞い、爆発が起こり、血飛沫ちしぶきが舞う。 こっちだって本当は無傷じゃないんだけど、負傷した分は私が神術を使って治療しているので、実質的には無傷に近い。


 対する魔女の方はと言うと、アチコチに裂傷や火傷やけどがあり、一見しても私たちが有利なのは変わらなかった。


 後は削り取っていくだけだと思い始めた時、突然魔女の戦い方が変わった。


 例えば斬り結んでいる時に、


「ギガ・エクスプロージョン!」

「うげっ、【防げ!】」


 自爆攻撃なども織り交ぜる様になってきた事だろう。


 魔女の体は、ボロボロになっていくのだがお構い無しの特攻が増えてきた。 すさまじいまでの勝利への執念に恐怖すら覚える。


 だが、逃げに徹せられるよりもコチラの勝利を考えれば、都合が良い状態とも言える。 ここで取り逃しでもしたら、二度とこんなチャンスは訪れないだろう。


「悪いけど、ここで終わりにさせてもらうよ」

「させぬっ、させぬぞぉぉぉ~っ!!」


 剣術だけで言えば、ハトリが上だった。 魔術での攻撃や防御を捨てて、剣術に神術を融合させて私たちの旅についてきたのだ。 当然の結果なのかも知れない。


 飛行技術だけで言えば、黒竜王に分があった。 元々空を飛ぶ生物と、そうでない者の差なのだろうと思う。


 魔術に関して言えば、手数の多さで押し切った。 黒竜王さんと私が別々に魔術を使うものだから当然の結果だろう。 コレは並列処理の訓練の結果、複数の魔術を同時に行える様になっていた事が大きい。


 そして神術に関して言えば、互角だったのではなかろうか? とは言え、他の部分で勝っているのだから勝敗には影響しなかった。


 最早魔女には、戦う力は残されていない様子になっていた。


 最後に私にはコレがある。


「三連レールガン展開! 反物質弾頭装填! ファイヤー!」


 一面が白き輝くその中で、最後に魔女がわらった気がした。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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