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第296話 最終決戦編 ~えっ? 終わりの始まりですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

『先ずは自意識を回復するところから始めないと、だな』

『ベイナ様ぁ、ファイトですぅ』


 自我が崩壊して無意識で戦っている幼女、ハイガンベイナ8歳です。


 とは言え自意識の回復ってのは意外と難しい。 と言うのも今の自分は怒りで我を失っており、本能のまま戦っているからだ。


 ≪ママ、焦る必要は無いと思うの。 相手は犬か何かとジャレ合っていると思って手加減しているみたいなの≫


『言われてみればそうだな。 あの状態なら本気のクソ魔女なら殺すチャンスなんて、幾らでもあっただろうからな』


 そうは思うものの、本能で暴れ回っている黒竜の魂から制御を奪い取るのは容易な事ではないと思うのだ。


 ≪ママ、焦って制御しようとしちゃダメだと思うの。 アレもママの一部分でしかないのだから、受け入れる事が重要だと思うの≫


 確かに黒竜の魂や邪神の神格だって私の一分だ。 理屈では分かっているのだが、まるで狂犬でも相手にしているかの様で、中々に付け入る隙が見当たらない。


 しかし、受け入れるって言われてもなぁ…。 恐らくだが、今の自意識は転生者としての魂から来るモノなんじゃないかと思っている。


 だから黒竜や邪神の魂を受け入れるって事は、最悪の場合、私が私で無くなる可能性だってあるのだ。 今までもソレを無意識に恐れて、本来の意味で受け入れる事が出来なかった気がするのだ。


 ≪ママ、きっと大丈夫だと思うの。 ハトリはママを信じているの≫


 そこまで言われてしまっては、やるしかないか。


『女はど根性だったか? どぉぉぉりゃぁぁぁ~っ!』


 気合で暴れまくっている黒竜の魂と同化を試みる。 すると、凄まじいまでの怒りが自分の中に入り込んでくるのを感じた。


「ぐがぁぁぁぎぃぃぃ~っ!」


 ついでに邪神の魂をも取り込む事を試みる。


「ぎぃぃぃ~がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~っ!」

「何じゃ、もう壊れれしまったのか? つまらんのぉ」

「うっせいっ! 今からが本番だってのっ!」

「おおぅ、これは嬉しい誤算じゃのぉ。 精々ワシを楽しませてくれや」


 そうは言ったものの、余裕があるワケではない。 同化が不完全で、暴れ回ろうとしている魂を必死で抑え込んでいる状態なのだから。


 ≪ママ、抑え込もうとしちゃダメなの。 一緒になるの≫


『そんな事を言われてもなぁ』


 ≪ハトリも手伝うの≫


 ハトリのそんな言葉が聞こえたかと思うと、魂の融合が加速していくのを感じた。 気を確かに持っていないと、自分自身を見失いそうになる。


「ぐぎぎぎぎぃぃぃぃぃ~っ!」


 そうこうしていると、外見が黒竜の姿から黒い色が少し薄れて、虹色が混ざり始める。 そして翼と手の爪だけを残して人間のフォルムになった。


「うげっ! 私、裸じゃん!」

「うひぃっひっ! 眼福じゃのぅ」


 慌てて胸と大事な部分だけは竜燐りゅうりんで被った。


「なんじゃつまらん。 サービスタイムはもう終いなのかの?」

「うっせぇババぁ! ちゃんと見物料を取り立てるから覚悟しやがれっ!」


 そう言いながら、魔術でレールガンを生成する。 高速で空中軌道を行いながらのロックオン!


「【貫けっ!】三連レールガン!」


 しかし防御するかと思われた魔女は、ヒラリとかわして反撃をしてくる。


「そりゃ、サンダー・バレッド!」

「うぎゃっ!」


 躱し損ねた雷撃の弾丸に、まるでスタンガンでも喰らったかの様な痛みとともに体が硬直する。 くそっ、避けるなんて卑怯だぞっ!


すきだらけじゃ。 サンダー・ボルト!」

「ぐぎゃぁぁぁ~っ!!」


 体中が電撃で蹂躙じゅうりんされる。 とてもじゃないが、我慢なんて出来る痛みじゃ無かった。


「確か、『電気で調教された犬は逆らう事が出来ない』じゃったか?」

「くそっ、犬扱いかよっ!」


 体が自由になった直後に、ジグザグに飛行して電撃を何とか躱す。 しかし、必死に逃げ回る私を見るのが楽しいのか、ケラケラと笑いながら電撃の雨を降らせた。


「サンダー・レイン!」


 最早、言い返す余裕すら失くしてしまった私を、執拗にとある場所へと誘導していく。


 不味いぞ、ヘルは今動けないんだぞ! くそっ、まとめて調教でもするつもりなのか? なら、方向転換をして、別の場所で…。


「ぎぃぎゃぁぁぁぁぁぁ~っ!」

「そっちは通行止めじゃ!」


 まるで私がどの方向に逃げるかを予測していたかの様に、落雷の集中砲火を受けてしまった。


 私には、格上と戦った経験が碌に無い事を思い知らされる結果だ。 くそっ、私には仲間を逃す事すら許されないのかっ!


 ≪落ち着いて、ママ。 ママはまだ本当の力を引き出せていないだけなの≫


『そんな事を言ったって、手も足も出せないじゃないかっ!』


 ≪心配しないで、ママ。 ハトリがママを手伝うの≫


『手伝うって、何を…』


 カチッ!


 その時、何かが繋がった様な気がした。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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