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第295話 首都決戦編 ~えっ? 勝機ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

『落ち着け、ハイガンベイナよっ!』

『その声は竜王かっ?』

『そうだ』


 何だか夢の中にいる様な世界にいる幼女、ハイガンベイナ8歳です。


『ここは何処どこなんだ?』

『お主の意識の世界じゃよ』

『ほれ、現実のお主は我を失って戦っておるわ』


 そう言いながら、雲の中に私が戦っている様子が映し出された。 その姿は殆ど竜と化しており、激しい空中戦を行っていた。


 だが戦況は厳しく、とてもでは無いが有効打撃を与えられているとは思えなかった。 有り体に言えば遊ばれている印象さえ受ける。


『今の貴様は本能に従って暴れているだけの獣と同じじゃ。 アレでは勝つ事など不可能じゃろうよ』

『くそっ、だったらどうしろって言うんだよっ!』

『だから落ち着けと言うておる』

『だけどこのままじゃぁっ!』


『聞こえますか、ヘルですぅ。 ベイナ様ぁ』

『ヘル? 無事だったのか?』

『いえ、一度死んでよみがえりましたぁ。 これでも死を司る神ですから』

『そっか、死神だもんな。 動けそうなのか?』

『ちょっと無理そうですぅ。 ダメージが大きすぎて復活とまではいきそうにないですぅ』

『ならそのまま回復に努めていてくれ。 何とか二人が逃げ切れるすきくらいは作ってみせるから』

『その事なんですがベイナ様ぁ、ハトリちゃんは手遅れでしたぁ』

『はぁ? 嘘だろ…』

『何とか魂は確保してあるのでぇ、せめて吸収して一つになってあげて下さい』


 ハトリが死んだ? いや、だってまだ息はあったハズだ。 それなのに死んだ?


『クソがぁぁぁーっ!』


 怒りと悲しみが混じり合い、自分自身の感情が分からなくなる。 本来なら仇討かたきうちでもするのが道理なのだろうが、今の私は自分で自分の体すら自由に動かす事が出来ないでいる。


 こんな状態の私に何が出来ると言うのだろうか?


 ≪落ち着いて、ママ。 ママは一人じゃないの≫


 ハトリ…なのか?


 ≪ごめんね、ママ。 失敗しちゃったの≫


 いや、ハトリは悪くない。 悪いのは、不甲斐ふがいないのは私の方だ。 本当なら、私がハトリを守るべきだった。 恨んでもらっても構わない。


 ≪大好きだよ、ママ。 だからそんな事は言わないで欲しいの≫


 ハトリ…。


 ≪二人でやっつけちゃおうよ、ママ≫


 出来るかな。 ははっ、自信が無いや。


『ベイナ様ぁ、どのみちこのままでは後が無いのですぅ』

『でもあの魔女の強さは、並大抵のモノじゃないぞ。 協力したからと言って何とかなるとは思えないんだが』

『その時は、仲良く地獄とかで暮らしましょう』

『そっか、その時は地獄の支配でも目指してみるか』

『何だか楽しそうですぅ』


 そりゃね、もしも死ぬなら行き先は地獄しかないと思っていたケド、そう考えれば地獄も悪くは無いのかも知れないな。 どのみち天国なんてのは肌に合いそうにないって思っていたんだ。


『まぁ、アレだな。 運が悪けりゃ死ぬだけってヤツだ』

『その通りなのですぅ』


『それで、あの魔女の弱点とか知ってるのか?』

『それは無理な話なのですぅ。 今は「魔の森の魔女」なんて呼ばれていますがぁ、アレの本来は「記録の魔女」と呼ばれるモノですぅ」

『「記録の魔女」って?』

『一度戦えば、相手のクセや戦術、技なんかを覚えてしまう反則みたいな存在ですぅ』

『既に一度、いや今回も含めれば二回は戦っているんだが?』

『手の内は知られていると思いますしぃ、既に対策も取られていると思いますぅ』

『いや、竜形態で戦ったのは今回が初めてなんだが、まるで通用していないみたいだったぞ?』

『それは過去に戦った黒竜なんかのデータを流用しているんだと思いますぅ』

『戦えば戦う程に強くなるって認識で合っているのか?』

『そう思えば良いと思いますぅ』

『無理ゲーじゃね?』


 反則とかそんな可愛いレベルじゃ無い気がする。 しかも技とかも盗めるって事だよな。


『じゃぁ私のレールガンとかも再現できるとかって考えた方が良いのかな?』

『それは微妙だと思いますぅ。 大体アレってベイナ様が錬金術で作ったんですよねぇ』

『あぁ、そうだよ』

『それはあの魔女の前で行ったんですかぁ?』

『いや、ダンジョンの中で自作したって感じだな』

『あの魔女のダンジョンですかぁ?』

『あぁ、そうだ』

『なら作り方を盗み見られた可能性はあるのですぅ』

『でも、昔レールガンで攻撃した事があるんだが、簡単に防がれてしまったぞ』

『それは通常弾頭だったんですかぁ? それとも反物質弾頭したかぁ?』

『そうか、反物質弾頭は使っていなかったし、勝機があるとすればソコか』


 反物質弾頭ってのは、見ていたからと言っても理論が分からなければ簡単に複製出来るとも思えないんだよな。 ましてやリバースエンジニアリングだって現物があってこそだ。


『ですけどぉ、そんなに簡単に隙を見せる相手ではないのですぅ』

『だよな。 相手がジッとしているのなら話は別なんだろうけど、転移の能力まで持ち合わせているんだもんな』

『隙を作れますかぁ?』

『自信は無いかな』


 まぁ良いや。 倒せる可能性があるなら、ソレに掛けるしかないだもんな。


 なぁに、運が悪けりゃ地獄に落ちるだけだ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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