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第294話 首都決戦編 ~えっ? 悪夢の再会ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「久しぶりじゃのう、ベイナよ」

蜘蛛くもの魔物って段階で、嫌な予感がしてたんだよな」


 久しぶりの再会に嫌気がさす幼女、ハイガンベイナ8歳です。


「なぁ、一つ聞いても良いかな?」

「何じゃ?」

「蜘蛛を創ったのは、魔女様で間違いないんだよな」

「まぁ、たわむれ程度のモノじゃったがな。 それでも国を一つ滅ぼせたのは、面白かったがの」

「邪魔しちゃった事になるのかな?」

「いやぁ、そこまでは期待はしておらなんだよ」

「そうなのか? それなら見逃したりしてくれるのか?」

「じゃが、折角の娯楽を潰してくれたんじゃ。 少し遊んでくれても罰は当たらんじゃろ?」

「やっぱり無理か…」

「つれないのぉ。 遊び相手としては合格にしてやろうと思っておるのに」


 そう言えば、ハトリの事を聞いて蜘蛛の魔物に興味を抱かせてしまったのは、私だったけ。 それであんな化け物を創ってしまうのだからタチが悪い。


「ベイナ様ぁ、ここは逃げた方が良いと思いますぅ」

「あぁ、分かっているさ」


 以前なら「魔の森の魔女」って事と、漠然とした強さしか分からなかったが、今なら嫌と言う程に強さが分かる。 アレは普通の魔女なんて話しにならないレベルの強さだ。


「ところでベイナよ。 魔王ゴッコは楽しめたかの? 折角魔王認定をする様に色々と手を回した甲斐かいはあったかと思うんじゃが?」

「アレも魔女様の仕業だったのかよ」

「何、少しばかり色々と人間の記憶をいじって遊んだ程度じゃ。 サプライズイベントとして退屈しなかったであろう?」

「お陰で人類からは『敵』として認識されたよ」

「おや奇遇じゃのう。 実はワシも人類からは『敵』と認識されとるらしいんじゃ。 仲間じゃな」

「言ってろ」


 まぁ人間から『敵』と認識されたからと言って別に困る事なんて無いが、だからと言って納得できる話では無い。 別に好き好んで人類の『敵』になったワケでは無いのだ。


 そりゃぁ今となっては人間と仲良くなれたかって言われたら疑問は残るが、それでも共存するくらいの道ならあった気がするのだ。 手遅れだけど。


「それじゃぁ少し、ワシと遊ばんか?」

「ご冗談を…」


 私の事をオモチャか何かだと思っているかの様な眼差しだが、冗談で済まないのは滲み出ている魔力量だ。 それを感じるだけで背中が汗でビッショリとれる。


 チラリとハトリに視線を向けると、真剣な眼差しで剣を抜き放った。 どうやら本能的に逃げ切れないと感じている様子だ。


 対するヘルは、いつもの余裕は消えて無くさり、何やらブツブツと呪文を唱えている。 どうやら誤魔化して何とかやり過ごそうとしていたのは私だけだったらしい。


「【死ぬのですっ!】 ニブルヘイム!」

「ちょっ、ヘルさん!?」


 死を誘う極寒の風が魔女様に襲いかかる。 視界なんてホワイトアウトしてしまって、1メートル先すらも見えない。


 そのとき、ふと誰かのうめくの声が聞こえた気がした。


「やはり此奴こやつはこの程度か…」


 そんな台詞が聞こえたかと思うと、そこには蹲って苦悶の表情を浮かべるヘルを足蹴あしげにする魔女様がいた。


「まぁ死ななかったのは褒めてやるが、あの程度でワシを殺そうなどとは失望モノじゃ」


「ヘルっ! 無事かっ!?」


「無駄じゃよ。 手加減はしたが瀕死じゃろうて」


「なっ、何が起きたんだ!?」


「さて、次は蜘蛛娘はどうかの?」


「やめろぉぉぉ~っ!」


 必死で竜爪で割り込もうとするが、ハトリがいる1メートル程の距離が矢鱈やたらと遠くに感じた。


「これも期待ハズレじゃの」


 そう言って私の竜爪を右手の障壁で弾いた魔女様は、左手をハトリの背中から生やしながらそう言った。


「嘘だろ…」


 それに続く言葉が出てこない。 ハトリもヘルも重傷…いや瀕死か、辛うじて痙攣けいれんなどをしている事からも死んではいない様子だ。 だからと言って、死ぬのを逃れたとは言い難い。


 放置すれば死ぬのは確実だろう。


 ハトリが死ぬ? 死神が死ぬ? 何の冗談だ?


「クソがぁぁぁーっ!!」


 目の前が真っ赤に染まり、怒りで正気が吹っ飛んだ。 いや、自意識か人間性が吹き飛んだ感じだ。


「殺す! 殺す! 殺す! 殺す!」


 爪で、牙で、尻尾で、翼で、ブレスで。 私の持つ有りと有らゆるモノを使って殺意を形にするのだが、まるで見えない壁か何かに遮られる様に攻撃が一切通らない。


 あと一歩が、まるで無限の彼方かなたにあるかの如く、届く気配すら見せてくれない。


「ほれ、急がねば時間切れになるぞ。 何時になったら本気を見せてくれるんだ?」


 プツン。


 次の瞬間、私は白い霧に包まれた空間の中にいた。


 あれっ? ヘルは? ハトリは? そしてあのクソ魔女はどうなったんだ?


 それとも、ここって地獄か何かなのだろうか?


「落ち着かんか、このたわけ者め」


 その時、聞き覚えのある声が背後から聞こえてきた。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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